岸田外務大臣
岸田外務大臣のイラン・イスラム共和国訪問(結果概要)
平成25年11月10日



岸田外務大臣は11月9日及び10日、イラン・イスラム共和国を公式訪問し、ローハニ大統領及びラリジャニ国会議長を表敬するとともに、ザリーフ外務大臣と日・イラン外相会談を行い、会談後の共同記者発表において共同声明(概要(PDF)
/日本語仮訳(PDF)
/英語原文(PDF)
)を発表したところ、概要は以下のとおりです。
1.ローハニ大統領への表敬(11月9日、16時30分から1時間)
(1)日・イラン関係
(2)イランの核問題
岸田大臣から、本日(9日)もジュネーブでEU3+3とイランの交渉が引き続き行われており、核問題について議論したいと述べたところ、ローハニ大統領から、日本はIAEA理事国であり、さらに役割を果たしてほしいと述べました。岸田大臣から、ローハニ大統領は国連総会において核兵器を保有しないことを明確にしているが、国際社会の信頼を得るために、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准、追加議定書(AP)の批准・実施を含むIAEAとの完全な協力等を提案しました。ローハニ大統領からは、国際的な枠組みの中でイランは協力をしているという説明があり、これに対し、岸田大臣からは、ローハニ新政権下の現在の機会を捉えて、具体的な行動を示してほしいと述べました。
(3)地域情勢
岸田大臣から、シリア情勢の改善等、地域の安定に向けてイランが建設的な役割を果たすことを期待すること、北朝鮮と核・ミサイルが日本の直接の脅威になっており懸念を有していること、拉致問題について理解と支持を得たいこと、ペルシャ湾と日本とを結ぶ海上交通路の平和と安定及び航行の自由が確保されるべきことを強調しました。これに対し、ローハニ大統領からは、シリア、北朝鮮等の情勢について、一定の理解が示されました。
2.日・イラン外相会談(11月10日、16時過ぎから1時間程度)
(1)日・イラン関係
(2)イランの核問題
(3)地域情勢
岸田大臣から、北朝鮮の核・ミサイル問題に対する強い懸念を示しつつ、拉致問題への理解と支持を改めてザリーフ大臣に求めるとともに、ペルシャ湾と日本をつなぐ海上交通路の平和と安定、法の支配の尊重及び航行の自由を確保することの重要性について述べたところ、ザリーフ大臣から、友人である日本の提案を真剣に受け止める、これらの問題において日本と協力していきたいと述べました。
(4)その他
日・イラン外相会談後、岸田外務大臣とザリーフ外務大臣は共同記者発表を行い、外相会談の成果を述べるとともに、共同声明(概要(PDF)
/日本語仮訳(PDF)
/英語原文(PDF)
)を発表しました。
3.ラリジャニ国会議長への表敬(11月9日、15時から1時間)
(1)日・イラン関係
冒頭、ラリジャニ国会議長から、今回の岸田大臣の訪問は重要な時期に行われた、二国間関係の強化に資するものである、また、二国間の文脈を越えてアフガニスタン等の国際的な課題についても議論していきたい、ローハニ政権のもとで国際社会に新たな雰囲気が生まれており、同政権は経験豊かな閣僚を集め、外交政策も活発である、イラン議会としてもこれを支持していきたいと述べました。これに対して岸田大臣から、シリアやアフガニスタンといった地域全体の問題についてイランと様々な意見交換を行うことが可能であり、問題の解決にむけてイランとともに努力していきたいと述べました。
(2)イランの核問題
ラリジャニ国会議長から、イランの核問題について濃縮活動を含む原子力の平和利用の権利はイラン国民の権利であるとの説明があり、岸田大臣から、未来のために核兵器のない世界を実現するためにイランを含む国際社会と努力していきたい、核問題に関してジュネーブでのEU3+3とイランの交渉は重要なものであり、合意の形成に向けてイランが努力することを期待していると述べました。
(3)その他
最後に、ラリジャニ国会議長から、日・イラン友好議連の事務局長を務めている岸田大臣には二国間関係の一層の改善のために尽力頂きたいとの言葉があり、岸田大臣から、イランが国際社会で十分な力を発揮できるよう古くからの友人としてイランを支援していきたい旨述べました。



