記者会見
茂木外務大臣会見記録
(令和8年6月30日(火曜日)14時36分 於:本省会見室)
冒頭発言
ベネズエラにおける地震被害に対する緊急援助
【茂木外務大臣】私からまず1点、ベネズエラに対する緊急援助についてであります。
今般ベネズエラで発生した地震によりまして、多数の死傷者、そして甚大な被害が発生しております。
この地震被害に対応して、今般、国際協力機構、JICAを通じて、ベネズエラ政府に対して、緊急援助物資としてプラスチックシート、ポリタンク、浄水器を供与することを決定いたしました。
また、現地の医療であったり、復旧・復興ニーズの把握を目的として、先週金曜日26日から、JICAの調査団を現地に派遣しております。調査団の報告も受けることになりますが、政府として、引き続き、現地のニーズを踏まえつつ、国際緊急援助隊の派遣や、緊急無償資金協力といった、必要な支援を検討していきたいと思います。
私からは以上です。
ウクライナ支援
【朝日新聞 宮脇記者】茂木大臣は、明日、ウクライナのシビハ外相と会談を行います。会見でおっしゃっているように、日本の揺るぎない支援姿勢が伝えられるものと承知しておりますが、一方、先のG7エビアン・サミットも含めて、高市総理とゼレンスキー大統領との対面の会談が実施されていないことなどから、日本のウクライナへの関与低下の可能性について不安視する声もあります。改めて、ウクライナ支援に対する日本政府の考えを伺います。お願いします。
【茂木外務大臣】日本のウクライナ支援、これは揺るぎない、このことをまず、明確に申し上げたいと思っております。
明日のシビハ外相との会談では、我が国はウクライナと共にあり、その方針に揺るぎないとの立場を、改めてお伝えをするとともに、二国間関係の深化や国際情勢について、じっくりシビハ外相と意見交換を行う予定であります。
我が国は、これまでG7を始めとする各国と連携し、人道、財政、復旧・復興の分野で、総額約200億ドルの支援を表明しまして、今、着実に実施に移しているところであります。
今後とも、国際社会と緊密に連携をしながら、ウクライナの社会経済を強靭なものにしていく、こういった観点から、官民一体の復旧・復興支援も含めまして、しっかりした取組を進めていきたいと、このように考えています。
中国における民族団結法の施行
【共同通信 恩田記者】明日、7月1日から中国で「民族団結促進法」が施行されます。少数民族の同化政策を加速するとの懸念があるほか、国外の組織や個人でも民族団結を破壊する行為には法的責任を追及するとしています。日本国内への影響を心配する声もありますが、政府として受け止めを伺います。よろしくお願いします。
【茂木外務大臣】御指摘の法律、7月1日、明日から施行されることは承知をいたしておりますが、他国の法律でありまして、この法律の個々の規定の解釈であったりとか、運用について、政府としてはお答えする立場にはないと思っておりますが、いずれにしても、御指摘のような懸念、これも念頭に置きながら、政府として、国民の安全、これが害されることがないように適切に対応していきたいと思っております。
日・メルコスールEPA交渉開始の意義
【産経新聞 永原記者】ブラジルなど南米5か国が加盟する関税同盟メルコスールは、現地時間の30日に首脳会合を開き、日本とのEPA交渉入りを正式に承認する見通しです。改めて、メルコスールとの交渉入りをする意義をお伺いします。併せて、自民党の農林族などからは、国内農業への影響の大きさから懸念の声も上がっていますが、政府として、こうした声にどのように応えていくのかもお伺いします。
【茂木外務大臣】まずブラジルということですけど、今朝の日・ブラジル戦、本当に健闘したと思いますけど、最後は残念な結果だったなと、こんなふうに考えておりますが、ブラジルも主要メンバーでありますメルコスールとのEPAにつきましては、大きな潜在性、これがある一方で、農畜産業をはじめ、国内の生産現場に強い不安を感じる声があることについて、政府全体として重く受け止めています。
この点は、先般の日・ブラジル首脳会談において、高市総理からルーラ大統領にしっかりお伝えしたところであります。
私も、関係団体からも直接お話を伺い、御要請いただいておりまして、いわゆる「重要5品目」、これはTPPの時から、ずっと重視されてきた項目でありますが、これをはじめとしたセンシティビティも含めて、政府としてしっかりと受け止めているところであります。
その上で、メルコスールとの経済関係強化、これは経済安全保障の強化に寄与するのみならず、日本産の農林水産物、食品の輸出促進を含め、新規市場開拓の上でも大きな可能性がありまして、同時に肥料を含みます重要物質のサプライチェーンを強靭化する、こういう意義もあると考えております。
加えて、メルコスールの国々、グローバル・サウスの一角を占める重要な国でありまして、グローバル・サウスとの連携強化という戦略的な意義も有していると、このように考えております。センシティビティに配慮をしつつ、相互に利益になるような協定を実現するということは、メルコスール側と累次にわたって確認をしてきているところでありまして、日本の国益しっかりと守り抜く、こういった決意の下、交渉に臨んでいきたいと思っております。
私も、これまで、CPTPPであったり、さらには日米貿易協定、日英EPA等々を手がけてきましたが、お互いにとってウィン・ウィンになると。そして国益に沿った交渉を進め、また合意をする。これが基本でありまして、その点はしっかりと守っていきたい、こう考えています。
日本の核兵器不拡散政策
【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
日本は、核開発計画が地域の安定や世界的な核不拡散の取組に深刻なリスクをもたらすことを理由に、イラン及び北朝鮮の完全な非核化を支持する断固とした外交姿勢を一貫して維持してきました。しかし、この立場は、エジプト、イラク、パレスチナ、シリア、レバノンを威嚇するために利用されていると報じられているイスラエルの核兵器に対する、日本の抑制的な対応と、しばしば対比されています。
批判的な見方をする人たちは、こうした選択的な対応が、他国に核開発の断念を効果的に説得する上で、どのように機能するのか疑問を抱いています。大臣の見解をお聞かせください。
【茂木外務大臣】決して選択的なアプローチをとっているということではないということは、冒頭、明確に申し上げたいと思っております。
「核兵器のない世界」に向けた国際社会の取組、これを主導することは、唯一の戦争被爆国であります、我が国の使命であります。イスラエル、自国の核兵器保有を確認も否定もしないとの方針を採っているところでありますが、我が国としては、イスラエルを含む各国に対して、国際的な核不拡散体制の維持強化が重要であり、NPTに加盟すべきとの考えを、累次にわたって伝えてきているところであります。
我が国は、今後も、NPTの維持・強化を含めて、「核兵器のない世界」の実現に向けて、現実的かつ実践的な取組を粘り強く着実に進めていきたいと、こう考えています。
