気候変動
第2回G20気候持続可能性作業部会(CSWG)適応ワークプログラム関連会合
令和元年11月28日



外務省は,2019年11月18日から19日にかけて,タイ・バンコクにおいて,第2回G20気候持続可能性作業部会(CSWG)適応ワークプログラム関連会合を開催しました。
会議にはG20各国及び関係国際機関等から計80名以上が参加し,G20として,主に東南アジアにおける気候変動の適応分野での取組や国際協力に焦点を当てた活発な議論が行われました。
G20CSWG適応ワークプログラム (2018-2019) に基づく取組は,今回の会合が最後となりました。気候変動への適応分野のG20の取組は,来年の議長国であるサウジアラビアの下で継続されます。
1 会合の概要
- 日時:
- 2019年11月18日(月曜日)~19日(火曜日)時間は議事次第に記載
- 場所:
- KamolthipI-II, Sukosol Hotel (477 Si Ayuthaya Road, Thanon Phayathai, Ratchathewi, Bangkok 10400, Thailand)
- 出席者:
- アルゼンチン,オーストリア,中国,エジプト,フランス,ドイツ,インド,イタリア,日本,メキシコ,オランダ,ロシア,サウジアラビア,シンガポールアジア開発銀行(ADB),フランス開発庁(AFD),ドイツ国際協力公社(GIZ),JICA,経済協力開発機構(OECD),国連開発計画(UNDP),国連環境計画(UNEP)国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)等の関係者 計80名以上
- 言語:
- 英語
- 議事次第:
-
- 1日目:11月18日(月曜日)9時30分~18時30分
- オープニングセッション
- タイ王国天然資源環境省(ONEP)による歓迎挨拶及びプレゼンテーション
- バンコク都(BMA)によるイニシャルプレゼンテーション
- セッション1 気候変動への適応対策事例紹介
- タイ王国における公民連携による洪水対策プロジェクト
- ジャカルタ市における地盤沈下に起因した洪水・高潮等の水害リスクへの対策
- タイ王国における統合的な気候変動適応戦略の共創推進 (ADAP-T)
- セッション2 フィールドトリップ
- 2日目:11月19日(火曜日) 9時00分~11時30分
- セッション3 G20各国による優良事例の共有
閉会セッション
2 開催の背景と主な成果
- (1)2017年のG20ハンブルクサミットにおいて採択されたハンブルク行動計画に基づき,2018年アルゼンチン議長国下のCSWGにおいて,G20各国での経験を共有し,国内およびパートナー国との協力のもと,気候変動への適応や強靱性を強化するための取組を促進することを目的に,G20各国が行うショートスタディやイベント等についてまとめた,G20CSWG適応ワークプログラム(2018-2019)(英文)(PDF)
が採択されました。本会合は,この適応ワークプログラムの下,我が国主催で開催したものです。
- (2)参加者は,気候変動への脆弱性を抱える地域で行われている適応対策についての事例を共有するとともに,チャオプラヤ川地下放水路やタイランド湾の海岸浸食防止プロジェクトなど,実際に適応分野の取組が行われている現場を視察し,G20として更なる気候変動への適応分野の取組を促進するための議論を深めました。
- (3)各セッションは非公開で行われました。日本は,JICA・日本企業・現地政府との連携により開催地近隣の地域で実施している気候変動適応関連プロジェクトを数多く紹介する等,我が国の適応分野における貢献をG20各国に向けて発信しました。
- (4)セッション3で提出された事例は,本年長野県軽井沢町で開催されたG20環境大臣会合において採択された,G20適応アクションアジェンダの付属文書(英文)(PDF)
として纏められました。
- 【参考】G20気候持続可能性作業部会(CSWG)
- G20においては,2013年に,エネルギーに関するあらゆる事項を一元的に扱う「エネルギー持続可能性作業部会(ESWG)」が設立されました。更に2017年,エネルギー政策と気候変動の両論点が密接に関わっていること及び気候変動に関する国際的な関心の高まりを踏まえ,既存のESWGに加えて気候持続可能性作業部会(CSWG)が設立され,持続可能性作業部会(SWG)の下に置かれました。2018年議長国であるアルゼンチンはCSWGとESWGを分離して扱う整理とし,これ以降,CSWGは独立した作業部会としてシェルパプロセス下に設置されています。