中華人民共和国
(People's Republic of China)
中国にある学校を見てみよう!
上海編
1972年から続く日本語教育
上海市甘泉外国語中学校は、1954年創立の中高一貫制の公立中学校(日本の中学・高校に相当)であり、上海市の「特色を有する高校」として認定されています。日本と中国との関係が正常化した1972年に日本語教育を開始しました。以来、ボランティアを含めた日本人や、日本語を学んだ中国人が教師として活躍し、優れた日本語人材を輩出しており、日本語スピーチ大会など、様々なコンテストで優秀な成績を収めてきました。
第一外国語として日本語のほか、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、第二外国語として、韓国語、タイ語のクラスを設けています。
また、施設が充実しており、中国文化体験館、日本茶室や地下総合運動スペースなどの設備もあります。たくさんの生徒達が日本の文化を学ぶこの学校は、今では上海の貴重な日中の架け橋のひとつとなっています。

充実した施設の一例(日本茶室)
上海市甘泉外国語中学校
勉強第一、中国の厳しい受験競争
中国の小学校・初級中学校・高級中学校で学ぶ期間は、日本の小学校・中学校・高校と同じでそれぞれ6・3・3年制ですが、上海では「初級中学校予備クラス」を設けて5・4・3年制を採用しています。義務教育期間は、日本の中学校にあたる初級中学校を卒業する15歳まで。新学年は秋にスタートします。

上海市甘泉外国語中学校
甘泉外国語中学校で学ぶ生徒たちは約1,700人、先生は約200人います。初級中学校と高級中学校に当たる7つの学年があり、合計47クラスあります。居住地で学校が決まる校区制のため、基本的には自宅から通学します。日本の学校と同じように数学や国語、歴史等の主要科目は必修ですが、ここでは自分で選べる語学科目が豊富です。
中国では、制服は基本的に運動服が主流。そして、生徒たちの生活は何よりも勉学第一、生活の中心は勉強です。実は、中国では大学受験の競争がとても激しく、日本のセンター試験に当たる「高考」をよい成績で突破するために、小学校から高級中学まで生徒達は懸命に勉強に励みます。甘泉外国語中学校でも日々の授業は7時40分から始まる自習時間を含め、16時40分までみっちり勉強。受験生は17時15分でやっと放課後です。それでも、勉強で忙しい合間を縫って、週末やわずかな放課後の時間を使い、ダンスや美術、フェンシングなどのクラブ活動で青春を送っている生徒たちもいます。

クラブ活動の様子
民族情懐・国際視野
甘泉外国語中学校が掲げる理念は、「民族的な感情・国際視野」で、文化的素質を育成することを特色としています。自分の民族的な根っこはしっかり持ちながら、国際的な視野で理知的に物事を見られるようにとの思いが込められています。
そんなに前から日本語教育 が続 いているんだね!