7月12日(17時00分から18時00分頃まで),玄葉外務大臣は,カンボジア・プノンペンにおけるアジア地域フォーラム(ARF)閣僚会合の機会に,韓国側の主催により,金星煥(キム・ソンファン)韓国外交通商部長官及びクリントン米国国務長官との間で日米韓外相会合を行ったところ,概要以下のとおり。(なお,前回の日米韓外相会合は昨年7月23日にバリにて実施。)(共同プレス声明(骨子,仮訳,英文)
1.総論
- (1)三外相は,冒頭,前回会合以降,金正日北朝鮮国防委員長死去や4月のミサイル発射等の出来事が起きる中で,三国間の協力が着実に進展していることを歓迎し,三か国は基本的価値と利益を共有しており,日米韓の協力を強化していく認識を示した。
- (2)会合の結果,三か国の協力をさらに円滑化するために,ワシントンに運営グループ(Steering Group)を設置することに合意した。
2.北朝鮮問題
- (1)玄葉大臣から,4月のミサイル発射後も北朝鮮を巡る状況は引き続き予断を許さないと述べ,北朝鮮との対話を通じた問題解決のための取組を行うためには,北朝鮮が非核化等に向けた具体的行動をとることにより,自らの姿勢が根本的に変化したことを示す必要があるとの点で一致した。その上で,三外相は,日米韓が今後も緊密に連携し,中国やロシアとも協力しながら,北朝鮮に対し前向きな対応を求めていくことを改めて確認した。
- (2)拉致問題については,玄葉大臣から,この問題に対するこれまでの米韓両国の支持と協力に謝意を表明するとともに,引き続きの協力を要請し,三外相は北朝鮮に拉致問題を含む人道上の問題への対処を求め続けていくことで一致した。
- (3)三大臣は,現下の東アジア情勢にかんがみ,日米韓が安全保障分野での協力をさらに深めて行くことについても一致した。
3.地域やグローバルの問題
- (1)三外相は,南シナ海,地域協力,ミャンマー,メコン河流域開発,イラン,シリア,アフガニスタン支援等の地域やグローバルの問題について意見交換を行い,玄葉大臣から,ASEAN,ARF,EAS等の地域フォーラムの重要性について指摘し,また,ミャンマー,メコン河流域開発,アフガニスタン支援等における我が国の貢献についても紹介した。
- (2)三外相は,こうした地域やグローバルな問題についても,基本的価値と利益を共有する日米韓が緊密に連携して対応していくことを確認した。