岸田外務大臣
岸田外務大臣とヘーゲル米国防長官の会談
平成26年4月6日


6日(日曜日)12時35分から40分間弱,岸田外務大臣は外務省において,来日中のヘーゲル米国防長官(The Honorable Chuck Hagel, Secretary of Defense of the United States of America)と会談したところ,概要以下のとおりです。
1.冒頭,岸田大臣から,2月の訪米時にお会いして以来,短期間のうちに再会できて嬉しい,両国は同盟を常に実効的なものとすべく進化させるべきであり,ガイドライン見直し作業を進め,同盟の抑止力の維持・強化に繋げたい旨発言しました。また,今回のヘーゲル長官来日の成果もオバマ大統領の来日に繋げ,地域の平和と繁栄に貢献してきた同盟の役割を確認し,力強い同盟を内外に示す機会としたい旨発言しました。ヘーゲル長官からは,岸田大臣と再会できて嬉しい,安倍総理大臣及び小野寺防衛大臣ともそれぞれ会談でき有意義であった旨発言がありました。
2.半島情勢について,岸田大臣から,先般の日米韓首脳会談の開催は時宜に適ったものであり,外務・防衛当局の会合等を通じて日米韓間の連携を確認・強化していきたい旨発言するとともに,日朝政府間協議の再開に言及しつつ,拉致問題に粘り強く取り組みたい,米国の理解と協力に感謝する旨発言しました。ヘーゲル長官からは,日米韓首脳会談は非常に有意義であった,特に北朝鮮への対応の観点から日米韓の連携は重要である旨の発言がありました。
3.また,岸田大臣から,東シナ海等における力による現状変更の試みに反対することを発言するとともに,日本としては,大局的観点から日中関係を強化していく考えであり,日本の対話のドアはオープンである旨説明しました。ヘーゲル長官からは,中国情勢について述べる中で,米国の日米安保条約上の義務へのコミットメントは明確であるとの趣旨の発言がありました。
4.岸田大臣から,「積極的平和主義」を推進している旨説明した上で,日米間で着実にガイドライン見直しを進めたい,同盟の抑止力の維持・強化の観点からも極めて重要な課題である旨発言しました。また,本年3月に国防省から公表された「4年毎の国防計画見直し(QDR)」で米国がリバランス政策の堅持等を強調したことを評価するとともに,日本での海軍プレゼンスの強化の一貫として,ヘーゲル長官が2隻のイージス艦配備の予定を発表したことを歓迎したい旨発言しました。
更に,岸田大臣から,普天間飛行場の移設を含む在日米軍再編について着実に取り組む旨述べるとともに、普天間飛行場の5年以内の運用停止を始めとする沖縄の負担軽減に関する仲井眞沖縄県知事からの要望について説明し、沖縄の負担軽減について米国の引き続きの協力を求めました。また,日米地位協定の環境補足協定を非常に重視しており,成熟した同盟関係にふさわしい新協定を目指していきたい,グアム協定改定議定書に関し,在沖海兵隊のグアム移転は抑止力の維持・向上及び沖縄の負担軽減の両面から重要であり,引き続き日米で緊密に連携して取り組みたい,関連予算の確保及び凍結解除に関する進展を歓迎している旨発言しました。これに対し、ヘーゲル長官からは、沖縄の負担軽減に係る取組を引き続き支持・支援していく旨発言がありました。
5.岸田大臣から,ヘーゲル長官が米ASEAN国防大臣会合に参加したことに言及しつつ,日本政府も昨年12月に日ASEAN特別首脳会議を行うなど様々な取組を実施している,日米で対ASEAN関係についても協力して対応いきたい旨発言しました。ヘーゲル長官から,ASEANとの関係において日本がイニシアティブをとっていることを評価し,日米間で協力していきたい旨の発言がありました。