北マケドニア共和国
(Republic of North Macedonia)
北マケドニアにある学校を見てみよう!
北マケドニアの教育制度はどうなっているんだろう?
北マケドニアの教育制度は、初等・中等教育9年、高等学校4年、大学が4~7年(私立大学では3年もあり)となっています。高校までの13年間が義務教育です。
北マケドニアでは、学校の数に対して生徒の数があまりにも多いため、普通は初等・中等から高校までは、一部の学校を除き、午前と午後で児童や生徒が入れ替わる二部制となっています。また共働きの家庭が多いため、特に小学校で、授業終了後も空いている教室を利用し、一定時間まで低学年の児童を預かる制度もあります。そのような子供達は、監督の先生の下、宿題も学校で済ませます。
言語
多民族国家の北マケドニアでは、少数民族の生徒達も一定以上の人数が揃えば、自民族の言語による教育が保障されています。従って、マケドニア語の授業以外にも、アルバニア語、セルビア語、ロマ語等で授業が行われている学校も相当数あります。もちろん少数民族の子供達にもマケドニア語の授業があります。
英語の授業は小学校1年生から始まり、6年生になると第二外国語の授業が始まります。学校によってフランス語やドイツ語等を選択することになります。
1学年は前期と後期の2学期制で、特に夏休みは6月10日から8月31日までと長く、子供達は大いに遊ぶべしという考えがあるせいか、その間は登校日もなければ、宿題も本を1~2冊読み、感想文を書く程度です。夏、日中は大変暑いため、公園などは夕方から結構夜遅くまで遊ぶ子供達で賑わいます。また夏休み中には、多くの子供達が田舎の親戚へ行ったり、両親や祖父母に海や湖へ連れて行ってもらったりします。
日本の学校と違い、生徒達には掃除の時間はなく、掃除は専門に雇われた人達がします。日本のような塾はありませんが、外国語、特に英語のレッスンに通う生徒は多くいます。アルバイトは禁止されていませんが、普段アルバイトをする高校生は殆どいません。但し夏休みなどを利用して、ウェイターやウェイトレス、ベビーシッターといったアルバイトをする生徒はいるようです。
ニコラ・カレフ・ギムナジウム
スコピエ市内のニコラ・カレフ・ギムナジウム(公立高校)は、北マケドニアでも大変古い歴史を誇る高校です。この学校の前身は120年前に遡りますが、現在のギムナジウムになったのは約70年前です。古い学校の建物は1963年のスコピエ大地震で崩壊し、現在の建物は1970年に完成したものです。生徒数約1100名、校長以下の教師数67名の他、事務や清掃の職員数18名です。二部制のため、午前と午後で生徒も教師も入れ替わります。

モデル議会の様子
それぞれの分野を集中して学べる学校
生徒は主に市バスを利用して通学しています。1・2年生は普通科のカリキュラムですが、3年生になると生徒達は、自然科学・数学系(A,B)、社会・人道系(A,B)、言語・芸術系(A,B)の6つの分野からカリキュラムを選択します。卒業生は、ほぼ全員が大学へ進学します。現在、北マケドニアのみならず、米国やヨーロッパ社会の様々な分野で、法律家や医師、芸術家等として活躍している卒業生も多くいるそうです。

文化祭での合唱
ニコラ・カレフ高校では、課外活動にも力が入れられています。例えば言語・芸術系のクラスでは、毎年「ヨーロッパ言語の日」に、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ラテン語のクラスの生徒達が先生と協力し、それぞれの国の紹介を行います。それぞれの国に関するクイズを行ったり、その国の食べ物を紹介したりします。

演劇部の公演
国内外の外国語コンクールにも積極的に参加し、多くの賞を取っている他、廃物利用のエコ活動も活発で、同校のバンドは大変人気があるそうです。スポーツや理数系の生徒達も国内外で多くの賞をおさめていますし、毎年ヨーロッパの違った都市で開催されるモデル欧州議会の討論に参加する、北マケドニア代表に選ばれる生徒達もいます。
学校などの様子 を見てみよう!