外交講座
令和8年度(2026年度)外交講座
東北大学公共政策大学院
令和8年6月10日
2026年5月29日(金曜日)、東北大学公共政策大学院において外交講座が開催されました。
テーマ及び講演内容
国際協力局政策課の原田課長が、「『新しい国際協力』がめざすもの」をテーマに、具体的な事例の紹介を交えながら解説しました。
参加学生の感想
- 講義で印象に残ったのは、ODAの役割が大きく変わりつつあるという点である。ODAというと「途上国を支援するためのお金」というイメージが強かったが、現在はグローバルサウスの経済成長もあり、従来のような援助だけではなく、日本の経済や安全保障とも関係しながら進められていることを知った。特に興味深かったのは、「重ねる・つなぐ・語る」という考え方で、「つなぐ」の部分で紹介されたブレンデッド・ファイナンスや企業との共創事例は、公共政策や地域づくりを学ぶ立場として大変参考になった。行政や公的資金だけで課題を解決するのではなく、民間企業や投資家を巻き込みながら社会課題の解決を図るという発想は、日本の地域における課題にも応用できそうだと感じた。
- 日本の重要政策にODAを「重ねる」という観点が非常に興味深かった。昨今、国際協力に対して国民の関心が薄れ、排外主義的な言動が目立つが、「重ねる」というアプローチで、そのような状況を打破できる可能性があるのではないかと感じた。
- 厳しい財政状況の中で国民の理解を得て、さらに民間企業や他省庁を巻き込んでいくためには、一部の専門家だけで完結せず、「なぜ今、日本が国際協力をすることが、巡り巡って日本国民の命や経済の安定に直結するのか」を、明確なロジックとデータで語ることが極めて重要だと思った。
- 従来のODAやOSAについて、国際協力の変遷を体系的に確認するとともに、現代において求められている新しい国際協力のあり方や、現在注力して取り組んでいる分野について学んだ。特に、インフラ分野におけるブレンデッド・ファイナンスの仕組みは画期的であり、民間資金との連携を促進するうえで有効な手段だと感じました。
- グローバルサウスが存在感を増しており、2050年には世界の全人口の3分の2がグローバルサウスになるといった話が印象に残った。将来国際経済の中心がアメリカや中国からアフリカを中心としたグローバルサウスに移る場合、いわゆる西側諸国や、アフリカと地理的に離れている日本はどのような役割を果たすことができるのか、あるいは果たすべきなのか、各国の方針を知りたいと感じた。また、紹介のあったアイドルや鉄道とのコラボレーションによる興味関心の向上といった施策が大変興味深いと感じた。自分自身も東日本大震災についての防災や復興分野の調査研究を行っているが、震災から15年が経過した今日どのように災害の風化を防ぎ、記憶を次世代に継承するかが課題となっていると思う。関連する省庁や施設のホームページやSNSを通じて情報発信するだけでなく、他の分野(特に熱心な層を持ち一定の人気がある分野)と連携することは、政策を維持・発展させるうえで大きな意義があると感じた。
