報道発表

北朝鮮人権状況決議の国連総会第3委員会における採択

平成25年11月20日

1 本20日(現地時間19日),ニューヨークで開催中の国連総会第3委員会において,我が国及びEUが共同提出した北朝鮮人権状況決議が,過去最多となる59カ国の共同提案国を得て,昨年に引き続きコンセンサスで採択されました(採択は9年連続9回目)。

2 この決議は,北朝鮮における様々な人権侵害に強い懸念を表明し,北朝鮮に対し,すべての人権と基本的自由の尊重や,拉致被害者の即時帰国の実現を含めた拉致問題の早急な解決等を強く要求しています。

3 北朝鮮の人権状況改善のためには,国際社会が連携して,北朝鮮に対する状況改善に向けた具体的行動の働きかけを継続することが重要です。今次決議が,すべての国連加盟国からなる国連総会第3委員会において,過去最多となる共同提案国を得てコンセンサス採択されたことは,拉致問題の早期解決を含む北朝鮮の人権状況に対して国際社会に強い懸念が引き続き存在することを示しており,北朝鮮に対して国際社会の明確なメッセージを改めて伝えることになったと考えます。

4 我が国としては,北朝鮮が,今次決議に示された国際社会の声を真摯に受け止め,拉致問題の早期解決を含めた人権状況の改善や,北朝鮮における人権に関する国連調査委員会及び北朝鮮人権状況特別報告者の訪問受入れを含めた国際社会との協力に向け具体的行動をとるよう引き続き働きかけていく考えです。

(参考)

1 採択結果
 昨年に引き続き,コンセンサス採択された(ただし,北朝鮮,中国,キューバ,ベネズエラ,シリア,イラン,ロシア及びベラルーシの8カ国は,コンセンサスから離脱)。国連総会第3委員会メンバーは,国連全加盟国(193カ国)。本決議は,今後12月中下旬の国連総会本会議で改めて採決に付される予定。

2 北朝鮮における人権に関する調査委員会
 拉致問題を含む北朝鮮の人権状況全般に係る人権侵害を調査するため,本年3月の人権理事会における決議で設置が決定。マイケル・カービー氏(委員長,元豪州連邦最高裁判所判事),マルズキ・ダルスマン氏(北朝鮮人権状況特別報告者,元インドネシア検事総長)及びソーニャ・ビセルコ氏(セルビア・ヘルシンキ人権委員会(NGO)代表)の3名で構成。活動期間は1年。報告書を作成し,来年3月の第25回人権理事会に提出する。
 本年8月27日から9月1日まで,調査のため訪日。日本滞在中は,総理及び外務大臣を表敬した他,公聴会による北朝鮮の人権状況についてのヒアリングを実施。また,我が国関係省庁からも,拉致問題を中心として,合同で同委員会に説明を行った。


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