岸田外務大臣

平成25年6月30日
 6月30日,ブルネイ・バンダルスリブガワン国際会議センターにおいて,午後4時5分頃から約1時間15分にわたり,岸田文雄外務大臣出席の下,日・ASEAN外相首脳会議が開催されたところ,概要以下のとおり(共同議長:岸田外務大臣、ハオ・ナムホン副首相兼外務国際協力大臣(対日調整国))。
 
1. 日・ASEAN協力関係のレビューと将来の方向性

(1)日・ASEAN特別首脳会議
 岸田外務大臣より,日・ASEAN友好協力40周年を記念して、本年12月13-15日に東京で日・ASEAN特別首脳会議が開催される運びとなった旨述べた。また、岸田外務大臣が、特別首脳会議では日本とASEAN諸国の首脳が関係強化のための中長期的ビジョンについて議論できるよう準備を進めていきたいと述べたのに対して、ASEAN各国より、特別首脳会議を機会に関係がさらに強化されたものとなるよう協力していきたいとの発言があった。

(2)日・ASEAN友好協力40周年
 岸田大臣より、これまで300件を超えるイベントが日・ASEAN友好協力40周年事業として登録されていること、事業の実施にあたって、日本ASEANセンターが積極的な役割を果たしている点述べたのに対し、ASEAN側より友好協力40周年行事が着実に実施されていることを歓迎するとともに、日本ASEANセンターが投資、貿易、観光、人的交流の分野で果たしている役割を高く評価するとの発言があった。

(3)ASEAN連結性
 岸田外務大臣より、日本によるASEAN連結性支援のための「フラッグシップ・プロジェクト」は着実に実施されており、制度的連結性についての支援とも有機的に連携させ、取り組んでいく方針を説明した。ASEAN各国よりは,ASEAN共同体構築に向けて日本のASEAN連結性強化に向けた貢献は重要であり、これを高く評価するとの発言があった。

(4)災害管理
 岸田外務大臣は,日本の「ASEAN防災ネットワーク構築構想」に基づきASEANの災害管理能力の向上に努め、引き続きASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)に対し支援していく旨発言した。ASEAN各国より,防災分野における日本の貢献に謝意が表明されるとともに、この分野で知見のある日本からのさらなる貢献への期待が表明された。

(5)経済連携
 ASEAN側より東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の第1回交渉は順調な滑り出しとなった旨発言があったのに対し、岸田外務大臣より,RCEPについて、包括的かつ高いレベルの協定を目指しASEANと連携したい旨述べた。

(6)青少年交流
 岸田外務大臣から,日・ASEANの紐帯を強化すべく、本年より青少年交流プログラム「JENESYS2.0」を開始した旨述べたのに対し,ASEAN各国から「JENESYS2.0」を高く評価する旨の発言があった。

(7)新たな協力分野
 岸田外務大臣より、ASEANとの新たな協力分野として、宇宙、医療、気候変動対策、都市化対策等を挙げた。

2.地域・国際情勢

 南シナ海をめぐる問題への対処において,岸田外務大臣より、国際法の遵守の重要性を指摘するとともに、4月のASEAN首脳会議議長声明にみられるような南シナ海の行動規範(COC)の早期締結に向けた関係国の努力を評価した。北朝鮮については,岸田外務大臣から,日本は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決が必要であり、そのために北朝鮮の具体的行動が必要との基本方針に変わりはない,また、拉致問題は基本的な人権の侵害という国際社会の重大な関心事項であり,引き続き各国の理解と協力をお願いする旨述べた。日中関係について,岸田外務大臣から、大局的観点から日中間の戦略的互恵関係を推進していくとの姿勢を堅持していく旨説明した。このほか、中東和平、国連安保理改革、ポストMDG、第3回国連防災世界会議に関し,岸田外務大臣より発言があった。

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