安倍総理大臣

日米首脳会談(概要)

平成26年4月24日

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  • 写真提供:内閣広報室
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 4月24日10時30分より約1時間45分、安倍総理は国賓として訪日中のオバマ大統領との間で日米首脳会談を行ったところ、概要以下のとおり。

1.日米関係

(1)総論

(ア)冒頭、安倍総理より、オバマ大統領に対する歓迎の言葉を述べた上で、東日本大震災に際し、2万名以上の米兵が参加したトモダチ作戦を始めとする米国からの支援に対し、改めてお礼を述べた。

(イ)続けて、安倍総理から以下のとおり述べた。
  • 戦後約70年間、日本は一貫して平和国家としての道を歩んできた。自由と民主主義という基本的価値と戦略的利益を共有する日米両国の同盟関係は、アジア太平洋地域の平和と繁栄の礎として、かけがえのないもの。
  • 今般のオバマ大統領のアジア歴訪は、この地域への関与を重視する米国のリバランス政策を裏付けるもの。地域の平和と繁栄に大きく貢献するものであり、日本として強く支持し、歓迎したい。
  • 安倍政権は、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」に立ち、地域の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献している。
(ウ)両首脳は、日米両国として、「平和で繁栄するアジア太平洋を確実にするための日米同盟の主導的役割」を確認した。
 
(2)安全保障

(ア)安倍総理より、先般、「防衛装備移転三原則」を策定したことを説明した。また、集団的自衛権等と憲法との関係の検討について、今後有識者報告書が提出される見込みであり、その後政府見解を示したいと述べた。これに対しオバマ大統領より、日本のこうした取組について歓迎と支持が示された。

(イ)また、両首脳は、本年末までのガイドライン見直しを始め、幅広い安保・防衛協力を進めることを確認した。

(ウ)米軍再編に関し、安倍総理より、グアム協定改正議定書が国会で承認されたことを説明し、在沖縄海兵隊のグアム移転を着実に進めたいと述べた。

(エ)また、普天間飛行場移設に関し、安倍総理より、普天間飛行場の移設は強い意志をもって工事を早期かつ着実に進める、同飛行場の5年以内の運用停止を含む沖縄県知事からの要望には、我が国としてできることは全て行うとの姿勢で対応する考えであるので、米国と十分に意思疎通しつつ検討を進めていきたい、日本政府としては、まずはオスプレイの沖縄県外における訓練の増加に向けた取組を行っており、これを進めていく上では、米側の協力が不可欠である旨述べた。

(オ)さらに、安倍総理より、日米地位協定の環境補足協定について、成熟した同盟関係にふさわしい充実した内容にする必要があり、米側の協力をお願いしたい旨述べた。

(カ)これに対しオバマ大統領より、在日米軍の円滑な運用を図りつつ、沖縄の負担軽減に引き続き取り組みたい旨述べた。
 
(3)経済

(ア)TPP
両首脳は、TPPは成長センターであるアジア太平洋地域に一つの経済圏を作り、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値観を共有する国々と新たなルールを作り上げるものであり、戦略的に重要であるとの認識で完全に一致した。また、今回の日米首脳会談を一つの節目として、日米間の懸案を解決すべく、甘利大臣とフローマン通商代表との間で、精力的かつ真摯な交渉を継続することとした。安倍総理及びオバマ大統領から、両閣僚に対し、交渉を加速化させ、早期にTPP交渉全体を妥結させるよう指示を出した。オバマ大統領から、TPPは日米両国にとっても、アジア太平洋地域にとっても、通商及び成長に重要であり、引き続き閣僚間で交渉させたい旨述べた。
 
(イ)エネルギー・気候変動
 (A)安倍総理より、先般、エネルギー基本計画を決定し、その中で、安全性の確保を前提に原子力利用を進める旨記載したことを説明し、民生用原子力の協力を進めたい旨述べた。また、安倍総理より、日本企業が関与する液化天然ガス(LNG)事業のすべてにつき輸出承認が得られたことを歓迎し、輸出開始に向け引き続き協力をお願いしたい旨述べた。これに対し、オバマ大統領から、エネルギー協力の重要性につき賛意が示された。
 (B)オバマ大統領より気候変動について提起があったのに対し、安倍総理より、COP21において2020年以降の枠組みにつき合意したい旨述べた。
 
(ウ)超電導リニア(マグレブ)
安倍総理より、先日、ケネディ駐日大使と共に試乗したことを紹介しつつ、北東回廊へのマグレブ技術の導入を改めて提案し、日米協力の象徴となる本事業に協力を得たい旨述べた。
 
