談話
ミャンマー政府と少数民族勢力との停戦合意署名について
(笹川陽平ミャンマー国民和解担当日本政府代表談話)
1 ミャンマー停戦協議において,ミャンマー政府とミャンマー少数民族武装勢力のうち新モン州党(NMSP)及びラフ民主同盟(LDU)が2018年2月13日に全土停戦合意文書(NCA)に署名したことを心から歓迎いたします。
2 ミャンマー政府は2011年より少数民族武装勢力と和平協議を行い,2015年10月15日にはカレン民族同盟(KNU)を始めとする8つ武装勢力と停戦合意に至っています。以来2年余,ミャンマー政府と停戦合意に至っていない少数民族武装勢力の双方が対話を継続し,信頼を深め,新たに2つの武装勢力が停戦合意に至ったことに心から敬意を表します。
3 前回の停戦合意に引き続き,この度の歴史的停戦合意の場に,国際社会からの証人として,日本政府を代表し,署名しました。
4 最初の停戦合意時の国際社会からの証人として,そしてミャンマー国民和解担当日本政府代表として,私はミャンマー政府と少数民族武装勢力の双方の信頼構築のため,両者に寄り添いながら対話を促進することに全力を尽くしてきました。また,停戦協議の当事者のみならず,和平を願うミャンマーの政治家,学識者,宗教関係者,市民活動団体,外交団そして既に停戦合意した武装勢力のリーダーとも対話をして,関係者の御協力御支援を得ながら,停戦合意に向けた環境作りに注力してきました。
5 日本政府は,先に停戦合意署名した武装勢力の住民や帰還民たちが安心して帰還・生活ができるようなコミュニティの復興に支援を行ってきています。日本の国際協力NGOとの連携の下,既にカレン州を中心に住居,学校,病院,橋や井戸の建設やソーラーパネルの設置事業を実施され,多くの帰還民が停戦の恩恵を享受しています。
6 今回の合意が少数民族を含むミャンマー全体の平和と安定そして発展につながることはもちろん,今もなお苦しい生活を余儀なくされている多くの住民達が安心して暮らせるようになることを強く期待しています。
7 ミャンマーの歴史的和平プロセスの国際社会からの証人としての重責を改めて認識し,日本政府が推進する国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の下,今後とも,国際社会と連携しながら,ミャンマーの和平プロセスの前進のために,引き続き最大限の支援を行っていきます。