サウジアラビア王国
日・サウジアラビア首脳会談

(写真提供:内閣広報室)

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本13日午後6時30分から約35分間,安倍晋三内閣総理大臣は,来日中のサルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード・サウジアラビア王国国王 (Custodian of the Two Holy Mosques King Salman Bin Abdulaziz Al-Saud, King of the Kingdom of Saudi Arabia)と首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり。会談後,安倍総理とサルマン国王は,日・サウジ・ビジョン2030,第4次産業革命,文化交流,査証発給の円滑化の分野での当局間協力覚書の署名式に立ち会い,その後,安倍総理は,同国王を招いて晩餐会を開催した。(署名文書リスト(PDF))
会談において両首脳は,日サウジアラビア関係を「戦略的パートナーシップ」に引き上げることを確認した。

(写真提供:内閣広報室)

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1 冒頭
(1)安倍総理から,46年ぶりのサウジ国王の歴史的訪日を心から歓迎する,昨年9月のムハンマド副皇太子訪日により二国間関係は進展したが,今回は国王陛下の御訪問であり,中東安定の要であるサウジアラビアとの関係を更に力強く発展させたい旨述べた。
(2)これに対し,サルマン国王から,招待とおもてなしに心から感謝する,今般策定された「日・サウジ・ビジョン2030(英文)(PDF)」により,戦略的パートナーシップの強化を期待するとの発言があった。また,同国王は,中東の安定に向けて,パレスチナ,シリア,イエメンといった危機の解決のため努力を強化すべきである,テロは最大の脅威であり,両国はそのための基本的なパートナーであると述べつつ,宗教間,文化間の対話や諸国民の寛容や共存が重要であると述べた。
2 サウジ・ビジョン2030実現への協力
(1)安倍総理とサルマン国王は,「日・サウジ・ビジョン2030」の策定を歓迎した。安倍総理は,両国の改革戦略が有機的に結ばれ,経済社会の多様性,革新性,ソフトバリューを高めることは有意義であり,これを羅針盤として31件の先行プロジェクトを含む野心的な協力を着実に実施したい旨述べた。また,安倍総理は,サウジアラビアの経済改革のモデルを示す経済特区設立構想に日本としても貢献したい旨述べた。これに関連して,安倍総理からサルマン国王に対し,こうした両国関係の深化を担う在留邦人の安全確保を求めた。
これに対し,サルマン国王からは,「日・サウジ・ビジョン2030」を受けた日本企業からの投資を歓迎する,日本人コミュニティーを含めあらゆるコミュニティーの安全に意を用いたいとの発言があった。
(2)安倍総理とサルマン国王は,エネルギー分野での協力について意見交換を行った。同国王からは日本へのエネルギー安定供給にコミットするとの発言があった。
(3)また,安倍総理から,サウジアラムコの株式新規公開に向けて,東京での新規公開株式上場を支持いただきたい旨伝えた。これに対して,サルマン国王は,日本人にサウジアラムコの株を購入してもらいたく,検討を続けていく旨述べた。
(4)安倍総理とサルマン国王は,貿易・投資関係の一層の強化に資する投資協定発効を歓迎した。また,安倍総理は,日本産食品輸入規制の早期撤廃を求めた。サルマン国王からは,日本産食品の輸入規制について,引き続き両国の利益になるように専門家レベルで検討したいとの発言があった。
3 政治・安全保障分野の協力等
(1)安倍総理から,政治・安保分野で連携を強化したく,外務次官級協議を早期に実施したい,昨年9月に副皇太子と防衛大臣で署名された覚書を基に防衛協力を進めたい旨述べた。この関連で,安倍総理は,在京サウジアラビア大使館への初めての武官着任を歓迎した。
(2)また,安倍総理は,多面的な取組でテロと対峙するサウジの努力を評価しており,中東では「中庸が最善」と確信している旨述べ,日本として,人道支援等の非軍事分野で貢献していく旨を伝えた。
(3)サルマン国王から,日本と様々なレベルの交流を活発化させたく,安倍総理に是非再度サウジアラビアを訪問いただきたいとの発言があった。
4 地域情勢

(写真提供:内閣広報室)

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安倍総理とサルマン国王は,中東情勢及び東アジア情勢についても意見交換を行った。