国連

日豪共催核軍縮・不拡散に関する外相会合(概要)

平成22年9月23日

  • (写真)日豪共催核軍縮・不拡散に関する外相会合
  • (写真)日豪共催核軍縮・不拡散に関する外相会合に出席する前原外務大臣
  • (写真)日豪共催核軍縮・不拡散に関する外相会合で発言する前原外務大臣

1.会合の概要

 22日ニューヨーク時間午後6時20分から7時15分まで,ニューヨークの豪州代表部において,10か国の外務大臣又は代理が出席し,日豪共催核軍縮・不拡散に関する外相会合が行われた。出席者は以下のとおり。

  • 我が国前原外務大臣(共同議長)
  • 豪州ラッド外相(共同議長)
  • ドイツヴェスターヴェレ外相
  • オランダデホイヤー外務省政務局長
  • ポーランドシコルスキ外相
  • カナダブロデュアー外務省国際安全保障担当次官補・政務局長
  • チリスコクニク・ウィーン代表部大使
  • メキシコロブレド外務次官
  • トルコダーヴトオール外相
  • アラブ首長国連邦アブダッラー外相

2.会合の概要

  1. (1)共同議長からの冒頭発言

     冒頭,前原大臣(共同議長)から,核軍縮は気候変動と同様に人類が世代を超える責任感を持つことができるかどうかを問われる課題である,核軍縮・不拡散を追求することが核リスクを最小化し,国際の平和と安全を導くものである,本日参集した国々は,NPT運用検討会議での合意を着実に履行することはもちろん,核軍縮・不拡散に関する創造的な政策を提案し実現していくことができると考えている,1年後の第2回の外相会談に向けて作業を継続し,その成果をグループとしての「行動計画」のような形で発表していきたいと述べた(冒頭発言)。

     ラッド豪外相は,豪州と日本は核軍縮・不拡散分野で協力を進めてきており,2008年には「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」を日本と共に立ち上げた,我々はNPT運用検討会議の結果に基づいて核軍縮を進める必要がある,日豪はNPT運用検討会議において協力したが,その協力を他の国に拡大していきたいと考えている,新しいグループでは,透明性・不可逆性・検証可能性を伴う核軍縮,CTBTの早期発効,カットオフ条約の早期交渉開始,IAEA追加議定書の普遍化といった点を強調していきたいと述べた。

  2. (2)各参加者からのステートメント

     両共同議長以外の8名の参加者からステートメントが行われた。ヴェスターヴェレ独外相は,この日豪のイニシアティブを強力に支持する,次回の外相会合はベルリンで開催する用意がある等述べた。アブダッラーUAE外相は,原子力の平和的利用を促進している国として,このグループはNPTの3本柱(核軍縮,不拡散,原子力の平和的利用)を前進させるのに貢献すると考えていると述べた。シコルスキ・ポーランド外相は,日豪のイニシアティブを歓迎する,ポーランドはこのグループの活動を積極的に支持していきたいと述べた。

  3. (3)外相共同ステートメントの採択

     続いて,10名の外相による「核軍縮・不拡散に関する外相共同ステートメント」を全会一致で採択した(英文及び仮訳)。

  4. (4)締めくくりの発言

     会合の締めくくりとして,前原大臣から,メンバーシップについては柔軟に考えることとし,共同歩調をとる国があれば積極的に取り込んでいきたいと述べ,参加者の意見の一致を見た。また,前原大臣は,グループとして扱うテーマについては,1)核兵器の数と役割の低減(消極的安全保証の実効性を高めること及び「唯一の目的」の考え方),2)カットオフ条約の早期交渉開始を特に強調したい,そして,第2回目の外相会合の実施に向け,グループとして目指すべき方向性を「行動計画」のような形で打ち出していきたいと述べた。

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