1.ローハニ大統領への表敬(11月9日、16時30分から1時間)
(1)日・イラン関係
(ア)冒頭、ローハニ大統領から、先般の日・イラン首脳会談を想起しつつ、イランにとって、日本はアジアにおける重要な友好国であり、新政権としても日本との関係を重視していきたいとの発言がありました。これに対し、岸田大臣から、今後も日・イラン関係の強化のために努力していきたいとしつつ、友好関係を基盤として国際社会の問題にイランとともに考え、対処していきたいと述べました。
(イ)岸田大臣から、9月の日・イラン首脳会談でローハニ大統領から提案のあった環境・麻薬対策分野での協力や、地震防災・省エネ分野の協力等を着実に進め、水資源管理、大気保全、気候変動、生物多様性といった分野についても協力したいと述べたところ、ローハニ大統領はこれらの分野での協力は大変重要であり、特に環境分野での協力を歓迎すると述べました。
(イ)岸田大臣から、9月の日・イラン首脳会談でローハニ大統領から提案のあった環境・麻薬対策分野での協力や、地震防災・省エネ分野の協力等を着実に進め、水資源管理、大気保全、気候変動、生物多様性といった分野についても協力したいと述べたところ、ローハニ大統領はこれらの分野での協力は大変重要であり、特に環境分野での協力を歓迎すると述べました。
(2)イランの核問題
岸田大臣から、本日(9日)もジュネーブでEU3+3とイランの交渉が引き続き行われており、核問題について議論したいと述べたところ、ローハニ大統領から、日本はIAEA理事国であり、さらに役割を果たしてほしいと述べました。岸田大臣から、ローハニ大統領は国連総会において核兵器を保有しないことを明確にしているが、国際社会の信頼を得るために、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准、追加議定書(AP)の批准・実施を含むIAEAとの完全な協力等を提案しました。ローハニ大統領からは、国際的な枠組みの中でイランは協力をしているという説明があり、これに対し、岸田大臣からは、ローハニ新政権下の現在の機会を捉えて、具体的な行動を示してほしいと述べました。
(3)地域情勢
岸田大臣から、シリア情勢の改善等、地域の安定に向けてイランが建設的な役割を果たすことを期待すること、北朝鮮と核・ミサイルが日本の直接の脅威になっており懸念を有していること、拉致問題について理解と支持を得たいこと、ペルシャ湾と日本とを結ぶ海上交通路の平和と安定及び航行の自由が確保されるべきことを強調しました。これに対し、ローハニ大統領からは、シリア、北朝鮮等の情勢について、一定の理解が示されました。
2.日・イラン外相会談(11月10日、16時過ぎから1時間程度)
(1)日・イラン関係
(ア)冒頭、岸田大臣から、今回初めてテヘランを訪問し、9月の国連総会の際の日・イラン外相会談に続き、再度ザリーフ大臣と会えたことをうれしく思うと述べたのに対して、ザリーフ大臣から、岸田大臣のテヘラン滞在中にローハニ大統領等と建設的な意見交換を行ったものと承知しており、国連総会時の日・イラン首脳会談や外相会談を含め、これらの意見交換が二国間関係の強化につながることを期待する旨述べました。
(イ)岸田大臣から、日・イランの二国間関係の更なる強化のために、ローハニ大統領と安倍総理の間で議論のあった環境・麻薬対策の分野で具体的な協力を推進したい、様々なレベル・分野での対話の強化や、文化・人物・知的交流の推進、人道支援等の分野での協力を行っていきたい旨述べました。これに対して、ザリーフ大臣から、様々な分野での二国間協力を実施していきたい旨述べました。
(イ)岸田大臣から、日・イランの二国間関係の更なる強化のために、ローハニ大統領と安倍総理の間で議論のあった環境・麻薬対策の分野で具体的な協力を推進したい、様々なレベル・分野での対話の強化や、文化・人物・知的交流の推進、人道支援等の分野での協力を行っていきたい旨述べました。これに対して、ザリーフ大臣から、様々な分野での二国間協力を実施していきたい旨述べました。
