ベトナム社会主義共和国
(Socialist Republic of Viet Nam)
ベトナムにある学校を見てみよう!
ホーチミン編
日本 6・3・3。ベトナム 5・4・3。
みなさんに早速質問です。この数字の意味は一体何でしょうか?
答えは「日本とベトナムの小学校・中学校・高校の教育年数」です。日本の教育制度との違いは、小学校が5年間で1年短いということと、中学が4年間だということです。義務教育は小~中学校までの9年間なので、トータルでは日本と同じです。
今回はホーチミン市のレー・クイ・ドン(Le Quy Don)中学校の様子を紹介します。
レー・クイ・ドン中学校
レー・クイ・ドン中学校はホーチミン市の中心部にある共学の公立中学校です。145年の伝統がある名門校で約3,000人の生徒が勉強しています。
実はベトナムの多くの学校が午前と午後で生徒が入れ替わる二部制を採用しています。ベトナムの平均年齢は28歳。ベトナムでは子どもの人数がとても多いためです。午前のクラスは7時~11時半まで、午後のクラスは12時半~17時までです。

レー・クイ・ドン中学校の正門
生徒たちは、私服ではなく制服を着ます。靴は自由なので、サンダルやスニーカーなどでおしゃれを楽しんでいます。更衣室のスペースが確保できないので、体育の授業がある日は体育着で1日過ごすこともあります。女性の先生たちは、ベトナム伝統衣装である色鮮やかな「アオザイ」を着ています。

アオザイを着た先生達
授業の始まりと終わりの合図は、チャイムではなく、校庭にある太鼓の音が大きく響きます。ホーチミンは1年を通して暑い気候のため、校庭を囲むよう四方に校舎が建っており、校庭には大きな木が何本も植えられていて、日陰がたくさんできるようになっています。
通学は、公共交通機関が発達しておらず、公営のバスも時刻表がなく、いつ来るか分からないため、たいていはお父さんかお母さんのバイクの後ろに乗って通学します。そのため、登下校の時間になると送り迎えのバイクで学校の門の前は大渋滞になります。
休み時間の過ごし方
学校には売店があり、休み時間の売店はいつも長蛇の列。ラーメンなどの軽食、スナック菓子やジュースなどをいつでも買うことができるので、みんなおやつを片手に、おしゃべりしたり、木陰で休んだりしています。全員がお弁当や給食の日本の中学校とは様子が違います。

授業の様子。みんな、元気いっぱい!
休み時間のスポーツは、バスケットボールが人気です。また、「Da Cau」(ダーカウ)という重りの付いた羽根を足で蹴り合うベトナムの遊びが、特に男子生徒に人気があります。

授業でのグループワークの様子
日本語の授業
レー・クイ・ドン中学の特徴は何といっても日本語の授業があるということです。第一外国語として日本語を選択している生徒が約400人います。ベトナム人の日本語の先生は2人です。日本人の先生が教えることもあります。生徒は週に3時間、日本語や日本文化を一生懸命勉強しています。1クラスの生徒数は約50人で全員が座ると教室はいっぱいに。いつも生徒の熱気で溢れています。

日本語の授業。発表の様子
レー・クイ・ドン中学では、日本語だけではなく、日本文化を学ぶことにもとても力を入れています。写真は浴衣の着付け体験と切り紙作りをした時のものです。紐2本で浴衣が着付けられていく様子に生徒たちもビックリ。同級生に着付けた後は、ファッションショーと写真撮影が始まります。みんな楽しそう。その他にも、切り紙、茶道、日本の歌などの文化紹介があります。

言葉だけでなく日本の文化も学びます。
浴衣の着付け体験の様子
レー・クイ・ドン中学で日本語の授業が開始されて11年目です。卒業した生徒の中には高校・大学でも日本語の勉強を続けている生徒もいます。将来、ベトナムと日本の架け橋となって活躍してくれる日もそう遠くないでしょう。

日本文化紹介での切り紙作り
学校の様子を見てみよう!