海外広報

平成27年7月30日

 平成27年7月27日,ジャパン・ハウス有識者諮問会議第一回会合が外務省において開催された。同諮問会議は,ジャパン・ハウスにおいて実施される事業及び運営等に関し,外務省や現地ジャパン・ハウス事務局の諮問に応じ,又は諮問委員自らが意見を具申するために設置された。年4回の頻度で全体会合を予定しているが,随時可能な範囲で現地の事務局や外務省からの質問に対して専門的知見に基づく助言を行い,有為な専門家を紹介するなどしてジャパン・ハウス支持者のネットワークを拡大することが期待されている。

 本日の第1回会合では,17名の諮問委員のうち14名が出席した(出席者リスト(PDF)別ウィンドウで開く)。同会合の議論概要は以下のとおり。

(注)当省からの出席者は下記のとおり
薗浦健太郎外務大臣政務官
川村泰久外務報道官
新居雄介広報文化外交戦略課長
岸守 一戦略的対外発信拠点室長
  1. 冒頭,薗浦政務官からジャパン・ハウスの意義について説明し(薗浦政務官冒頭発言(PDF)別ウィンドウで開く),続いて諮問委員各人に対して岸田大臣からの委嘱状を手交した。その後,総合プロデューサーに就任した原研哉日本デザインセンター代表取締役社長を交えて,ジャパン・ハウスの制度設計やあるべき方向性について議論した。
  2. 多様なバックグランドを持つ諮問委員の意見は多岐にわたったが,概要纏めると下記のとおり。
    (1)「共通の戦略」,「共通の言語」
    諮問会議では,自分の担当する分野からのインプットだけでなく,日本として可能なグローバルな貢献とは何かとの観点から共通の戦略を策定すべきとの意見があり,大多数の賛同を得た。その際,社会を良くする知恵の集合体としての文化を共通言語にしては如何との提案があり,了承された。
    (2)「効果測定」
    「入ればそこは日本」というジャパン・ハウスの戦略実施に際しては,来館者数や稼働率といった単純な指標にするのではなく,日本が現地や国際社会にとって役に立っているかをしっかり検証すべきとの意見があった。
    (3)「外国が見たいものと日本が見せたいもの」
    外国が見たいものと日本が見せたいものの間に“ずれ”がある点について,現地の見たいものをそのまま提示すれば“フジヤマ・ゲイシャ”になる恐れがある反面,国内コンテンツをただ並べるだけでは意味がない点で,一致。現地の運営委員会やアドバイザリーボードに外国人にも入ってもらって声に耳を傾けつつ,品格と美と日本らしさを盛り込んで見せていく必要があるとの意見もあった。また,ラーメンやアニメのように既に世界が認めたものを政府が追認するのではなく,日本が海外の何に価値を置いているかを発信すべきとの意見もあった。
    (4)「日本の過去と未来」
    ジャパン・ハウスでは,日本の“現在”と“未来”に焦点を当て,毅然として見せていくべきとの意見が多数を占めたが,日本の美学を考えれば過去(伝統)も大切との意見もあった。
    (5)「日本のプリンシプル(原則)と美意識」
    総合プロデューサーから,舗装された道路,掃除されたトイレ,メンテナンスされた街頭といった日本の“丁寧,緻密,繊細,簡潔”といったプリンシプル(原則)がルーツとなった日本の美意識を,きりっとした輪郭で売り出したいと述べた。


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