気候変動
パリ協定妥結への日本の取組
平成28年8月31日
(写真提供:内閣広報室)
我が国は,歴史的な合意であるパリ協定妥結に大きく貢献しました。ここでは,安倍総理によるCOP21首脳会合出席における発信及び同会合において国際社会に対して発信した我が国独自の貢献策「美しい星への行動(ACE2.0)」について,説明します。
1 安倍総理のCOP21首脳会合出席(2015年11月30日)
開会式出席等
- 安倍総理は,議長国主催で開催された首脳会合開会式に出席しました。
- オランド大統領主催昼食会に参加し,気候変動を初めとする国際社会の課題,二国間関係等について,意見交換を実施しました。
首脳会合における安倍総理のスピーチ
- 今こそ先進国,途上国が共に参画する温室効果ガス削減のための新たな枠組みを築くべき時。
- パリ合意には,長期目標の設定や,削減目標の見直しに関する共通プロセスの創設を盛り込みたい日本は,先に提出した志の高い約束草案や適応計画を着実に実施していく。
- 今般,途上国支援,イノベーションからなる貢献策「美しい星への行動2.0」を発表。
- 第一の柱である途上国支援については,2020年に現在の1.3倍,官民あわせて年間約1.3兆円の気候変動対策支援を実施,今回の日本による増額分で,年間1,000億ドルとのCOP15での約束を達成する道筋がつくと考える。
- 第二の柱であるイノベーションについては,気候変動対策と経済成長両立の鍵は,革新的技術の開発である,「エネルギー・環境イノベーション戦略」を2016年春までにまとめ,集中すべき有望分野を特定し,研究開発を強化していく。
- 二国間クレジット制度などを駆使し,途上国の負担を下げながら,画期的な低炭素技術を普及。
- 今こそ新たな枠組みへの合意を成し遂げるべき。
「ミッション・イノベーション」立ち上げ式参加
安倍総理はクリーン・エネルギー関連の研究開発強化に向けた新たな国際的な取組である「ミッション・イノベーション」の立ち上げ式に参加しました。(オランド仏大統領,オバマ米大統領,モディ印首相,ビル・ゲイツ氏等が参加。)また,この直後に行われた首脳会合におけるスピーチの中で,我が国がこれまで一貫して取り組んできたことと軌を一にするものとして本イニシアティブへの賛同を表明しました。
2 美しい星への行動(Action for Cool Earth: ACE2.0)
理念=「途上国支援とイノベーションからなる二つの貢献」
- COP21での温室効果ガス削減のための新たな枠組みへの途上国の参画を促すためには,先進国からの支援が鍵になります(2020年までに年間1,000億ドルを先進国から途上国に供与するとCOP15で約束)。また,世界レベルでの抜本的な排出削減のためには,技術革新が不可欠です。
- 先進国第二の経済規模,温室効果ガス排出量を持つ日本として,途上国に手を差し伸べることこそ,世界の気候変動対策の進展,COP21成功への貢献となります。
- イノベーション先駆者である日本として,革新的技術の開発を更に強化し,世界をリードすることこそ,抜本的な排出削減への国際貢献なのです。
途上国支援
- 我が国の途上国支援を,2020年に,官民合わせて約1兆3千億円,現在の1.3倍にすることを表明しました。(上記1,000億ドルの約束に対応)
- 地熱発電,都市鉄道,防災インフラ,水確保など日本の得意分野で貢献します
- その他,アジア・太平洋島嶼国における早期警戒システム構築や都市間連携・人材育成も推進します
イノベーション
- 革新的エネルギー・環境技術の開発強化に向け,「エネルギー・環境イノベーション戦略」を策定します。
- 二国間クレジット制度(JCM)等を通じた優れた低炭素技術の普及を推進します。