タジキスタン共和国
(Republic of Tajikistan)
タジキスタンにある学校を見てみよう!
タジキスタンってどんな場所?
タジキスタンは中央アジアと呼ばれる地域にあり、キルギス、ウズベキスタン、アフガニスタン、中国といった国に囲まれています。国の広さは日本の約40%で、820万人が暮らしており、主な言語はタジク語ですが、ロシア語も話されています。
タジキスタンでは、初等・中等教育として11年制の学校が設置されています。義務教育は1年生から9年生までで、10~11年生に進学するのは個人の希望によりますが、ほとんどの子供、特に都市部に住む子供は進学しています。1学年の始まりは9月で、翌年の6月に終わります。6月末から9月初めまで長い夏休みがあります。
優秀な生徒が集まる
「タジキスタン-ロシア・ギムナジウム『Hotam and P.V.』」学校
今回紹介するのは、タジキスタンの首都ドゥシャンベ市にある「タジキスタン-ロシア・ギムナジウム『Hotam and P.V.』」学校です。この学校は、タジキスタンの優秀な子供達が集まる私立学校で、特に数学や化学、物理といった理数系科目の成績はタジキスタンでトップクラスです。この学校に入学するためには数学の試験に合格しなければなりません。

校舎
現在、約820人の児童・生徒がこの学校で学んでおり、ほとんどの子供たちは歩いて、またはマルシュルートカ(乗り合いタクシー)に乗って学校に通っています。また、学校の中には寮もあり、約100人がそこで暮らしています。

数学の成績は国内トップクラス
タジキスタンでは月曜から土曜日まで授業があり、午前と午後の2交代制、例えば1年生は午前中に、2年生は午後に授業を受けるという形式が一般的ですが、「タジキスタン-ロシア・ギムナジウム『Hotam and P.V.』」学校では全学年の児童・生徒が、朝8時から午後3時まで授業を受けます。1つの授業時間は45分で、7年生では数学、物理、化学、情報学といった理数系科目のほか、国語(タジク語)、英語、ロシア語、ロシア文学、地理、歴史、法律などを学んでいます。また、午後3時以降には、どの学年の児童・生徒も自由に出席できるクラスがあり、その中では日本語の授業も行われています。
勉強が大好きな生徒たち
「タジキスタン-ロシア・ギムナジウム『Hotam and P.V.』」学校の校長先生によると、この学校は「タジキスタンに生まれた才能ある子供たちを教育し、単に勉強ができるだけではなく、人間として立派に世界レベルで活躍できる人材を育てること」を学校方針としており、他の学校とは少し違うユニークなシステムが取られています。
まず、クラスは期末試験の成績によって編成されます。1クラスは25人なので、成績順に25人ずつA組,B組,C組,…と振り分けられます。授業内容については、学年の履修範囲を超えて先に進んでおり、今回私たちが見学した7年生A組の数学の授業では、11年生の教科書が使われていて、非常に驚きました。

7年生の数学の授業
また、授業風景についても、先生が一方的に生徒に教えるだけではなく、生徒たちが各班に分かれ、先生から出された課題を協力して解いていく姿がとても印象的でした。その成果か、この学校の生徒は毎年、数学や化学などの国際オリンピックに参加し、優秀な成績を収めています。

先生から出された課題を協力して解きます
生徒たちの声
そんな7年生の生徒たちの間で今流行っていることは、数学大会やサッカー大会に向けての練習だそうです。放課後には読書やギターの練習をすると答えた生徒もいました。でもやはり、一番好きなのは勉強のようです。休日も学校に通い、優秀な先輩たちから数学などの勉強を教わっているとのことでした。先生たちも「この学校に生徒がいない日はない」と誇らしげに話していました。
日本についての関心や印象は、世界で最も技術力のある国など、非常にポジティブで、生徒の半数が日本への留学を希望していました。いつか彼らが日本の学生と一緒に勉強・研究し、素晴らしい成果を上げる日が来ることを期待します。

緑豊かな環境
(2016年7月)
▶︎ 言語 - 公用語はタジク語(イランのペルシア語やアフガニスタンのダリー語などとともにイラン
語派の西方方言
群に
属する。)。
ロシア語も広く
使われている。
学校の様子を見てみよう!