中東

平成26年9月26日
9月26日午前9時10分から約30分間、岸田文雄外務大臣は、ジャアファリー・イラク外務大臣と日・イラク外相会談を行ったところ、概要以下のとおりです(先方:ドゥラキ外務次官他同席、当方:平松総政局長、上村中東アフリカ局長他同席)。

1 冒頭

岸田大臣から、ジャアファリー外相に対して、包括的な新政府の発足及び外相就任に祝意を表し、日イラク関係の一層の強化や中東地域の安定化に向けて、緊密に協力していきたい旨発言しました。これに対し、ジャアファリー外相からサダムフセイン政権崩壊後の日本による貢献を含め、日本政府及び日本国民のイラクにおける評価は極めて高く、今後とも日イラク関係を一層強化していきたい旨発言がありました。

2 イラク情勢(ISIL)

岸田大臣から、ISILの存在は、イラクのみならず、国際秩序を揺るがしかねない深刻な脅威であり、イラク政府が安定し、宗派や民族を越えて、イラク国民の融和を図っていくことがISILに対抗する上でも不可欠である旨述べました。また、イラク政府を含む国際社会のISILに対する闘いを支持し、必要な協力は惜しまない考えであり、ISILが弱体化され壊滅されることにつながることを期待する旨述べました。更に岸田大臣から、今般、イラク国内避難民への人道支援として、新たに約2,000万ドルの支援を国際機関を通じて行うことを決定し、他の周辺国支援と合わせ、総額約2,550万ドルのISIL対策支援を決定した旨述べ、イラクの安定と国家的統一に向け、支援を継続していく旨伝達しました。これに対して、ジャアファリー外相からは、日本からの支持・支援に感謝の意が述べられた上で、現在、イラクはISILの脅威により困難な状況に直面しており、治安面のみならず、人道支援やインフラ整備等の面でも日本をはじめとする国際社会の支援を必要としている旨述べました。

3 二国間関係

岸田大臣から、中長期的なイラクの発展と安定のため、今後も官民双方で協力していく旨述べました。また、岸田大臣から、エネルギー・電力分野を始めとする各種プロジェクトへの日本企業の一層の参画および投資環境の改善に向け、リーダーシップを発揮していただきたい旨述べた上で、日本企業の更なる進出のためには、イラク国内の治安の安定が不可欠であり、治安の安定とイラクを訪問する邦人の安全確保をお願いしたい旨述べました。これに対して、ジャアファリー外相から治安改善および経済発展は政治的安定にも繋がる車の両輪としてイラク政府の優先事項である旨述べるとともに、日本からの投資の拡大をお願いしたく、そのためにも治安の改善に取り組んでいく旨述べました。

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