岸田外務大臣
岸田外務大臣の中東訪問(概要)(イスラエル,パレスチナ自治区,ヨルダン)
平成25年7月26日




1.訪問日程概要(7月24日~26日)
(1)イスラエル
2.訪問の成果
24日:ペレス大統領への表敬,リヴニ司法相(対パレスチナ交渉担当)及びシャローム地域協力相との会談,ヤド・ヴァシェム(ホロコースト記念館)訪問,ネタニヤフ首相兼外相への表敬
(2)パレスチナ
24日:マーリキー外務庁長官との会談,アッバース大統領への表敬,ノン・プロジェクト無償資金協力に関する交換公文(E/N)の署名,アッバース大統領との夕食会
(3)イスラエル/パレスチナ
25日:エルサレム旧市街視察,エラカートPLO交渉局長との会談,「平和と繁栄の回廊」構想の第4回4者協議閣僚級会合,ジェリコ農産加工団地(JAIP)視察
(4)ヨルダン
25日:アブダッラー国王への拝謁,ハッサン王子(元皇太子)表敬,ジュデ外相との会談(第6回外相級政策協議),ヌスール首相への表敬,ジュデ外相との夕食会
26日:シリア難民キャンプ(ザアタリ)視察,グテーレス国連難民高等弁務官との会談
26日:シリア難民キャンプ(ザアタリ)視察,グテーレス国連難民高等弁務官との会談
(1)地域安定化への貢献
今回の外遊では,各訪問先の外相との会談のみならず,国家元首への表敬・拝謁もそれぞれ実現し,日・イスラエル,日・パレスチナ,日・ヨルダン関係の一層の強化を高いレベルで確認することができた。さらに、各訪問先では以下の点につき有意義な意見交換を行った。
ア.中東和平:交渉再開に向けた働きかけ
岸田大臣から,イスラエル・パレスチナ双方に対して,米国の仲介により和平交渉再開に向け前向きな動きが見られる中,真摯な対話・交渉を行うよう働きかけた。
また,岸田大臣は,イスラエル・パレスチナ双方に対して,交渉再開・進展の環境を害する一方的措置を自制するよう強く申し入れた。具体的には,イスラエルには入植活動凍結等を,また,パレスチナには国際機関や国際協定への新規加盟・加入等の行為を控えるよう訴えた。
その上で,我が国としても,交渉が奏効するよう政治・経済両面から後押ししていく考えを伝達した。また,二国家解決による和平実現の環境作りとして,「平和と繁栄の回廊」構想やCEAPADの前進等,対パレスチナ支援を継続・強化していく意向を表明した。
この関連で,岸田大臣は,イスラエル・パレスチナ間の信頼醸成促進の観点から,イスラエル・パレスチナ合同青年招聘の枠を倍増する旨述べた。
イスラエル及びパレスチナ側からは,それぞれ,我が国の中東和平に対する貢献を高く評価するとともに,和平実現に向け真剣に取り組んでいくとの前向きな発言があった。
イ.「平和と繁栄の回廊」構想:4者協議閣僚級会合の開催(25日午前)
出席者:シャローム地域協力相(イスラエル),ラマダン計画庁長官(パレスチナ),マジャーリ内務相(ヨルダン)
岸田大臣は「平和と繁栄の回廊」構想の下でイスラエル,パレスチナ,ヨルダンの閣僚を招待し,約5年ぶりとなる4者協議閣僚級会合を実施した。4閣僚は友好的な雰囲気の中でそれぞれの立場から同構想の前進に向けた取組みや姿勢を述べ合った。
同会合の成果を議長サマリーとしてまとめ発表。主な内容は以下のとおり。
(ⅰ)二国家解決による和平実現にあたっての本構想の重要性を再確認
(ⅱ)ジェリコ農産加工団地(JAIP)の稼働に向けた進展を歓迎
(ⅲ)JAIPに関する合意事項の早期実施のための協力を加速
(ⅳ)JAIPに次ぐ本構想の新事業の検討を開始
和平交渉再開に向け前向きな動きが見られる中,イスラエルとパレスチナの双方の閣僚がヨルダンの閣僚と共に,パレスチナの地で顔を合わせ,一つの事業について共に取り組んでいくことにコミットしたことは時宜を得たことであり,和平プロセス促進及び我が国の国際的なプレゼンス強化の観点から有意義であった。
ウ.シリア難民キャンプ視察(26日午前)及びヨルダン支援:我が国の人道支援等の貢献をアピール
岸田大臣から,各政府要人との会談の中で,シリア情勢の深刻化が人道状況の悪化や地域全体の不安定化につながるとして強い懸念を表明。また,シリア人道危機に対する我が国の国際機関及びNGOを経由した約9,500万米ドルの支援を紹介した(注:うち3700万ドルがヨルダン向け)。
ヨルダン要人との会談において,岸田大臣から,多大な経済的負担を抱えながらも大量のシリア難民を受け入れているヨルダン政府の取組みを高く評価し,120億円の円借款を含め,ヨルダンの負担軽減のために我が国が行っている支援を伝達した。
また,岸田大臣は,視察同行のため来訪越したグテーレス国連難民高等弁務官からの現状や問題点についての説明を受け,ヨルダン国内で最大規模のシリア難民キャンプであるザアタリ・キャンプを視察した他,邦人NGO職員等の激励を行った。
(2)バイの関係強化岸田大臣から,イスラエル・パレスチナ双方に対して,米国の仲介により和平交渉再開に向け前向きな動きが見られる中,真摯な対話・交渉を行うよう働きかけた。
