記者会見
茂木外務大臣会見記録
(令和8年7月17日(金曜日)17時03分 於:本省会見室)
ASEAN関連外相会議における対中関係
【産経新聞 永原記者】来週、ASEANの関連外相会合があり、大臣も御出席を検討されていると思いますが、開催場所のフィリピン周辺の南シナ海では、中国の覇権主義的な行動が懸念され、日本も、力による一方的な現状変更の試みへの反対を表明してきました。御出席するとすれば、こうした中国への懸念を今回の会合でも取り上げるのでしょうか。また、会合には王毅(おう・き)外相も出席すると思いますが、中国の日本に対する「新型軍国主義」などの批判を、この機会を通じて反論する考えがあるかについても教えてください。
【茂木外務大臣】諸般の情勢が許しましたら、来週、ASEAN関連外相会合、フィリピンのマニラで開催されるわけでありますが、出席すべく、今、調整を行っているところであります。
今回のASEAN関連外相会議におきましては、東シナ海・南シナ海、北朝鮮、ミャンマー、中東、ウクライナといった地域・国際情勢について、各国との間で議論を深めたい、そんなふうに思っておりますし、また、ASEANは、FOIPを実現するために、極めて中心となる地域でありまして、このASEANとの協力関係を深めたいと、こんなふうに考えております。
会議における具体的な発言、これは会議全体の雰囲気もありますので、その場のどの国がどういった発言をするか、そういったことで、臨機応変に対応しなければならないと思っておりますが、いずれにしても、アジア諸国を始めとする同志国と連携をしながら、地域の平和と繁栄に貢献していく日本の姿勢、こういったものを、しっかりと伝えていきたい。エネルギー情勢であったり、また、重要鉱物であったり、様々な新たな経済安全保障上の問題も出てきておりますので、そういった意味でも、日本はどうしていきたい、また、ASEANとはどう協力していく、どう支援していく、こういうことをしっかりとお伝えしたいと、こんなふうに考えています。
日・ASEAN外相会議
【朝日新聞 宮脇記者】今の御回答とやや重複して恐縮なんですけれども、日・ASEAN関係についてお伺いいたします。外相関連会合に出席される場合、パワーアジアを始めとするエネルギー安全保障や、中国を念頭にした海洋安全保障を含め、日・ASEAN間の協力をどのように進めたいお考えでしょうか。
【茂木外務大臣】先ほど申し上げたように、ASEANはFOIP実現の中核であります。また、ASEANの掲げるAOIP、これはFOIPと基本的な原則や方向性を共有しているわけでありまして、今後もFOIPとAOIPの協力、これに沿った協力を、日本とASEANで推進していきたいと、こんなふうに考えております。
日本として、進化したFOIPの下、地域各国の「自立性」そして「強靭性」の強化に必要な支援・協力を行っていきたいと思っております。
具体的に大きく三つの分野があると思っているのですが、一つは、各国が自国の領土であったり、領海を守る力、そして、二つ目に、今もお話ありましたが、エネルギー安全保障を含みます経済安全保障、さらに、三つ目として、技術進展であったり災害への対応、この三つの分野が重要であると考えておりまして、日・ASEAN外相会議でも、こうした日本の考え、しっかり伝えたいと、こんなふうに思っています。
イラン情勢
【共同通信 恩田記者】米・イランの関連について伺います。米中央軍は、イラン港湾の封鎖措置に反した石油タンカーにミサイルを発射し、航行不能にしたと発表しました。14日に港湾封鎖を再開後、商船の攻撃は初めてとなりました。イランが海峡封鎖を表明したことへの圧力を強化した形となります。イランに対する攻撃は継続されており、米・イラン間の緊張が高まっていますが、現状に対する大臣の認識と、今後日本として、事態沈静化に向けて、どのような外交努力に取り組むか伺います。
【茂木外務大臣】6月18日、覚書に署名しまして、約1か月がたつところでありますが、米・イラン間の軍事的緊張、これが継続しているというか、再び攻撃の応酬に至っておりまして、我が国として、こうした状況を深刻に懸念しております。
こういった懸念は、多くの国が持っていると、こんなふうに考えておりますが、イランをめぐっては、ホルムズ海峡に関する問題、更には、核問題をどう処理していくか、これに加えて、レバノンを含みます地域全体の平和をいかに確保するかという問題もあります。
一方、イランの側から見ると、凍結されている資産、この解除の問題もありますし、米国等が掲げております一次、二次の制裁、この解除の問題もあるわけでありまして、これらの難しい問題が、言ってみますと、連立方程式のように相互に関係し合っておりまして、例えば、核問題で進展があったらば、資産の一部を解除するとか、制裁の一部を解除するとか、pay-as-you-goとか、いろいろな形で絡み合っており、非常に、一つ一つ解いていく必要がありまして、なかなか難しい問題でありますが、進めていかなければいけない、こんなふうに考えております。
今一番重要なことは、現在の軍事的緊張、これを緩和して、ホルムズ海峡を含めます地域の平和と安定を一刻も早く回復することと考えておりまして、その上で、覚書に沿って、今申し上げたような諸課題を一つ一つ解決していく必要があると思っております。
我が国としては、事態沈静化であったり、中東地域の平和と安定に向け、これまでも、イラン、米国、更には、仲介国や湾岸諸国とも緊密に意思疎通を重ねてまいりました。私もこの関連だけでも2月28日以降、おそらく60回近い会談や電話会談を行ってきたところであります。
今後も関係国との対話を続けながら、国際社会ともまた連携をしながら、米・イランの話合い、これに必要な環境の醸成に最大限努めていきたいと、こんなふうに考えております。