(エ)医療・保健協力
安倍総理より、今般、日米のがん研究機関の間で協力が合意されたことを歓迎する旨述べた。
 
(4)人的交流

安倍総理より、日米間の人的交流は、戦後の同盟発展の支柱であり、未来に向け一層強化したいと述べた。その上で、安倍総理より、政府の支援により、今年度日本の学生・生徒6千人を米国に派遣することとした旨紹介した。

2.ウクライナ情勢

(1)安倍総理より以下のとおり述べた。
  • ウクライナ問題を巡る米国の強いイニシアティブを評価する。現代の国際社会において、力による現状変更は許されない。これは一地域の問題ではなく、国際社会全体にとっての問題。
  • 四者協議によるジュネーブ宣言は、問題の平和的・外交的解決に向けた重要な一歩。宣言の内容が着実かつ円滑に実施されることが重要。しかし、分離主義勢力による行政府の占拠が継続しており、深刻な懸念と憂慮をもって注視している。全ての当事者に対し、事態を沈静化させるため働きかけていく必要がある。
  • 日本としては、ウクライナの安定のために引き続きできる限りの支援を行っていく所存である。経済改善のため、既に発表した約15億ドルの支援を実施していく。
(2)両首脳は、G7諸国で連携していくことで一致した。

3.アジア太平洋地域情勢

(1)総論

アジア太平洋地域全体に関する認識として、両首脳は、日米を中核とし、関係諸国とも協力しつつ自由で開かれたアジア太平洋を維持し、そこに中国を関与させていくことが重要であるとの点で一致した。そのために、両者は、日米同盟の強化、米国のリバランス政策の継続をしっかりと示していくことが重要であることを確認した。
 
(2)北朝鮮

(ア)安倍総理より、北朝鮮の核開発を止めさせるために引き続き圧力を加えるべきである旨述べ、両首脳は、日米韓で引き続き緊密に連携していくことを確認した。

(イ)また、安倍総理より、拉致問題に関して、オバマ大統領の引き続きの理解と協力を期待する旨述べ、オバマ大統領からは支持が表明された。

(ウ)この関連で、安倍総理より、本年3月、国連人権理事会において、これまで以上に強い内容の北朝鮮人権状況決議が採択された、本件決議のフォローアップにつき、安保理常任理事国たる米国と引き続き緊密に連携していきたい旨述べた。
 
(3)日韓関係

日韓関係に関し、安倍総理より、オバマ大統領のリーダーシップにより開催されたハーグでの日米韓首脳会談は極めて有意義であった旨述べた。また、安倍総理より、良好な日韓関係はアジア太平洋地域の平和と安定にとり不可欠であり、今後も大局的観点から韓国と様々なレベルで意思疎通を図り、未来志向の協力関係の構築に向け努力していく旨述べた。
 
(4)中国(含:南シナ海問題)

(ア)安倍総理より、日中両国は地域と国際社会の平和と安定のために責任を共有している、様々な懸案はあるが、日本は「戦略的互恵関係」の精神に則り対応しており、中国に対し積極的に対話を働きかけている旨述べた。

(イ)安倍総理より、他方で中国は力による現状変更の試みを継続している、尖閣諸島に関して我が国は引き続き冷静かつ毅然として対処している、南シナ海も含む中国のこうした試みに対しては、明確に反対を表明し、強固な日米同盟と米国のアジアへの強いコミットメントを示すことが重要である旨述べた。オバマ大統領からは、日本の施政下にある領域は日米安保条約第5条の適用対象であり、尖閣諸島もそれに含まれる旨述べた。また、米国は尖閣諸島に対する施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対するとの考えを確認した。

(ウ)両首脳は、対中政策に関して、今後とも日米の様々なレベルで緊密に意見交換を行い、連携を維持していくことを確認した。

(エ)また、南シナ海問題を巡り、両首脳は、フィリピンの仲裁手続支持を含め、法の支配のためのASEANの一体的な対応を日米で支援していくことで一致した。

4.その他の地域情勢、グローバルな課題

(1)安倍総理より、日米同盟を軸に、日米韓、日米豪、日米印の三カ国協力を推進したい旨述べた。

(2)中東地域に関し、安倍総理より、イラン核問題やシリア情勢への対応、中東和平支援等、中東地域の安定に向けた米国の努力に敬意を表す旨述べた。その上で、同地域での日米協力が進展しており、日本も引き続き米国と連携して貢献していきたい旨述べた。

(3)この他、女性のエンパワーメント、核セキュリティ、軍縮・不拡散等のグローバルな課題につき意見交換が行われた。

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