気候変動

令和元年11月18日
(写真1)東芝三菱電機産業システム
(写真2)ソーラーパネル
(写真3)金沢駅バスターミナル

気候変動対策に取り組む民間企業の力の重要性

 パリ協定を着実に実施するには,社会経済活動に伴って発生する温室効果ガスの大幅な排出削減と気候変動によって生じる影響への適応が必要です。パリ協定に定められている,いわゆる「2℃目標」を実現するためには,革新的技術の開発・普及などイノベーションを通じた温室効果ガスの削減をグローバルに追求することが不可欠です。それと同時に,世界規模での気候変動対策に必要な資金を確保するためにも,投資を促し,国際協力を強化し,世界が一丸となって気候変動対策に取り組んでいかなければなりません。COP決定等において,民間企業や地方自治体,市民社会をはじめとする様々な担い手(非国家主体,non-state stakeholder)の役割の重要性が言及されています。

 国際社会の低炭素化に向けた流れはもはや後戻りすることなく,日本の企業も自社製品やサービスを通じて気候変動対策と持続可能な社会の実現に大きく寄与しています。外務省においては,気候変動対策について先進的な取組をする企業の一部をホームページで紹介しているところです。特に民間セクターによる取組の重要性は様々な場で言及されており,2017年12月のフランスにおける気候変動サミット(one planet summitにおいても,公的資金は今後も重要な役割を果たすものの,気候変動に強靱でありかつ持続可能な社会の開発を支えるためには,民間資金の動員が重要であることが確認されました。河野外務大臣からも,日本の先進的な技術力とイノベーションの力を活用し,気候変動対策で世界をリードする決意を表明しており,今後とも日本政府は,パリ協定の着実な実施に向け,今後一層民間企業との連携を強化していきます。

国内外における日本企業の先端的な取組

株式会社NTTファシリティーズ

【持続可能な社会実現に向けて統合ファシリティーサービスを提供する企業】

 電気通信設備の省エネルギー対策や建物の設計・維持管理,リスクマネジメント等により培ったICT×エネルギー×建築の融合技術を生かして,持続可能な社会実現に向けた統合ファシリティーサービスを提供しています。
 データセンターのエネルギー効率化や自然災害等のリスクへのBCP対策,また今後は,日本で最大級の太陽光発電所保有数と構築実績を生かして,再生可能エネルギーにより発電された電力を供給する「Fグリーン電力」サービスなどを通じ,RE100加盟企業とそのサプライヤをはじめとした事業者のニーズに応えています。

株式会社カネカ

【化学で環境・エネルギー分野に貢献する企業】

 屋根材そのものの機能を持ち合わせた瓦一体型極薄太陽光発電システムや世界初の5色有機EL照明パネルなど,化学分野での研究開発を通じて地球環境やエネルギー問題解決に寄与しています。
 海外ネットワークを生かした技術の海外進出も行っています。

株式会社小松製作所/コマツ

【建設現場での二酸化炭素排出量削減に寄与する機械企業】

 機械事業に関係性の強い「気候変動」「技術革新」等5つの目標を選定し取り組んでいます。建設機械のライフサイクルにおけるCO2排出量のうち90%が建設機械の稼働時に排出されることから,2015年には「スマートコンストラクション」を開始。スマートコンストラクションではICT技術によって環境性能に優れた建設現場を実現しています。

自然電力グループ

【自然エネルギー発電所の設置に必要な全てのサービスを提供する企業】

太陽光・風力・小水力等の自然エネルギー発電所の設置・運営に必要な,開発・EPC(設計・調達・建設)・O&M(運営・保守)・アセットマネジメント等,すべてのサービスを手掛けています。日本全国でグループとして,約800メガワット(2018年4月末時点)の自然エネルギー発電事業に携わりました。2017年より電力小売事業に参入し,個人・法人に向けた電力供給のほか,企業等の環境(エネルギー)対策に向けた取り組み支援も行っています。

大和ハウスグループ

【世界初,建設・住宅業界でEP100とRE100に加盟し脱炭素社会実現に取り組む企業】

エネルギー効率及び再生可能エネルギーに関する国際イニシアティブ「EP100」「RE100」の双方に加盟する世界で唯一の建設・住宅業界の企業です。現在,グループ電力使用量に対する再生可能エネルギー発電量の割合は約60%で,2030年に100%まで向上し,2040年にはエネルギー効率を2倍にするとともに,全ての使用電力を再生エネルギーで賄うことを計画しています。事業を通じては,エネルギー“ゼロ”の住宅・建築・街づくりに取り組んでいます。

東芝三菱電機産業システム株式会社

【省エネルギーを実現する産業システムインテグレータ企業】

 電力変換装置や大容量リチウムイオン二次電池システムの開発によって,省エネルギーに貢献しています。
 メガソーラ向けのパワーコンディショナはトップクラスの変換効率で,国内シェア1位です。
 さらに,米国・中国・インド等に世界最大規模の太陽光発電システムを展開するなど海外に積極的に技術を提供しています。

株式会社日本ビジネス出版

【環境ビジネス・成長産業に関する情報発信企業】

 環境エネルギー分野のビジネスモデル・新技術・法制度改革など環境・エネルギー業界に関する情報を提供する季刊誌「環境ビジネス」の発行とオンラインによる発信をしています。情報提供だけではなく,環境対策の実務サポートや,マーケティング支援サービスも展開し,環境ビジネス業界を支えています。

ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社

【再生可能エネルギー100%の電力を供給する専業の再生エネルギー発電事業の会社】

 全国約50か所で,400メガワットを超える設備容量の,太陽光発電所,風力発電所,バイオマス発電所を運転中または建設中です。更に,洋上での風力発電所,水力発電所を含めて開発を進め,2020年には1,000メガワットの設備容量を目指してきます。2018年1年間で3億4,500万キロワット時(約96,000世帯分)の再生可能エネルギーによる電力供給,17万CO2トンのCO2削減効果(電力事業者ごとの発電係数で計算,杉の木が年間14キログラムのCO2を吸収すると計算すると杉の木約1,200万本分)を実現しています。

株式会社日水コン

【循環型社会及び低炭素社会の構築に貢献する水の総合コンサルタント】

 水循環シミュレーション,雨水流出解析,数値流体解析等のシミュレーション技術,浄水場・下水処理場における小水力発電・バイオガス発電等の創エネ,ダウンサイジングを考慮した施設再編成や最新のIOT/ICTを活用した省エネ技術などを提供し,循環型社会及び低炭素社会の構築を支援しています。
また,気候変動の影響に脆弱な島嶼国や様々な発展途上国において,質の高い水インフラシステムを提供し,安全且つ効率的な水へのアクセスと衛生環境を確保する取り組みも積極的に進めています。

 本ページへの掲載を希望される企業様に於かれては,国際協力局気候変動課(外務省代表電話 03-5501-8493)までお問い合わせください。


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