ヨルダン

平成26年11月20日
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
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 本20日午後6時30分から約45分間,安倍晋三内閣総理大臣は官邸において,実務訪問賓客として来日中のアブドッラー2世・ヨルダン・ハシェミット王国国王と首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。なお,会談後,「日ヨルダン共同声明(骨子(PDF)PDF仮訳(PDF)PDF英文(PDF)PDF)」が発出されました。

1 二国間関係

(1)全般

 安倍総理大臣から,外交関係樹立60周年を迎え,様々な分野で協力関係が進展していることを歓迎し,更なる関係強化を目指す意向を表明しました。また,イラク・レバントのイスラム国(ISIL)に対する取組や60万人を超えるシリア難民の受け入れ等,ヨルダンが地域の平和と安定のために果たしている役割を高く評価している旨伝達しました。

(2)経済協力

 安倍総理大臣から,シリア難民の受け入れ等により大きな負担を抱えるヨルダンに対し,新たに環境気候変動対策無償資金協力「バルカ県送配水網改修・拡張計画」及び中小企業ノン・プロジェクト無償資金協力(総額約24億円)の供与を表明しました。アブドッラー国王は,日本のヨルダンに対する支援に謝意を表明しました。

(3)安全保障

 安倍総理大臣は「積極的平和主義」の立場から,地域・国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献する日本の方針を説明しました。アブドッラー国王から,これを歓迎し支持する旨表明しました。また,両首脳はPKO分野でのそれぞれの活動を互いに評価し,同分野での協力を強化していくことで一致しました。

2 地域情勢

(1)ISIL・シリア

 両首脳は,国境を越えて勢力を拡大するISILは国際秩序に対する重大な脅威であり,資金調達や人道的危機への対処を含む幅広い分野での国際社会による一致した取組が必要との認識を共有しました。安倍総理大臣は,ヨルダンがISILの脅威に対抗するために行っている取組を高く評価し,アブドッラー国王は日本によるイラク,シリア及び周辺国に対する人道支援を含むテロとの闘いを高く評価しました。
 また,両首脳は,シリア情勢に対する懸念を共有し,シリアの安定と平和を回復させるため,ジュネーブ・コミュニケに基づく合意による政治的移行が早急に必要との認識で一致しました。

(2)中東和平

 両首脳は,和平交渉の中断に対する懸念を共有し,「二国家解決」へ向けた交渉の早期再開が必要であることを確認しました。安倍総理大臣は,中東和平問題へのヨルダンの貢献を評価するとともに,日本独自の取組である「平和と繁栄の回廊」構想へのヨルダンの協力に感謝の意を表明しました。アブドッラー国王は,「平和と繁栄の回廊」構想等,中東和平プロセスにおける日本の果たす役割及び支援を高く評価しました。


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