安倍総理大臣

平成25年6月13日
日米文化教育交流会議(カルコン)・教育タスクフォース報告書の安倍総理への提出 (1) (写真提供:内閣広報室)
日米文化教育交流会議(カルコン)・教育タスクフォース報告書の安倍総理への提出 (2) (写真提供:内閣広報室)

 本13日午後4時30分から約20分間、安倍晋三内閣総理大臣は日米文化教育交流会議(略称カルコン)の表敬を受け、日米同盟関係強化に資するグローバル人材育成のため「2020年までに日米双方向の留学生交流数を倍増する」目標を掲げた報告書の提出を受けたところ、概要は以下のとおりです。

  1.  冒頭、槇原稔カルコン日本側委員長(三菱商事特別顧問)より、カルコン教育タスクフォースがまとめた報告書が安倍総理に手交されました。

  2.  続いて槇原委員長より、日米相互の学生の交流が激減している状況を憂慮し、カルコンは、昨年の総会で福田康夫元内閣総理大臣及びノーマン・ミネタ元米運輸長官を、それぞれ日米の最高顧問とするタスクフォースを立ち上げた、その後タスクフォースでの議論を踏まえ、「2020年までに日米間の留学生交流の倍増を達成する」という目標を掲げ、両国が行うべき施策を提言する報告書を作成した、特に日本側が取り組むべき課題としては、総理の「三本の矢」を見習った訳ではないが、(1)学校における英語教育の改革・強化、(2)グローバル人材の育成強化のための一般教養科目の充実を含めた大学の国際化の推進、(3)留学から帰国した新卒者の産業界での受け入れ、といった3つの分野を中心とした諸施策が盛り込まれている、米国においては、日本の留学生のための学生ビザの取得手続き等、留学生の受け入れに関する諸施策が盛り込まれている旨説明しました。その上で、槇原委員長より、この報告書は近く米国側にも提出されるので、次回バラク・オバマ大統領に会われる際には、報告書の提言を基に両国間の留学生交流の活発化に向けてお話しいただきたい旨述べました。

  3.  これを受けて安倍総理より、日米同盟は、両国の礎であり、カルコンが、人と人との交流を通じた日米関係強化に果たしてきた役割を高く評価する、自分の成蹊高校の先輩である槇原委員長のとりまとめられた大事な報告書であるので、良く内容を読ませていただきたい旨述べました。

  4.  続いて福田元総理より,日米関係の中でも次世代の交流は重要であるので、現状を心配している、本日はいらしておられないが、米側最高顧問であるミネタ元運輸長官からも報告書のとりまとめに至る課程で熱心に有益な助言をいただき感謝している、ティエリー・ポルテカルコン米側委員長はいうまでもなく,ここに同席されておられるジョン・ルース駐日米国大使には「トモダチ・イニシアチブ」に加えて、カルコン・教育タスクフォースでも多大な協力をいただき感謝している旨述べました。

  5.  さらに,ポルテ委員長より,カルコンは50年以上にわたり、日米両国関係を一層緊密化させるための教育文化交流分野での諸施策について話し合うハイレベルの機関として活動してきた、教育タスクフォースについてもこうしたカルコンの伝統を受け継ぎ、官民のメンバーによる素晴らしい協力関係の下,包括的なアイディアを盛り込んだ報告書をまとめることができた、米国においても、この報告書の実現に向けて強力なサポートがあることをお伝えしたい、両国関係の一層の緊密化のため引き続き協力していきたい旨述べました。

  6.  続いてルース大使より,両国間の留学生交流を逆転する努力は米国にとっても極めて重要かつ優先順位の高い問題である、報告書に掲げられた諸施策を実施していくために日米両国で緊密に協力していきたい旨述べました。

  7.  最後に安倍総理より、安倍政権では、日本からの留学生の送り出しのため、次の2つの新たな施策に取り組んでいる、すなわち、(1)留学する希望のある若者に対して、官民で経済的に支援していくこと、(2)留学から戻った学生が就職活動のタイミングの上で不利にならないようにすること、同時に、日本の大学改革において、徹底的な国際化を図るべく、8つの国内大学で外国からの教授や研究者を大幅に増やすことにしており、こうした取り組みは米国から日本への留学生を増やすことにもつながることと思う、また、既存のJETプログラム等にもしっかり取り組んでいく旨述べました。


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