外交講座
令和6年度(2024年度)外交講座
熊本大学
令和6年12月19日
2024年12月6日(金曜日)、熊本大学において外交講座を開催しました。


テーマ及び講演内容
大臣官房国内広報室の水谷主査が、「日本の太平洋島嶼国外交」をテーマに、具体的な事案の紹介を交えながら解説しました。
参加学生の感想
- 日本とは歴史的にも人的にもここまで深く関係があることを知り、特にミクロネシア地域(パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島)では日系人が約2割と多く、日本語由来の言葉が多く取り込まれ使われていることから、とても親近感が湧いた。また、海は私たちを分かつのではなく、繋いでいる(The ocean does not divide us, it connects us.)という太平洋島嶼地域の人々が使う言葉が心に残った。
- 各太平洋島嶼国の経済や政治体制などについてはなかなか知り得る機会がなかったが、陸地面積の小さな各国が海洋で結びついており、日本とも良い関係を築けているということが分かった。単に資源や経済的な繋がりだけでなく、各国地域と人的、文化的なパートナーシップをより深く結ぶのは、次世代の私たちの役目だと思った。
- マーシャル諸島ではモモタロウなど、日本を感じる名前が今でも引き継がれていることや、パプアニューギニアの空港名にトモダチとついていたり、日本とここまで関係が深いことを初めて知った。
- 太平洋島嶼国は気候変動の影響を受けやすい最前線であることや、日本との繋がりが深いことが印象的だった。同じ島国でありながら、どこか遠い国のことの様に思っていたが、現地語に取り込まれた日本語、貿易、海上輸送路(シーレーン)などで深く繋がっていることを学んだ。似ている部分も多い太平洋島嶼国同士でも、各国にそれぞれの独自性があり文化があるということは留意すべきであり、太平洋島嶼国に対してだけでなく他の国に対しても、同様に考える必要があると思った。
- 太平洋島嶼国の社会・環境問題について、多くの気づきを得た。気候変動による海面上昇だけでなく、廃棄物問題、糖尿病等の非感染性疾患(NCDs)といった健康問題が深刻であること、さらに限られた医療体制や遠隔性による課題が複雑に絡み合っていることを学んだ。
- 当時の天皇皇后両陛下が戦後70年(2015年)にパラオを御訪問されたことや、太平洋諸島フォーラム(注1)という枠組みがあり、対話パートナーとして日本も参加していることなど大変興味深かった。また、太平洋・島サミット(注2)は、3年ごとに日本が主催しており、太平洋島嶼国とは歴史的にも人的交流においても強い繋がりがあることも多くの人にもっと知られるべきだと感じた。
- 太平洋島嶼国と日本がとても友好的な関係を築いているのは、開発協力などのおかげもあると感じた。一度太平洋諸国を巡ってみたいと思った。
- 注1:太平洋諸島フォーラム
- 太平洋諸島フォーラム(Pacific Island Forum:PIF)は、1971年8月、第1回南太平洋フォーラム(SPF:PIFの旧名称)首脳会議がニュージーランドにおいて開催されて以来、大洋州諸国首脳の対話の場及び地域協力の核として発展。オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィジーなど16か国・2地域が加盟し、政治・経済・安全保障等幅広い分野における地域協力を行っており、事務局はスバ(フィジー)に所在します。
(関連リンク:太平洋諸島フォーラム)
- 太平洋諸島フォーラム(Pacific Island Forum:PIF)は、1971年8月、第1回南太平洋フォーラム(SPF:PIFの旧名称)首脳会議がニュージーランドにおいて開催されて以来、大洋州諸国首脳の対話の場及び地域協力の核として発展。オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィジーなど16か国・2地域が加盟し、政治・経済・安全保障等幅広い分野における地域協力を行っており、事務局はスバ(フィジー)に所在します。
- 注2:太平洋・島サミット
- 太平洋・島サミット(Pacific Islands Leaders Meeting: PALM)は、太平洋島嶼国・地域が直面する様々な問題について首脳レベルで率直に意見交換を行い、地域の安定と繁栄に貢献するとともに、日本と太平洋島嶼国のパートナーシップを強化することを目的として、1997年から3年に一度開催されている首脳会議であり、これまで10回開催されています。
(関連リンク:太平洋・島サミット)
- 太平洋・島サミット(Pacific Islands Leaders Meeting: PALM)は、太平洋島嶼国・地域が直面する様々な問題について首脳レベルで率直に意見交換を行い、地域の安定と繁栄に貢献するとともに、日本と太平洋島嶼国のパートナーシップを強化することを目的として、1997年から3年に一度開催されている首脳会議であり、これまで10回開催されています。