記者会見

茂木外務大臣会見記録

(令和8年7月3日(金曜日)16時17分 於:本省会見室)

(動画)茂木外務大臣会見の様子

バングラデシュとの安全保障協力

【日経新聞 中岡記者】現地時間の2日、日本からバングラデシュにOSAの枠組みを利用した警備艇5隻の供与式が行われました。バングラデシュの供与は2023年度に決定したものですが、バングラデシュは、6月、中国とともに「軍国主義の復活に反対する」との声明を出しています。日本を念頭に置いたものとみられますが、こういった国との安全保障協力の在り方や、今後のOSA支援の方向性についてお考えをお伺いします。

【茂木外務大臣】昨日、バングラデシュのチョットグラム海軍基地において、2023年度OSA案件によります警備艇の供与式が開催をされまして、外務省から島田政務官が出席いたしました。
 式典での挨拶において、バングラデシュ側から機材供与に対する謝意に加えまして、「日本がこの地域の平和、安定、強靭性及び能力構築の促進について果たしている建設的な役割を高く評価している」、こういった発言があったところであります。
 御指摘の共同コミュニケについては、第三国間のやり取りでありまして、我が国を念頭に置いた文言であるかどうかも含めて、コメントする立場にはありませんが、我が国は戦後一貫して、平和国家としての道を歩んできました。このことは、世界の多くの国々から高く評価されているところでありまして、今回のバングラデシュ側の発言からも明らかであると考えているところであります。

中国による進化版「FOIP」への批判

【共同通信 恩田記者】高市総理のインド訪問をめぐって伺います。昨日の中国外交部定例記者会見において、報道官から、進化版FOIPは対立・対抗を考えており、名実が伴わない理念との発言がありました。日本政府としての受け止めを伺います。

【茂木外務大臣】「自由で開かれたインド太平洋」、FOIPでありますが、これは2016年の提唱以来、そして、今年の5月に発表しました進化したFOIPにおきましても、これまで一貫して説明してきているとおり、包摂的で開かれたビジョンであります。当然、対立や対抗を広げようとするものではないのは明らかでありまして、地域の国々からも、温かい支持であったり、理解を得ていると考えております。
 このような考え方に基づき、多くの国・地域と協力しながら、進化したFOIPの下、日本、相手国、そして、インド太平洋地域全体の利益と恩恵をもたらす具体的な協力、これを進めていきたいと考えております。

日中関係

【読売新聞 福田記者】日中関係について伺います。中国はレアアースなどデュアルユース製品の対日輸出規制を強化し、遼寧省での日本人の拘束や与那国島沖のEEZ内で中国海警局が管轄権を主張する動きも続いています。こうした状況を踏まえて、今後、政府は中国とどのような関係を築いていく考えでしょうか。

【茂木外務大臣】まず、御指摘の中国によります我が国のみをターゲットにした輸出規制は、決して許容できず、極めて遺憾でありまして、中国側に対して強く抗議するとともに、措置の撤回、これを求めております。
 また、大連での邦人拘束事案については、当該邦人や関係者と連絡を取りつつ、引き続き、邦人保護の観点から、適切に対応していきたいと考えております。
 さらに、与那国島南方の我が国の排他的経済水域における中国海警船等の活動であったり、また発表であったり、これについては我が国として受け入れられず、中国側に対して外交ルートで、繰り返し申入れを行っているところであります。
 日中間、これまでも申し上げておりますとおり、懸案や課題があるからこそ、意思疎通が重要であると考えております。我が国としては、中国との様々な対話についてオープンであります。今後も中国側と意思疎通を継続しつつ、国益の観点から、冷静かつ適切に対応していきたいと考えております。

中東地域の危険情報

【時事通信 木下記者】中東地域の危険情報についてお伺いします。外務省は先月25日、米国とイランの戦闘終結に向けた覚書署名などの動きを受け、サウジアラビアやカタールなど中東地域7か国の危険情報を、レベル3からレベル2に引き下げました。一方、覚書署名を受けても、イランやイラクの危険情報は退避勧告のレベル4から変更されていませんが、覚書署名以降も双方の攻撃が続くなど、緊張の緩和が見通せない状況の中で、これらの国や地域に対する危険情報引下げの検討状況と現状を見直す際に注視している点についてお伺いします。

【茂木外務大臣】 危険情報については、適時適切に見直しを行なっておりますが、これは基本的に、邦人の安全確保の観点から、治安状況をはじめとした現地の政治・社会情勢等を総合的に勘案して判断をしているものであります。
 イランやイラクといった前回対象とならなかった国・地域についても、引き続き、覚書の今後の履行状況を含む地域情勢等を見極めて、適切に判断をしていきたいと、このように考えております。

高市総理の訪印

Asian News International 板垣記者】日印首脳会談の成果は、インドでも大々的に報道されておりまして、モディさんの口からも、日本の「カイゼン」という言葉を私たちは学んだといったようなことも発せられたりしております。成果を確認するとともに、今後の課題といいますか、そういったようなことも抽出されているように思います。一つはFOIPの今後、どのような発展の可能性があるのか。アフリカあるいはグローバル・サウスに向けてといったような点。あるいは、10兆円という日本からの投資の呼び込みの目標といったようなことも語られておりました。日本のインド大使館におきましては、投資呼び込みのために、投資のためのインセンティブの紹介といったようなことを非常にやっております。こうした課題の解決、これからの対応としまして、外交面、あるいは国内的な行政的な手当の側面、これらの点で御意見を伺えればと思います。

【茂木外務大臣】今回の高市首相のインド訪問、これはインドとの戦略的協力関係を深化させるとともに、両首脳間、映像でも見ていただいたように、個人的な信頼関係、これを強化し、大変有意義な訪問になったと、このように考えております。
 具体的には、昨年8月のモディ首相訪日の際に打ち出した、今後10年の協力の方向性、これを再確認しつつ、日本とインドの互いの強みをいかして、「カイゼン」という言葉もありましたが、一つは日印の戦略的協力関係を深めること、そして二つ目に、経済安全保障及びエネルギー安全保障の分野での協力を推進すること、さらに、三つ目として投資イノベーションの協業を通じた日印両国の経済成長の「共創」、共に創る、こういう3点を中心に協力を進めていくことで一致いたしました。
 インドは、まさに、国際社会で発言力を増しておりますグローバル・サウスの代表格の国でありまして、インドと協力することによって、第三国協力という、アフリカも含め、そういった協力も進めていければと、こんなふうに考えているところであります。
 今回、年内の日印の「2+2」の開催でも一致したところでありまして、私とジャイシャンカル外相の個人的な信頼関係、これに基づいて、インドとの戦略的関係、様々な面で強化していきたいと考えております。

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