インドネシア共和国
(Republic of Indonesia)
インドネシアにある学校を見てみよう!
メダン編
インドネシアの義務教育ってどんなもの?
インドネシアの教育制度は、日本と同じように9年間の義務教育があり、その後、本人の希望で高校や専門学校、大学などの高等教育機関に進学します。
日本と違い、小学校から高校まで、全ての段階で毎年4月に進級・卒業のための統一国家試験を受けなければならず、点数が基準に達していないと進級・卒業をすることができません。このため、この国家試験は毎年大きなニュースとなり、国民の関心も高いものがあります。
国立メダン第1専門学校

校舎
今回、お話をうかがったのは、スマトラ島最大の都市メダンの旧市街に位置する国立メダン第1専門学校です。日本の商業科と観光科が一体となったような高校で、全校生徒数は約1,300名です。この学校の専門分野は、会計、事務、マーケティング、観光の4分野に分かれていて、それぞれ450名、440名、210名、200名の生徒が学んでいます。全体的に女子生徒が多く、観光分野では生徒の4割が男子ですが、会計、事務、マーケティングでは約9割が女子生徒です。ここメダンでは、銀行員・事務職・営業職が女性に人気の職業であることがうかがえます。
アスリ校長先生によれば、国立メダン第1専門学校はメダンで最も古い専門学校で、創立60年を超えるそうです。それぞれの専門分野の知識を深め、実習を重ねることによって卒業後すぐに実務で活躍できる人材を育てることを重視しています。また、生徒の25%は卒業後にインドネシア各地の大学に進学しているとのことでした。

授業風景
学校生活の様子
観光学科3年のモヤ君によると、去年までは午前の部と午後の部で生徒が入れ替わる2部制がとられていて、午前の部は7時に授業が開始されていたため、朝起きるのがつらかったけれど、今年から2部制が廃止されて7時30分から14時30分までの1部制になり、始業時間が30分遅くなったので、遅刻がなくなったそうです。代わりに、毎日の授業の終了時間が以前の11時20分より遅くなったので、課外活動後の帰宅時間が夜になる日もあるとのことです。
学校を紹介してくれた会計学科2年のガブリル君とティウィさんによると、土曜日の放課後や休日は仲のよい生徒5、6名で集まって近所のショッピングモールに行き、カフェでおしゃべりをしたり映画館に行ったりすることが最近は流行っているそうです。

昼食は校内の食堂で。
チリソースを加えたピリ辛ラーメンが人気
日本語教育と日本との関わり
この学校では、英語に続く第2外国語として日本語が採用されていて、観光学科の生徒は必修で学んでいます。また、日本語や日本文化に興味のある生徒が多く、放課後の課外活動に「幸せジャパン・クラブ」というクラブが結成され、活動が行われています。
クラブには日本語の授業のない3学科の生徒も含めて約150名の生徒が参加し、日本語学習、ダンス、伝統舞踊を体験しています。この学校の卒業生でクラブの顧問をしているインダ先生によると、日本語弁論大会や、文化祭で行われるクイズ大会の準備のために日本語を勉強している生徒が多く、また、市内で開催されるいろいろな文化イベントに出場するため、よさこい踊りなどの練習が行われています。最近ではイベント主催者から出演の依頼もあるそうで、総領事館職員が学校を訪問した日にはメンバーがはりきって練習している姿を見かけました。一方、最近は放課後に塾通いをする生徒も多く、勉強とクラブ活動との両立のために時間を確保するのが難しいという問題もあるようです。

幸せジャパン・クラブの練習風景。今日のテーマは日本語で自己紹介(左)、
幸せジャパン・クラブの練習風景。こちらのグループはよさこい踊りの練習(右)
クラブのメンバーからは、観光学科以外の学科では日本語の授業がないので日本語を学ぶためにクラブに入った、とか、日本の文化に是非触れてみたいので入ったなどの声が聞かれ、メダン市内の高校生の日本文化に対する関心の高さがうかがえました。

独立記念行事のパレードに参加。笑顔で市内をねり歩く(左)、
学校創立記念行事での1コマ。こちらでは「パン食い競争」ならぬ「えびせん食い競争」(右)
学校の様子を見てみよう!