(2)イランの核問題
(ア)ザリーフ大臣から、11月7日から9日にかけて実施されたEU3+3とイランの交渉の詳細について説明があり、EU3+3との協議では進捗がみられ、次回協議において良い結果がでることを期待する旨述べるとともに、核問題において日本の果たす役割は重要であり、日本に期待している、日本の役割への期待はEU3+3の中にもあると述べました。これに対し岸田大臣から、交渉の詳細な説明に感謝すると共に、ジュネーブで行われたEU3+3とイランの交渉は結論には至らなかったが、ザリーフ大臣の尽力に敬意を表する、今後ともイランが柔軟性を示し双方の合意が形成されることを期待する旨述べました。
(イ)また、岸田大臣は、イランが原子力の平和利用の権利を行使していくためにはイランの核活動が真に平和目的であることが大前提であり、国際社会の信頼と理解を得るために日本も貢献していきたいと述べ、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准、追加議定書(AP)の批准・実施を含むIAEAとの完全な協力等を働きかけるとともに、日・イラン軍縮・不拡散会議の再開を求めました。これに対して、ザリーフ大臣から、軍縮・不拡散を含め様々な分野で協力していきたいと述べました。
(イ)また、岸田大臣は、イランが原子力の平和利用の権利を行使していくためにはイランの核活動が真に平和目的であることが大前提であり、国際社会の信頼と理解を得るために日本も貢献していきたいと述べ、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准、追加議定書(AP)の批准・実施を含むIAEAとの完全な協力等を働きかけるとともに、日・イラン軍縮・不拡散会議の再開を求めました。これに対して、ザリーフ大臣から、軍縮・不拡散を含め様々な分野で協力していきたいと述べました。
(3)地域情勢
岸田大臣から、北朝鮮の核・ミサイル問題に対する強い懸念を示しつつ、拉致問題への理解と支持を改めてザリーフ大臣に求めるとともに、ペルシャ湾と日本をつなぐ海上交通路の平和と安定、法の支配の尊重及び航行の自由を確保することの重要性について述べたところ、ザリーフ大臣から、友人である日本の提案を真剣に受け止める、これらの問題において日本と協力していきたいと述べました。
(4)その他
日・イラン外相会談後、岸田外務大臣とザリーフ外務大臣は共同記者発表を行い、外相会談の成果を述べるとともに、共同声明(概要(PDF)



3.ラリジャニ国会議長への表敬(11月9日、15時から1時間)
(1)日・イラン関係
冒頭、ラリジャニ国会議長から、今回の岸田大臣の訪問は重要な時期に行われた、二国間関係の強化に資するものである、また、二国間の文脈を越えてアフガニスタン等の国際的な課題についても議論していきたい、ローハニ政権のもとで国際社会に新たな雰囲気が生まれており、同政権は経験豊かな閣僚を集め、外交政策も活発である、イラン議会としてもこれを支持していきたいと述べました。これに対して岸田大臣から、シリアやアフガニスタンといった地域全体の問題についてイランと様々な意見交換を行うことが可能であり、問題の解決にむけてイランとともに努力していきたいと述べました。
(2)イランの核問題
ラリジャニ国会議長から、イランの核問題について濃縮活動を含む原子力の平和利用の権利はイラン国民の権利であるとの説明があり、岸田大臣から、未来のために核兵器のない世界を実現するためにイランを含む国際社会と努力していきたい、核問題に関してジュネーブでのEU3+3とイランの交渉は重要なものであり、合意の形成に向けてイランが努力することを期待していると述べました。
(3)その他
最後に、ラリジャニ国会議長から、日・イラン友好議連の事務局長を務めている岸田大臣には二国間関係の一層の改善のために尽力頂きたいとの言葉があり、岸田大臣から、イランが国際社会で十分な力を発揮できるよう古くからの友人としてイランを支援していきたい旨述べました。