外務大臣談話

令和8年9月18日
  1. 9月14日、フィリピンのバンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARMM)において、2014年の「バンサモロ包括和平合意(Comprehensive Agreement on Bangsamoro)」及び2018年の「バンサモロ基本法(Bangsamoro Organic Law)」に基づいた初のバンサモロ議会選挙が実施されました。
  2. 今回の選挙では、暴力行為などいくつかの憂慮される事案がありましたが、結果として多くの有権者が投票所に足を運びました。日本は、長年にわたるミンダナオ和平プロセスにおける歴史的な一歩である今回の選挙の実施が、今後、バンサモロ自治政府の正式な発足に向けたプロセスの平和裏かつ着実な進展へとつながることを強く期待します。
  3. 日本は、今回の選挙の実施に尽力したフィリピン選挙管理委員会(COMELEC)を始めとする全ての関係者の努力に対し、敬意を表します。また、フィリピン政府関係者、モロ・イスラム解放戦線(MILF)を始めとするBARMM関係者等がミンダナオ和平プロセスの着実な進展のために行ってきた長年にわたる不断の努力に対し、改めて敬意を表します。
  4. 日本は、30年以上にわたりミンダナオ和平プロセスを一貫して支援してきています。今回の選挙に際しても、大西洋平外務大臣政務官を団長とする選挙監視団の派遣を含め、包摂的で透明性の高い選挙の実施に向けた支援を行ってきました。日本の関係者がこれまでに行ってきた様々な取組が和平の進展に寄与してきたことを嬉しく思います。
  5. 日本は、ミンダナオ和平が地域の平和と安定に寄与するとの確信の下、フィリピンの「包括的・戦略的パートナー」として、今後とも、フィリピン政府及びバンサモロ暫定自治政府の双方に寄り添いながら、ミンダナオにおける公正で持続可能な平和の実現に向けて力強く支援していく考えです。

(参考)

  1. ミンダナオ和平について
    1. フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)との和平交渉により、アキノ政権下の2012年10月に「枠組み合意(Framework Agreement)」が、2014年3月に最終的な「包括和平合意(Comprehensive Agreement)」が署名された。
    2. 最終和平合意に基づき、移行プロセスとして、(ア)バンサモロ基本法の制定(2018年7月に成立)、(イ)住民投票の実施(2019年1月及び2月に実施)、(ウ)暫定自治政府の設置(2019年2月に発足)、(エ)バンサモロ議会選挙を経て新たな自治政府(バンサモロ)の創設、がされることとなった。
    3. 日本は、(ア)国際監視団(International Monitoring Team)の社会経済開発部門への開発専門家派遣(IMTは2022年6月末にマンデート終了し撤退)、(イ)紛争影響地域に対する人間の安全保障・草の根無償資金協力など経済協力プロジェクトの集中的実施(J-BIRD: Japan-Bangsamoro Initiatives for Reconstruction and Development)、(ウ)和平交渉にオブザーバーとして参加し和平プロセスに関し助言を行う国際コンタクト・グループ(International Contact Group)への参加等を通じ、和平プロセスの進展及びミンダナオ地域の復興・開発を積極的に支援してきている。
      今般のバンサモロ議会選挙に際しても、国際機関やNGOと連携した有権者教育の推進や、機材供与を通じたフィリピン選挙管理委員会の能力向上を支援した。
  2. バンサモロ議会選挙の結果概要
    1. 有権者数約240万人。投票率は84.34%。
    2. 全80議席の内、バンサモロ連邦党(BFP)が31議席で第1党となり、統一バンサモロ正義党(UBJP)が30議席で第2党。
    3. ガルシア・フィリピン選挙管理委員会委員長は、委員長所感で、今回の選挙は総じて成功裏かつ平和裏に実施されたと述べた。

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