イラク共和国

平成29年8月5日

1 本5日(現地時間同日),薗浦健太郎内閣総理大臣補佐官は,イラク共和国の首都バクダッドを訪問しました。

2 バグダッド滞在中,薗浦補佐官は,ハイダル・アル・アバーディー首相(Dr. Haider Al-Abadi, Prime Minister)及びイブラヒーム・アル・ジャアファリー外務大臣(Dr. Ibrahim Al-Jaafari, Foreign Minister)と会談しました。

3 各会談では,日・イラク二国間関係の更なる増進に向けた具体的方策に加え,地域情勢について意見交換が行われました。薗浦補佐官から,イラク国民が宗派・民族の違いを超えて団結し,自らの手でモースルを解放したことに祝意を表するとともに,ISILとの闘いで見せた団結を今後も維持し,国民融和につなげていくことを期待する旨を伝えました。また,薗浦補佐官から,我が国は,復興に向けたイラクの努力を今後も支援していく用意がある旨を伝えました。

4 これに対し,イラク側から,人道状況の改善や国の復興に資するこれまでの日本の支援に対して深い謝意が表明されるとともに,国際社会と協力しつつ,テロとの闘い及びイラクの平和と安定のために引き続き努力していく旨の決意が表明されました。

5 アバーディー首相との会談においては,モースル解放後の取組として,イラク国内に蔓延する武器の問題に対処することの重要性について認識が一致しました。また,薗浦補佐官から,イラクにおける武器の回収を進めると同時に,職業訓練を通じて平和的な社会を構築していくための国際的な枠組み作りを提案し,イラク側はこれを歓迎しました。

6 同会談において,薗浦補佐官から,日本企業による油田権益の確保について協力を求め,前向きな反応を得ることができました。

7 加えて,各会談で,2019年に日・イラク外交関係樹立80周年を迎えることから,政治・経済分野に加え,教育,学術,スポーツ交流を含む幅広い分野で交流促進を図っていくことで一致しました。

8 薗浦補佐官とアバーディー首相との会談後,薗浦補佐官及び同首相の立ち会いの下,岩井文男駐イラク大使とマーヘル・ハンマード・ジョハン財務次官代行(Dr. Maher Hammad Johan, Acting Deputy Minister of Finance)との間で,新規円借款案件である「ハルサ火力発電所改修計画(フェーズ2)」に関する書簡の交換が行われました

【参考】円借款「ハルサ火力発電所改修計画(フェーズ2)」
 イラク南部に位置するバスラ県において最大級のハルサ火力発電所を改修することにより,イラクにおける電力需要に応え,電力供給能力の回復・安定化を図り,もって同国の経済基礎インフラの強化に寄与するもの。


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