報道発表
日中外相テレビ会談
令和4年5月18日
5月18日、午前10時から約70分、林芳正外務大臣は、王毅(おう・き)国務委員兼外交部長とテレビ会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭、林大臣から、昨年10月の日中首脳電話会談で達成された「建設的かつ安定的な関係」という重要な共通認識を双方の努力で実現していく必要がある旨述べ、王毅国務委員兼外交部長から同様の考えが示されました。
- 林大臣から、日中関係は様々な困難に直面し、日本国内の対中世論は極めて厳しい旨述べた上で、互いに言うべきことは言いつつ対話を重ね、協力すべき分野では適切な形で協力を進め、国際社会への責任を共に果たしていくべきである旨述べました。その上で、尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海、南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区等の状況に対する深刻な懸念を表明するとともに、台湾海峡の平和と安定の重要性につき述べました。また、在中国日本大使館員の一時拘束事案及び中国における邦人拘束事案について、我が方の立場に基づき改めて申し入れました。さらに、林大臣から、日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃を強く求めました。
- 両外相は、日中経済に関し、様々な分野・レベルで対話と協力を適切な形で進めていくことを確認するとともに、双方の努力で国民交流と経済交流をしっかりと後押ししていくことが重要である旨述べました。また、林大臣から、新型コロナによる様々な影響がある中で、在留邦人の安全の確保や日本企業の正当な経済活動の保護等について中国側の適切な対応を要請しました。
- 林大臣から、ウクライナ情勢について、ロシアによるウクライナ侵略は国連憲章を始め国際法の明確な違反であり、中国が国際の平和と安全の維持に責任ある役割を果たすよう求めました。北朝鮮については、最近の情勢について意見交換を行うとともに、林大臣から、非核化に向け国際社会が一致して対応する必要がある旨述べた上で、拉致問題の即時解決に向けた理解と支持を含め、両外相は引き続き緊密に連携していくことを確認しました。