記者会見
茂木外務大臣会見記録
(令和8年8月25日(火曜日)14時41分 於:本省会見室)
冒頭発言
【茂木外務大臣】夏休みとか、また、私の出張もありましたので、久しぶりの会見になりますが、よろしくお願いいたします。特段私の方からありませんので、御質問等ありましたらお願いいたします。
イラン情勢(米国による経済制裁)
【共同通信 恩田記者】中東情勢をめぐって伺います。米国のベッセント財務長官は記者会見でイランへの経済制裁の中身を公表しました。トランプ政権は軍事圧力から経済圧力に回帰する方針ですが、今回の制裁の受け止めと、経済制裁が中東情勢全体にどのような影響を与えると分析しているのかを伺います。
【茂木外務大臣】日本時間の本日未明になるかと思いますが、米国のベッセント財務長官は、イランに対する新たな制裁措置を発表したところであります。特に日本に関わる問題というのは出てこないのではないかと思っておりますが、我が国としては、ホルムズ海峡、先週私も中東訪問しておりましたが、一刻も早く解放され、その上で、米・イラン間の協議が再開し、核問題等を含む最終合意が早期に実現することが重要であると考えております。
こうした観点から、米国による新たな措置というものが、今後の米・イラン間の協議であったり、我が国を含む国際社会にいかなる影響があるのか、その内容を、今、精査しているところであります。
いずれにしても、イランによる核開発、核兵器開発、これは決して許されず、中東地域の平和と安定に向けて、米国を始めとする国際社会で、引き続き、緊密に連携をしていきたいと、こんなふうに考えております。
米国による国際刑事裁判所(ICC)赤根所長への制裁
【読売新聞 福田記者】ICCの赤根所長への米国の制裁について伺います。「人権外交を超党派で考える議員連盟」は、24日に、制裁を非難する声明を決議し、日本政府の反応について、「諸国と比べて段違いに弱い」と批判しました。まず、こうした声をどのように受け止めるか、また、政府は所長と緊密に意思疎通して、「必要な支援があればしっかり行っていく」としていますが、具体的にどのような支援を想定しているのか、この2点について教えてください。
【茂木外務大臣】各国それぞれに反応しているところ、また、声明等を発表していない国も多いと考えておりますが、我が国は国際社会における最も重大な犯罪の処罰と撲滅、そして、「法の支配」の徹底のために、常設の国際刑事法廷であるICCを一貫して支持をしてきております。今般の措置は、こうした我が国の立場と相容れるものではないと、このように考えております。
米国に対しては、赤根所長等を制裁対象にしないように、これまでも累次にわたって、様々なレベルで働きかけを行ってきました。特に、日本が輩出しました赤根所長との間では、これまで緊密に意思疎通を行ってきておりまして、赤根所長が直面しております深刻な危機感や、また、懸念を共有をしているところであります。引き続きしっかりと必要な支援をしていく考えであります。
どういう支援が必要かということについては、先日も中村国際法局長もオランダの方に行っておりまして、いろいろ直接話も聞いているところでありまして、その時折々で出てくると思いますが、しっかりと支援してまいりたいと考えております。
同時に、ICCが普遍的な裁判所として国際社会の信頼に足りうるためには、検察官が適切に職務を遂行するとともに、ICCが抱える課題にICCや締約国がしっかりと対処し、適正な運営がなされることが重要であると考えております。我が国としても、締約国として、関連の議論に参加して、引き続き、役割をしっかりと果たしていきたいと考えております。
我が国は、国際社会における「法の支配」を一貫して遵守してきておりまして、この考えに全く変わりはありません。米国のICCに対する姿勢は非常に厳しいものがあると認識しておりまして、更なる措置も示唆をされているところであります。こうした厳しい現状の中で、どのような対応が効果的なのか、引き続き、関係国と意思疎通を継続しつつ検討して、国際社会における法の支配の強化に、日本としてしっかり取り組んでいきたいと、このように考えております。
【フリー・ジャーナリスト 志葉氏】大臣に質問です。ICC関連です。大臣のスタンスは、今おっしゃったとおりだと思うんですけれども、米国に制裁撤回を明確に求めるということはされないんでしょうか。また、もう一つ、例えばICC締約国共同声明に加わって主導的な立場を取るだとか、あるいは米制裁の域外適用から日本国民や邦人を守るブロッキング規制、こういったことを導入だとか、そういった具体的なことをどのようにやるのか、明確に御説明いただければ幸いです。
【茂木外務大臣】先ほど申し上げたように、米国とは様々なやり取りをしてきております。これは外交上のやり取りですから詳細については控えさせていただきたいと思います。また今後の対応についても、どういった対応が最も効果的かといったことについて、関係国とも連携しながら、しっかり検討して、国際社会における法の支配の強化に取り組んでいきたいと考えております。
中国海軍とインドネシア海軍の合同訓練
【トリビューン・ニュース スシロ記者】大臣、中東訪問から帰ってきてお疲れ様でした。8月8日、インドネシア海軍は、相模湾において、海上自衛隊との協力訓練に参加しました。その4日後に、インドネシア軍は台湾付近の海域で、中国軍との協力訓練を実施し、8月12日には台湾側がこれに抗議しました。更に、8月22日には、インドネシアと中国の外相及び国防相による「2+2」閣僚会合が開催されました。私は両国軍による協力訓練の軍事的又は技術的な詳細について質問しているのではありません。私の質問は、台湾が中国に対して強く抗議し、国際問題にまで発展したインドネシアの一連の行動について、日本政府、特に、外務省が外交政策の観点から、どのように受け止め、評価しているのかという質問です。よろしくお願いいたします。
【茂木外務大臣】まず、中国及びインドネシア両国の海軍の艦艇が、8月12日、おっしゃったように、台湾東部海域において通航演習・訓練を終了した旨、中国国防部が発表したことは承知いたしております。
これについて、中国に対して、我が国としての立場を伝達し、関心表明を行っておりまして、また、インドネシア側との間でも種々意思疎通を行っているところでありますが、この意思疎通の内容につきましては、外交上のやり取りでありますので、詳細は差し控えたいと思っております。
インドネシアとは、本年3月の日・インドネシア首脳会談でも一致しているとおり、包括的・戦略的パートナーシップを一層強化すべく、様々な分野で協力を更に進めていく考えであり、この方針に変更はありません。
米国による国際刑事裁判所(ICC)赤根所長への制裁
【フリー・ジャーナリスト 志葉氏】2度目の質問です。先ほど大臣がおっしゃっていたICCの抱える問題、あるいはICCの適切な運営というのは、どのような意味でしょうか。米国がICCに、今、制裁を課しているのは、結局のところ、イスラエルを擁護するためというような見方が支配的だと思うんですけれども、大臣もそのように考えていらっしゃるんでしょうか。
【茂木外務大臣】必ずしもそうではありません。
