安倍総理大臣
日・フィリピン首脳会談(概要)



10月9日(水曜日)18時50分頃(現地時間)から約30分間,安倍晋三内閣総理大臣は,ASEAN関連首脳会議出席のために訪問中のブルネイにおいて,ベニグノ・アキノ3世フィリピン共和国大統領との間で日・フィリピン首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭
安倍総理から,本年7月のフィリピン訪問の際のフィリピン側の歓待に謝意を表すとともに,日・ASEAN友好協力40周年である本年,12月のアキノ大統領の訪日により首脳の相互訪問が実現する,12月の訪日が有意義なものとなるよう準備をすすめている旨述べたのに対し,アキノ大統領からは,7月の安倍総理訪問を通じて両国の関係は一層強化された,12月の訪日を楽しみにしている旨述べました。
2 二国間関係
安倍総理から,本年7月のフィリピン訪問時に表明した「対フィリピン外交4つのイニシアティブ」(注)に基づき,「戦略的パートナーシップ」の更なる強化を図りたいとして,(ア)フィリピン沿岸警備隊への巡視艇の早期供与に向けて手続を進めている,(イ)ミンダナオ和平プロセス支援について,我が国の支援の姿勢は不変であり,ミンダナオ島サンボアンガ市での武力衝突によって発生した国内避難民に対する200万ドルの緊急無償資金協力を実施予定である,(ウ)二国間通貨スワップ拡充のための協議の進展を歓迎する旨述べました。これらに対し,アキノ大統領から,深甚なる謝意が表明されました。
3 地域情勢等
(1)両首脳は,南シナ海をめぐる問題について意見交換を行いました。安倍総理からは,紛争は関連国際法に基づき平和的に解決されなければならないとの我が国の基本的立場を伝えるとともに,ASEANの一体性の重要性を指摘しました。そして,今次ASEAN関連首脳会議も含め,今後も連携していくことを確認しました。
(2)アキノ大統領から,安全保障政策にかかる我が国の取組に対する支持が表明されました。安倍総理からは,日本の安全保障政策について,日本は積極的平和主義の立場から地域・国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献していくとして,現在の取組につき改めて説明を行いました。
(注)「対フィリピン外交4つのイニシアティブ」 (ア)活力ある経済を共に育むこと,(イ)海洋分野での協力を推進すること,(ウ)ミンダナオ和平プロセス支援を強化すること,(エ)人的交流を一層促進すること。