外務大臣談話

平成30年5月13日

1 5月12日(現地時間),イラク共和国において第4回国民議会選挙が概ね平穏に執り行われたことを歓迎します。我が国は岩井文男駐イラク大使を団長として選挙監視活動を実施しました。

2 今後,選挙結果の確定に至るプロセスが公正,迅速かつ平和裡に進められ,新政権が早期に発足することを期待します。また,今次選挙を契機として国民融和が進展し,イラクの安定及び復興が成就することを強く期待します。

[参考1]イラク国民議会選挙

(1)イラク国民議会は329議席から構成(任期4年)。今次選挙は,2003年のイラク戦争後に実施された3度の国民議会選挙(2005年12月2010年3月2014年4月)に続くもの。イラク全18県で投票が実施され,約7,000名が議席を争った(各県毎の比例代表制)。

(2)イラク独立高等選挙委員会(IHEC)からの要請を受け,日本は岩井文男駐イラク大使を団長として,バグダッド及びエルビル市内の投票所数か所で選挙監視活動を実施。また,米,英,EU等の主要国も監視活動を実施。

[参考2]新政権発足までの流れ

(1)投票後,直ちに開票作業が開始。IHECによる暫定結果発表等を経て,連邦最高裁判所による承認をもって選挙結果が確定する見込み。今回の選挙から電子集計制度が導入され,IHECは投票後2日以内に結果を発表すると表明。なお,手作業で開票作業が行われた前回選挙(2014年)では,投票から選挙結果確定まで約1か月半,新政権発足まで約4か月を要した。

(2)イラク憲法の規定では,選挙結果確定から15日以内に国会が召集され,その初回会合で国民議会議長・副議長が選出(注:議員の過半数の賛成が必要)。次に,国会召集から30日以内に新大統領が選出(注:議員の3分の2の賛成が必要)。そして,大統領は自身が指名されてから15日以内に議会の最大ブロックの候補に組閣を託す。同候補(首相候補)は30日以内に閣僚名簿を作成し,新政権は国会の承認を得て発足(注:議員の過半数の賛成が必要)。他方,国会が閣僚名簿を不承認とした場合や組閣が失敗した場合は,大統領による首相候補指名から始まるプロセスが再度行われる。


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