談話
シリアにおける化学兵器使用問題に関する米露合意について(外務大臣談話)
1 14日,シリアにおける化学兵器使用問題について,ケリー米国務長官とラブロフ露外相が,シリアにおける化学兵器の完全な廃棄に向け,シリア政府に対し1週間以内に保有する化学兵器を申告すること,国際的な査察を受け入れること等を求めるとした枠組みの合意に達したことを発表しました。我が国はこれを歓迎します。
2 我が国は,シリア政府に対して今回の合意に基づいた真摯な対応を求めるとともに,その実際の行動を注視していきます。また,引き続き,化学兵器が二度と使用されないようにするための関係国・機関の努力を支持し,必要な貢献を行っていく考えです。
3 我が国は,今後とも,シリアにおける暴力の停止と政治対話の開始,劣悪な人道状況の改善のための国際社会の努力に貢献し,難民支援や周辺国支援にも積極的に取り組んでいきます。
【参考】14日発表のシリアの化学兵器問題に関する米露合意の内容(要旨)
(注)本件合意の附属書において,OPCW執行理事会による決定のための諸原則を明記。その中で今後の段取りについて以下言及。
(ア)OPCWが申告施設への初期的な現地査察を本年11月までに完了。
(イ)化学兵器の製造装備等の廃棄を本年11月までに完了。
(ウ)すべての化学兵器の物質及び装備の除去を来年前半に完了。
(2)米露両国は,OPCW執行理事会の決定を補強する国連安保理決議の迅速な採択に向けて協力していくことにコミット。同決議は,その検証及び効果的な実施を保証するための手順も含み,また,国連事務総長に対し,OPCWと協議の上,シリアの化学兵器プログラムを撤廃するための国連の役割について安保理に迅速に勧告を行うことを要請。米露両国は,(OPCWの決定の)不履行が発生した場合は,安保理が憲章第7章に基づく措置を課すべきであることで一致。
(3)米露両国は,シリアが一週間以内に化学兵器に関する包括的なリストを提出することを想定。