演説

山口外務副大臣演説

太平洋諸島フォーラム(PIF)域外国対話における
山口外務副大臣のステートメント(仮訳)

英語版

(冒頭)

  • この重要な対話に参加するために,この地域を初めて訪問し,様々な国の大切な友人とお目にかかることができ嬉しい。我が国は,海洋国家として太平洋島嶼国と太平洋を共有しており,この地域には特別な愛着がある。太平洋島嶼国における生活の向上のために最大限努力するとともに,この地域を真の意味で平和(Pacific)に保つために支援していくことをお約束したい。

(震災後の対応)

  • 最初に,3月11日に我が国を襲った大地震と巨大津波の際に頂いた各国からの心温まる支援に心から感謝。未曾有の国難に際して,各国から支援を頂いたことを我々は決して忘れない。現在,一刻も早い復興に努めている。

(原子力)

  • 現在,東京電力福島第一原発は落ち着いた状況にある。もちろん,除染措置を含め,まだ多くのなすべきことがある。我が国は,これからも最大限の透明性をもって迅速かつ正確な情報共有に努めていく。事故のすべての教訓を国際社会と共有したいと考えており,これらの教訓が国際的な原子力安全の向上に資することを期待。

(太平洋・島サミット)

  • 我が国は,3年に1度,太平洋・島サミット(PALM)を開催。来年5月には第6回太平洋・島サミットを沖縄で開催。第6回サミットで各国首脳とお目にかかりたい。各国首脳のお考えを十分に伺い,太平洋島嶼国の住民生活の真の向上に向けた節目となるサミットにしたい。
  • 次回サミットの共同議長国は,次期PIF議長国に決まったクック諸島にお願いすることにした。なお,我が国は本年6月にクック諸島との間で外交関係を開設したところ。他の諸国がこれに続くことを期待。

(人的交流)

  • 人的交流,特に将来を担う青少年の交流が重要。次回サミットの前日5月25日には,沖縄県で高校生サミット(Young PALM)を開催。島嶼国各国から有望な学生を募りたいので,協力をお願いしたい。
  • 昨年10月の中間閣僚会合では,我が国の高校等で英語指導に従事する青年を海外から招聘するJETプログラムを太平洋島嶼国に拡大したい旨発表。本年,太平洋島嶼国からJETプログラムで6名の語学指導員を日本に招聘。この数を増やせるよう努力したい。

(気候変動)

  • 我が国は,気候変動が,太平洋島嶼国にとっては安全保障上の脅威ともいえる極めて深刻な問題であると強く認識。我が国は,今後とも引き続き,COP16で採択されたカンクン合意に基づき,すべての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際枠組みを構築する新しい一つの包括的な法的文書の早急な採択という最終目標を目指し,交渉に建設的に取り組んでいく。COP17の成功に向けて太平洋島嶼国と協力していきたい。
  • 前回サミットで,我が国は6,600万米ドル規模の資金をPEC(太平洋環境共同体)基金として拠出し設立。現在,PIF事務局と各国の協力を得て,PEC基金が着実に実施されていることは喜ばしい。これに加え,我が国は気候変動分野における短期支援を実施しており,太平洋島嶼国に対し,3,900万米ドル規模の支援を実施した。

(沈船問題)

  • ミクロネシア連邦は,第二次世界大戦中に沈没した船からの油漏れによる環境汚染に対処すべく,国際社会に対し支援要請を行っている。国際社会がこの要請に前向きに対応することを期待。我が国としても,環境問題として,どのような支援が可能か検討していきたい。

(援助)

  • 太平洋島嶼国の持続可能な経済発展のためには,パシフィック・プランが重要との認識を共有。我が国としては,新興ドナー国を含む関係国の援助協力が重要であることを強調したい。

(フィジー)

  • この地域の平和と繁栄のため,フィジーの早期民主化復帰は極めて重要。フィジーに民主主義を取り戻すことができるか否かは,PIFを始めとする域内協力の試金石。ここに参集の各国代表が真剣な議論を行うことが必要。
  • フィジー政府に,2014年までに自由かつ公正な総選挙を実施させることは極めて重要であり,そのためには国際機関の関与が必要。この問題に関するご意見を歓迎する。
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