イタリア共和国
(Republic of Italy)
イタリアにある学校を見てみよう!
ミラノ編
イタリアの教育制度
イタリアの学校制度は、小学校5学年(6歳~10歳)、中学校3学年(11歳~13歳)、高校5学年(14歳~18歳)となっています。
モンテ・ヴェリーノ小学校
今回紹介するモンテ・ヴェリーノ小学校は、ミラノ中心部から車で約20分の、活気あふれる地区にあります。公立の同小学校は、各学年1クラス20~25名、計15クラス編成で、総児童数は約330人になります。また、この小学校は、さまざまな国籍の子供が在籍しており、多様な文化を持つ子供たちがお互いの国の文化を尊重しながら、毎日、勉強やスポーツに励んでいます。
モンテ・ヴェリーノ小学校の子供たちは、平日、8時30分から16時30分まで授業を受けますが、午後の授業については選択制になっています。午後の授業を受けるのは、保護者が希望を出した子供たちのみで、午後の授業を受ける子供には、特別に平日の宿題はありません。また、土曜日や日曜日にも宿題が出ますが、量は多くありません。

学校内の様子。
きれいな飾り付けがされていました。
小学校で学ぶ科目は、国語、算数、理科、科学、歴史、地理、体育、芸術、音楽、技術、英語です。英語の授業については、1年生の時には週に1回ですが、3年生からは週3回になります(中学校に入ってからは、英語に加え、スペイン語、フランス語など、2つ目の外国語の授業が始まります)。また、体育の授業では、テニス、ラグビー、バレーボール、バスケットボール、水泳など、さまざまなスポーツに取り組みます。

国語(イタリア語)の授業の様子。
文法を学んでいます。
豊かな設備
ミラノでは、プール設備のある学校はほとんどありませんが、同学校には、屋内プールが備わっており(この学校を含め5校のみ)、暖かい季節になると全16回の水泳の授業が行われます。

水泳の授業の様子
さらに同校では、すべての教室に電子黒板とプロジェクターが配備されており、この日は2年生の歴史の時間に、電子黒板を活用しながら、古代ギリシャの哲学者アリストテレスとプラトンをテーマとする授業が行われ、子供たちは真剣に授業に取り組んでいました。また、選択制で、宗教(キリスト教(カトリック))の授業もありますが、イタリアには、多くの移民が存在し、様々な宗教が信じられていることから、同授業は義務づけられていません。

電子黒板を活用した授業の様子。
授業に真剣に取り組んでいます。
学校生活の様子
午後の授業を受ける子供たちは、学校の食堂で給食を食べます。給食は学校内で作られたものではなく、ミラノ郊外の給食配給会社から提供されるもので、最初にスパゲッティー、リゾット、野菜スープ、ピザなどの中から決められたものが出され、次に肉あるいは魚に野菜を付け合わせたものが出され、その後、果物またはデザートが出されます。また、ホームページ上に毎日のメニューが掲載されるため、保護者や学校のスタッフなども、献立を確認できるシステムになっています。
子供たちは、放課後や休日には、スポーツ(サッカー、テニス、バスケットなど)、テレビ、ゲームなどで過ごすことが多く、中には、日本のアニメや漫画の大ファンの子供たちもいます。また、土曜日には、所属するサッカーチームの試合に参加する子供も多くいます。放課後や休日の過ごし方で日本とイタリアで大きく違うところは、イタリアでは、放課後や休日に学習塾に通う子供はほとんどいないところです。

音楽の授業の様子。
体を使って表現します。
また、同校では、子供たちが豊かな自然と触れ合い、その経験を通じ、学校では学べない様々なことを直接体験することが重要と考えていることから、毎年、自然豊かな海や山に行く遠足があります。さらに、冬には学校で、先生、保護者等も参加する形でクリスマス・パーティが開催され、子供たちはこうした行事をとても楽しみにしています。

休み時間に校庭で遊ぶ子ども達
学校の様子 を見てみよう!