また,岸田大臣は,イスラエル・パレスチナ双方に対して,交渉再開・進展の環境を害する一方的措置を自制するよう強く申し入れた。具体的には,イスラエルには入植活動凍結等を,また,パレスチナには国際機関や国際協定への新規加盟・加入等の行為を控えるよう訴えた。
その上で,我が国としても,交渉が奏効するよう政治・経済両面から後押ししていく考えを伝達した。また,二国家解決による和平実現の環境作りとして,「平和と繁栄の回廊」構想やCEAPADの前進等,対パレスチナ支援を継続・強化していく意向を表明した。
この関連で,岸田大臣は,イスラエル・パレスチナ間の信頼醸成促進の観点から,イスラエル・パレスチナ合同青年招聘の枠を倍増する旨述べた。
イスラエル及びパレスチナ側からは,それぞれ,我が国の中東和平に対する貢献を高く評価するとともに,和平実現に向け真剣に取り組んでいくとの前向きな発言があった。
イ.「平和と繁栄の回廊」構想:4者協議閣僚級会合の開催(25日午前)
出席者:シャローム地域協力相(イスラエル),ラマダン計画庁長官(パレスチナ),マジャーリ内務相(ヨルダン)
岸田大臣は「平和と繁栄の回廊」構想の下でイスラエル,パレスチナ,ヨルダンの閣僚を招待し,約5年ぶりとなる4者協議閣僚級会合を実施した。4閣僚は友好的な雰囲気の中でそれぞれの立場から同構想の前進に向けた取組みや姿勢を述べ合った。
同会合の成果を議長サマリーとしてまとめ発表。主な内容は以下のとおり。
(ⅰ)二国家解決による和平実現にあたっての本構想の重要性を再確認
(ⅱ)ジェリコ農産加工団地(JAIP)の稼働に向けた進展を歓迎
(ⅲ)JAIPに関する合意事項の早期実施のための協力を加速
(ⅳ)JAIPに次ぐ本構想の新事業の検討を開始
和平交渉再開に向け前向きな動きが見られる中,イスラエルとパレスチナの双方の閣僚がヨルダンの閣僚と共に,パレスチナの地で顔を合わせ,一つの事業について共に取り組んでいくことにコミットしたことは時宜を得たことであり,和平プロセス促進及び我が国の国際的なプレゼンス強化の観点から有意義であった。
ウ.シリア難民キャンプ視察(26日午前)及びヨルダン支援:我が国の人道支援等の貢献をアピール
岸田大臣から,各政府要人との会談の中で,シリア情勢の深刻化が人道状況の悪化や地域全体の不安定化につながるとして強い懸念を表明。また,シリア人道危機に対する我が国の国際機関及びNGOを経由した約9,500万米ドルの支援を紹介した(注:うち3700万ドルがヨルダン向け)。
ヨルダン要人との会談において,岸田大臣から,多大な経済的負担を抱えながらも大量のシリア難民を受け入れているヨルダン政府の取組みを高く評価し,120億円の円借款を含め,ヨルダンの負担軽減のために我が国が行っている支援を伝達した。
また,岸田大臣は,視察同行のため来訪越したグテーレス国連難民高等弁務官からの現状や問題点についての説明を受け,ヨルダン国内で最大規模のシリア難民キャンプであるザアタリ・キャンプを視察した他,邦人NGO職員等の激励を行った。
今回の外遊では,各訪問先の外相との会談のみならず,国家元首への表敬・拝謁もそれぞれ実現し,日・イスラエル,日・パレスチナ,日・ヨルダン関係の一層の強化を高いレベルで確認することができた。さらに、各訪問先では以下の点につき有意義な意見交換を行った。
ア.イスラエル
岸田大臣からネタニヤフ首相に対し訪日を招請し,ネタニヤフ首相から訪日について強い意欲が示された他,安倍総理のイスラエル訪問への希望が表明された。また,広報文化,安全保障,国際法の他,宇宙分野における専門家同士の対話を含めた二国間の対話の枠組みの強化,共に先進国である科学技術における協力の推進などで一致。
イ.パレスチナ 岸田大臣は,パレスチナ自治政府に対する8億円のノン・プロジェクト無償資金協力に関する交換公文(E/N)に署名すると共に,今後とも対パレスチナ支援を維持・強化していく意向を表明。また,パレスチナ開発のため東アジア協力促進会合(CEAPAD)について,関連会合の開催など今後の取組,方針を説明した。
ウ.ヨルダン ヨルダン側からアブドッラー国王の訪日の希望が示され,岸田大臣はこれを歓迎する旨発言。また,ヨルダン政府要人との間で,ヨルダンの原子力発電所建設計画を含め,二国間関係や地域情勢に関して意見交換を行った。
イ.パレスチナ 岸田大臣は,パレスチナ自治政府に対する8億円のノン・プロジェクト無償資金協力に関する交換公文(E/N)に署名すると共に,今後とも対パレスチナ支援を維持・強化していく意向を表明。また,パレスチナ開発のため東アジア協力促進会合(CEAPAD)について,関連会合の開催など今後の取組,方針を説明した。
ウ.ヨルダン ヨルダン側からアブドッラー国王の訪日の希望が示され,岸田大臣はこれを歓迎する旨発言。また,ヨルダン政府要人との間で,ヨルダンの原子力発電所建設計画を含め,二国間関係や地域情勢に関して意見交換を行った。