オーストラリア連邦
(Australia)
オーストラリアにある学校を見てみよう!
シドニー編
オーストラリアの義務教育
オーストラリアの学校教育は州によって少しずつ異なりますが、ニュー・サウス・ウェールズ州では、多くの小学校(Primary School) は7年間(キンダーガーデンと1~6年生)、中学校(Junior High School)は4年間 (7~10年生)、高校(Senior High School)は2年間(11~12年生)のカリキュラムからなっています。6歳から15歳までが義務教育ですが、多くの生徒が義務教育終了後も学業を続け、大学へと進みます。
今回紹介するマレー・ファーム公立小学校は1969年に創立された学校です。スコットランド系のマレー家の所有する元農地に建設されたことが、その名前の由来となっています。この学校はニュー・サウス・ウェールズ州の北西部のカーリングフォード(Carlingford)というエリアに所在し、キンダーガーデンから6年生までが通う、男女共学の公立小学校です。教育の質の高さで知られているほか、スポーツや文化活動の盛んな学校としても有名です。
マレー・ファーム小学校
マレー・ファーム小学校の特徴は、ニュー・サウス・ウェールズ州で唯一、英語と日本語のバイリンガル・プログラムを運営していることです。このプログラムは、オーストラリア連邦政府により2009年1月に施行された「学校教育におけるアジア語・アジア学習推進計画」(National Asian Languages and Studies in School Program (NALSSP))をきっかけに導入されました。

3年生の授業の様子
学校の様子
授業は日本と同じく月曜日から金曜日まで、午前8時50分から午後2時50分までです。バイリンガル・プログラムでは、日本語の読み書きの他、美術、音楽、ドラマ、理科、社会、算数、コンピューターなどの授業を、週5時間、日本語を用いて行います。児童の多くは非英語系の家庭の出身であり、日本語を第2外国語として学ぶ児童も多くいます。現在、この日本語のバイリンガル・プログラムを受け持つ教師は6名いて、それぞれ異なる学年を教えています。

6年生のクラスの授業の様子
(日本の都市をテーマとした、
日本語によるプレゼンテーション)
多くの児童は放課後や週末はサッカー、ラグビー、クリケット、水泳、ネットボール等のスポーツやゲームをして過ごします。また、日本のポケモンカードや遊戯王カードで遊ぶ児童も多数います。ほとんどの児童は学校の近くに住んでいますが、通学にはスクール・バスを利用したり、家族に車で送り迎えをしてもらうことが多いです。また、マレー・ファーム小学校の休み時間には、家から持参したり学校の売店で購入したお菓子や果物等のおやつを食べる児童が多く、これもオーストラリアでは一般的な習慣と言えます。
日本とのつながり
マレー・ファーム小学校は、2014年から日本の小学校との交流プログラムを実施しています。最近の例としては、より深い多文化体験をすることを目的に、三重県や熊本県の小学校それぞれとインターネットテレビ電話を用いた電話交流授業を実施しました。当日は、オーストラリアと日本それぞれの児童が、自分の国やよく見られる植物・動物についてお互いに元気いっぱいに紹介しました。多くの児童が、遠い国に住む同い年の児童たちとの交流はとても楽しかったと感想を述べていました。これら交流プログラムは今後も継続される予定です。

児童による日本語作文「冬休みの感想」と鯉のぼり
どんな学校なんだろう?