外務大臣談話
国際司法裁判所(ICJ)裁判官選挙 岩澤雄司ICJ裁判官の再選について
(外務大臣談話)
令和2年11月13日
- 11月11~12日(米国東部時間)、国連総会及び安全保障理事会において国際司法裁判所(ICJ)裁判官選挙が行われ、日本の候補である岩澤雄司ICJ裁判官が再選されたことを歓迎します。
- 国際紛争の平和的解決のためにICJが果たす役割が益々増大する中、有能な裁判官を同裁判所に選出することは、国際社会からのICJへの信頼を維持し、一層強固なものとするために不可欠です。今回の岩澤裁判官の再選は、同裁判官の優れた資質及びこれまでICJ裁判官として積み重ねてきた実績に対する国際社会の高い評価、そしてICJを重視する日本の姿勢への支持の表れであると考えます。
- 今後とも、日本としてはICJの活動を支持し、国際社会における法の支配の推進に向け、積極的に貢献していきます。
【参考】
- 国際司法裁判所(ICJ)
(1)ICJは、国際法に基づく国家間の紛争の平和的解決を任務として、1945年に設立された国連の「主要な司法機関」。オランダのハーグに所在し、裁判官15名(任期9年)で構成。国家間の裁判を行うほか、国連の諸機関の求めに応じ、法律問題に勧告的意見を述べることができる。
(2)ICJ規程の当事国は193か国(注:国連加盟国は当然にICJ規程の当事国となる。)。我が国は1956年の国連加盟に先立ち、1954年4月2日にICJ規程の当事国となった。 - 2020年ICJ裁判官通常選挙
(1)15名の裁判官は3年毎に5名ずつ改選。当選するには、国連総会及び安全保障理事会の双方で絶対多数(総会においては国連加盟国の過半数である97票、安保理においては8票)を獲得することが必要。
(2) 今回の選挙は、日本、中国、イタリア、ウガンダ及びスロバキア出身の裁判官の任期終了に伴い実施。我が国のほか、中国、ドイツ、ウガンダ、ルワンダ、ナイジェリア、スロバキア、クロアチアから合計8名が立候補した。
(3)選挙の結果、各候補者の得票数は、日本(総会169票、安保理15票(満票))、ドイツ(総会160票、安保理14票)、中国(総会155票、安保理13票)、スロバキア(総会150票、安保理13票)、ウガンダ(総会139票、安保理10票)、ルワンダ(総会87票、安保理6票)、クロアチア(総会42票、安保理2票)、ナイジェリア(総会31票、安保理2票)となり、双方で絶対過半数を獲得した日本、ドイツ、中国、スロバキア及びウガンダ出身の候補者の当選が決定。
(注)総会の得票数は第2回目投票(11月12日)、安保理の得票数は第1回目投票(11月11日)のもの。
(4)今回選出された裁判官の任期は、2021年2月6日から9年間。