安倍総理大臣

平成25年5月2日
ムハンマド・アブダビ皇太子との会談<br>(写真提供:内閣広報室)
ムハンマドUAE副大統領兼首相との会談<br>(写真提供:内閣広報室)
租税条約及び原子力協定等の署名式への立ち会い<br>(写真提供:内閣広報室)
 安倍総理は,5月1日(水曜日)~2日(木曜日),アラブ首長国連邦(アブダビ及びドバイ)を訪問したところ,概要は以下のとおり。

1.主な行事等

(1)ムハンマド・アブダビ皇太子との会談
(2)同皇太子主催晩餐への出席
(3)日UAEビジネス・フォーラムへの出席・主要出席者との懇談
(4)ドバイ・メトロ視察
(5)ムハンマドUAE副大統領兼首相との会談・午餐
(6)日UAE租税条約及び日UAE原子力協定等の署名式への立ち会い
(7)ハッザーア殿下(国家安全保障補佐官)による表敬

2.概要・成果

(1)5月1日(水曜日)

(ア)ムハンマド・アブダビ皇太子との会談
 安倍総理は,午後7時40分から約40分間,ムハンマド・アブダビ皇太子との会談を実施した。双方は,重層的パートナーシップを拡充し,政治,経済,文化・人的交流等の幅広い分野で包括的パートナーシップを構築することで一致した。
【政治】
双方は,外交当局間のハイレベル協議を高頻度で実施し,外交・防衛当局間の安全保障対話を次官級/局長級で実施することで一致した。安倍総理より,G8ドーヴィル・パートナーシップの重要性を指摘しつつ,中東・北アフリカ地域の安定化のために今後総額22億ドル規模の支援を実施する旨述べたところ,先方より賛意が得られた。
【経済】
安倍総理より,UAEによるエネルギーの安定供給に謝意を述べつつ,引き続き安定供給を要請した。また,日本としても省エネ・再生可能エネ・原子力等の分野で貢献が可能である旨述べた。さらに,安倍総理は,インフラ開発,医療協力,人材育成の重要性に言及し,先方もこれに賛同した。
【文化・人的交流】
安倍総理から,若い世代の人材育成の重要性,アブダビ日本人学校での生徒受け入れ,今後5年間で500人のUAE人留学生を受け入れる旨述べ,双方は,教育協力を強化することで一致した。人的交流を深めるためにも同皇太子の訪日を招請したところ,先方は是非日本で会いたい旨応答した。さらに,安倍総理は,外交・公用旅券所持者に対する査証相互免除と観光目的等の一般旅券所持者を対象とした数次査証の付与措置を導入することとした旨述べたところ,先方からは高い評価が示された。

(イ)ムハンマド・アブダビ皇太子主催晩餐への出席
 安倍総理は,午後8時20分から約1時間10分間,ムハンマド・アブダビ皇太子主催晩餐に出席した。安倍総理は,産業多角化への協力が進んでいることを紹介しつつ,JICAによる人材育成協力に関する新スキームの立ち上げを表明した。晩餐において,江藤農水副大臣が宮崎牛を,世耕副長官が完全養殖マグロをUAE側に献上したことを紹介した。さらに,双方は,中東地域情勢についても意見交換を行った。


(2)5月2日(木)

(ア)日UAEビジネス・フォーラムへの出席・主要出席者との懇談
安倍総理は,午前9時から約45分間,日UAEビジネス・フォーラムに出席し,冒頭挨拶の中で,エネルギー分野における日UAE関係の多様化,ビジネス環境の整備,文化・教育面での協力について述べるとともに,医療分野において協力を拡大していくこと,日本産食品のプロモーションを進めていくことを強調した。また,安倍総理は,本フォーラムに参加したマズルーイー・エネルギー大臣,マスード・アブダビ国民諮問評議会議長,ルメイシUAE商工会議所会頭,スウェイディ・アブダビ財務長官と懇談を行った。なお,本フォーラムには,日UAE両国の官民関係者約600人が参加し,エネルギー,産業育成,インフラ開発に加え,教育,医療及び食品等について活発な意見交換が行われた。

(イ)ドバイ・メトロ視察
ドバイを訪問した安倍総理は,ドバイ・メトロを視察し,ラシディヤ駅からブルジュ・ハリーファ駅まで試乗し,ターイル・ドバイ道路交通庁長官からドバイ・メトロについて説明を受けた。

(ウ)ムハンマドUAE副大統領兼首相との会談・午餐
 安倍総理は,13時半から約40分間,ドバイのザアビール宮殿にてムハンマド首相との会談を行った(本会談にはムハンマド・アブダビ皇太子も同席)。双方は,重層的パートナーシップを拡充し,「協働」,「共生・共栄」,「寛容」に基づき,幅広い分野で協力を強化することで一致した。この関連で,ムハンマド首相からは,UAEは日本と中東・北アフリカの「扉」として機能しており,多くの人が日本製品を求めてドバイを訪れている旨述べた。安倍総理から,外交・公用旅券所持者に対する査証相互免除と観光目的等の一般旅券所持者を対象とした数次査証の付与措置を導入することとした旨述べたところ,先方からは,日本からドバイ,ドバイから日本への観光客増加につながり,両国間の関係を強化するものであり,大変素晴らしい措置である旨述べた。安倍総理から,日本産食品の輸入規制の更なる緩和を要請したところ,先方からは,前向きに更なる緩和を検討したい旨応じた。また,双方は,「安定と繁栄に向けた日UAE間の包括的パートナーシップの強化に関する共同声明(骨子(PDF)日本語仮訳(PDF)英語(PDF))」を発出するとともに,同パートナーシップに関するファクトシート(日本語仮訳(PDF)英語(PDF))及び協力覚書一覧(日本語仮訳(PDF)英語(PDF))を発表した。
 午餐において,双方は,二国間関係及び地域情勢等について意見交換を行った。

(エ)日UAE租税条約及び日UAE原子力協定等の署名式への立ち会い
 安倍総理は,ムハンマド首相との会談後,加茂駐UAE大使及びターイル財務担当国務大臣による日UAE租税条約,加茂大使及びカアビー国際原子力機関UAE常駐代表による日UAE原子力協定,日本語書籍の翻訳・出版に関する覚書の署名式に立ち会った。

(オ)ハッザーア殿下(国家安全保障補佐官)による表敬
 安倍総理は,午後4時50分から約5分間,ハッザーア殿下による表敬を受け,エネルギー,医療分野での協力に関する意見交換を行った。


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