外務大臣談話
ミャンマーにおける少数民族武装勢力との停戦合意署名について
(外務大臣談話)
1 本13日(現地時間同日),ミャンマー連邦共和国の首都ネーピードーにおいて,新モン州党とラフ民主連盟の全国停戦合意への署名が行われたことは,ミャンマーの国民和解実現に向けた前向きな動きであり,日本政府として心より歓迎します。
2 署名式典では,笹川陽平ミャンマー国民和解担当日本政府代表が様々な協力をミャンマー側関係者と相談しつつ実施してきたことを受けて,我が国から同代表が証人として署名しました。
3 日本政府は,ミャンマーの和平プロセスの進展と,全国停戦合意に署名した地域の住民の生活や帰還民の再定住のための支援を重視しており,これまで,カレン州を中心に,日本財団等の日本のNGOと連携して住居,学校,病院,橋などの建設を行ってきています。今後は,ミャンマー政府や地方政府とも協議しつつ,モン州等において紛争の影響下にあった住民にも対象を拡大して,復興・開発支援を行っていきます。
4 ミャンマーにおける和平と国民和解の実現は,インド太平洋地域の安定と平和のために極めて重要です。ミャンマー政府,国軍,少数民族武装勢力が全国停戦合意を実現し,和平プロセスを進展させることで,より多くの人々が平和を実感することを強く期待します。
【参考1】ミャンマーにおける和平プロセス
ミャンマー政府は,2011年8月以来,国内和平達成のため,少数民族武装勢力と和平交渉を実施。2015年10月,カレン民族同盟(KNU)等の少数民族武装勢力8勢力が署名していたが,新モン州党等残る勢力との停戦合意実現が課題となっていた。
【参考2】新モン州党(NMSP)
ミャンマー東部モン州を拠点とする少数民族武装勢力。1948年以来,国軍との間で戦闘が繰り返され,多くの避難民が発生してきた。
【参考3】ラフ民主同盟(LDU)
ミャンマーのシャン州東部とタイを拠点とするラフ族の少数民族武装勢力。ラフ族の一部は,シャン州及びタイ領内で避難民となっている。