外務大臣談話
米国の「核態勢の見直し(NPR)」の公表について
(外務大臣談話)
平成30年2月3日
1 2月2日(米国東部時間,日本時間3日未明),米国防省は,「核態勢の見直し(NPR: Nuclear Posture Review)」を公表しました。
2 今回のNPRは,前回のNPRが公表された2010年以降,北朝鮮による核・ミサイル開発の進展等,安全保障環境が急速に悪化していることを受け,米国による抑止力の実効性の確保と我が国を含む同盟国に対する拡大抑止へのコミットメントを明確にしています。我が国は,このような厳しい安全保障認識を共有するとともに,米国のこのような方針を示した今回のNPRを高く評価します。
3 我が国としては,今後とも,日米拡大抑止協議等を通じ,核抑止を含む拡大抑止について緊密に協議を行い,日米同盟の抑止力を強化していく考えです。
4 また,今回のNPRにおいて,米国は,核・生物・化学兵器の究極的廃絶に向けた自らの取組に継続的にコミットすることに言及するとともに,核兵器不拡散条約(NPT)体制の強化及び核兵器の更なる削減を可能とする安全保障環境を追求することを表明しています。核廃絶を主導すべき我が国としては,現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら,現実的かつ具体的な核軍縮の推進に向けて,引き続き,米国と緊密に協力していく考えです。
[参考]「核態勢の見直し(NPR)」
米国の核政策,戦略,能力,戦力態勢を定めた報告書。米国は,2017年1月27日の大統領覚書においてNPRの開始を発表し,同覚書を受け,同年4月17日,マティス国防長官はNPRの開始を指示。今回のNPRは,1994年,2002年及び2010年に次ぐ4回目の報告書。