談話

平成26年6月17日

1 本17日(現地時間16日),国連総会本会合において,ゼイド・ラアド・ゼイド・アル・フセイン殿下(ヨルダン国連常駐代表)(Prince Zeid Ra’ad Zeid Al-Hussein, Jordan’s Ambassador to the UN)が,次期国連人権高等弁務官として正式に承認されたことを歓迎します。

2 国連業務に長年の経験を有し,人権分野も含めた国際社会の平和問題に取り組んできたゼイド殿下が,アジア地域から初めて選出された国連人権高等弁務官として,9月の職務開始以降,強いリーダーシップを発揮されることを期待し,我が国としても次期国連人権高等弁務官に協力していきます。

3 併せて,国連人権高等弁務官事務所と我が国との一層の協力により,国際社会の人権問題に対処していきたいと思います。

【参考1】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

(1)国連人権高等弁務官事務所は,国連事務局の人権担当部門として機能する国際機関。人権享受の普遍的な促進,人権に係る国際協力の促進,人権に係る国際的基準の普遍的実施等の促進などを任務とする。職員数は1,085名(2013年12月末)。ジュネーブの本部事務所の他,ニューヨークに連絡事務所,世界約60か国・地域に事務所その他のフィールド・プレゼンスを有する。

(2)人権高等弁務官は,国連事務次長の地位を有し,国連事務総長の指揮及び権能の下で,国連の人権活動に主要な責任を有している。任期は4年で,再選は1回のみ可。本ポストは,事務総長が指名した後,総会での承認を経て正式任命となる。職務開始は9月1日。

【参考2】ゼイド次期国連人権高等弁務官のプロフィール

 1964年1月26日生まれ(50歳)。米国ジョンズ・ホプキンズ大学にて政治学学士号,英国ケンブリッジ大学にて史学博士号取得。ヨルダン陸軍,UNPROFOR(注)を経て,1996年からヨルダン国連代表部勤務(国連常駐副代表,常駐代表を務める),2007年からは駐米ヨルダン大使(兼メキシコ大使),2010年から現在まで,再びヨルダン国連常駐代表を務める。その間,国際刑事裁判所(ICC)に関するローマ規程締約国会議議長(2002-2005年), 国連PKOにおける性的搾取と虐待に関する国連事務総長顧問(2004-2005年)等の,人権・人道分野に関わる職を歴任。2014年1月には安保理議長を務めた。国連及びICC締約国会議の席次では,ヨルダンは日本の隣であり,ゼイド国連常駐代表(当時)は,歴代の我が国常駐代表と緊密な関係を維持してきた。

(注)UNPROFOR:旧ユーゴに展開された国連保護隊。


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