気候変動
気候変動対策をリードする日本の企業2
気候変動対策に取り組む民間企業の力の重要性
パリ協定を着実に実施するには,社会経済活動に伴って発生する温室効果ガスの大幅な排出削減と気候変動によって生じる影響への適応が必要です。パリ協定に定められている,いわゆる「2℃目標」を実現するためには,革新的技術の開発・普及などイノベーションを通じた温室効果ガスの削減をグローバルに追求することが不可欠です。それと同時に,世界規模での気候変動対策に必要な資金を確保するためにも,投資を促し,国際協力を強化し,世界が一丸となって気候変動対策に取り組んでいかなければなりません。パリ協定やCOP決定において,民間企業や地方自治体,市民社会をはじめとする様々な担い手(非国家主体,non-state stakeholder)の役割の重要性が言及されています。
国際社会の低炭素化に向けた流れはもはや後戻りすることなく,日本の企業も自社製品やサービスを通じて気候変動対策と持続可能な社会の実現に大きく寄与しています。外務省においては,気候変動対策について先進的な取組をする企業の一部をホームページで紹介しているところですが,特に再生可能エネルギーや電気自動車の普及等に積極的に取り組む企業を以下に紹介しています。特に民間セクターによる取組の重要性は様々な場で言及されており,2017年12月のフランスにおける気候変動サミット(one planet summit)においても,公的資金は今後も重要な役割を果たすものの,気候変動に強靱でありかつ持続可能な社会の開発を支えるためには,民間資金の動員が重要であることが確認されました。河野外務大臣からも,日本の先進的な技術力とイノベーションの力を活用し,気候変動対策で世界をリードする決意を表明しており,今後とも日本政府は,パリ協定の着実な実施に向け,今後一層民間企業との連携を強化していきます。
国内外における日本企業の先端的な取組
再生可能エネルギー普及に積極的に取り組む企業
鈴廣かまぼこ株式会社 | 【再エネ・省エネに積極的に取り組む,創業150年の企業】 鈴廣かまぼこ株式会社においては,再エネ活用や省エネを積極的に進めており,グループ5社の電力を地元の再エネ利用の新電力に切り替え,ゼロ・エネルギーを目指して本社ビルを2015年に新築しました。本社ビルにおいては,太陽光の利用だけではなく,井戸水など土地に適した再エネを積極的に活用しています。
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洋上風力発電
MHIヴェスタス・オフショア・ウィンド社(MVO) | 【洋上風力発電の設備開発に積極的に取り組む企業】 MHI ヴェスタス・オフショア・ウィンド社(MVOW)は三菱重工業株式会社とデンマークのVestas Wind System社が折半出資する国際合弁企業で,洋上風車の設計,製造,据付,サービスを行っています。これまでの納入実績は約1000基を数え,現在の主力機種は世界で最大の洋上風車V164-9.5MWです。
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太陽光発電
丸紅株式会社 | 【再生可能エネルギーの開発・供給に取り組む総合商社】 丸紅株式会社においては,再生可能エネルギーの開発・供給を強化し,持続可能なエネルギー供給を目指しています。2017年にはアラブ首長国連邦(UAE)において世界最大級の大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設・運営に参画しました。また,2011年には欧州にて,日本企業として初の,商業運転中の洋上風力発電事業への本格出資参画を果たしたほか,日本国内においても風力,太陽光,バイオマスに加え,100%子会社である三峰川電力を通じた小水力発電など,再生可能エネルギー事業の開発に積極的に取り組んでいます。
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日揮株式会社 | 【再生可能エネルギー事業に積極的に取り組むエンジニアリング企業】 日揮株式会社においては,国内外において,再生可能エネルギーを利用する発電所建設プロジェクトを数多く手掛け,再生可能エネルギーの普及に積極的に取り組んでいます。2018年3月にはベトナムにおいて,現地の電力事業者からベトナム最大級の太陽光発電所建設プロジェクトを受注しました。この案件を機に,東南アジア地域を中心とした太陽光発電所建設プロジェクトの積極的な受注拡大に取り組んでいます。 |
持続的な社会の実現につながる住宅・建築物作り
野村不動産株式会社 | 【持続的な社会の実現に寄与する住宅開発企業】 野村不動産株式会社においては,2009年に「グループ環境理念」を掲げ,住宅部門では,「プラウド環境評価シート」を策定し,環境への取り組みを推進しています。また,千葉県船橋市と連携し,スマートシェア・タウン構想のもと,住民参加型の街づくりを行った「ふなばし森のシティ」では,フランス政府が推進する「エコカルティエ認証」をフランス国外では世界で初めて取得しました。
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電気自動車の普及をリードする
日産自動車株式会社 | 【100%電気自動車(EV)の生産に取り組む自動車メーカー】 日産自動車株式会社は,カーボン・ニュートラルな社会にチャレンジします。2050年までに新車から排出するCO2を2000年比90%削減するビジョンを掲げ,電気自動車をはじめとするクルマの電動化・知能化,革新的な未来のモノづくりを通じて社会の気候変動対応に積極的に取り組んでいます。 |
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