談話

平成26年10月20日

1 我が国は,10月18日,アバーディー首相により指名された国防大臣及び内務大臣を始めとする閣僚が国民議会により承認されたことを歓迎します。今回の任命により,イラク政府がより一層宗派の違いを超えて国民融和を進め,様々な課題に効果的に対処していくことを期待します。

2 こうした前向きな動きが見られる一方で,最近,イラク各地において,ISIL(「イラクとレバントのイスラム国」)に起因すると見られるテロ事件が多発し,多くの犠牲者が出ている事態を深く憂慮しています。

3 我が国は,今回の一連の攻撃を強く非難するとともに,イラク政府によるテロとの闘いを支持していく考えです。

(参考1)国防大臣及び内務大臣等の国民議会による承認

(1)10月18日,国民議会は,国防大臣にハーリド・オベイディ議員(スンニー派),内務大臣にムハンマド・ガッバーニ元議員(シーア派)が就任することを承認した。
(2)このほか,国民議会は,シャーウィース財務大臣(クルド)を第三副首相,ズィーバーリー第三副首相(クルド)が財務大臣として,ポストを交換する形で新たに承認するとともに,空席となっていた観光・遺跡大臣,女性問題担当国務大臣,移民担当国務大臣の3閣僚も合わせ承認された。

(参考2)バグダッドにおけるテロ事件の発生

(1)各種報道によれば,10月12日以降,ISILによるものと思われるテロ事件が多発し,160人以上が死亡したとされている。
(2)19日,バグダッド西部のシーア派モスクに対する自爆テロ攻撃により,少なくとも18名が死亡した模様。

(参考3)イラク西部アンバール県の最近の情勢

  • 10月12日,ラマーディー北西にて,アンバール県警察署長が路肩爆弾による攻撃により死亡。
  • 10月13日,ISILはヒートを完全に掌握。
  • ヒートやラマーディーにおける戦闘激化を受け,18万人(3万世帯)に上るとみられる国内避難民が発生。

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