国際組織犯罪に対する国際社会と日本の取組

令和5年11月22日

1 背景

 情報技術分野の急速な発達、コンピュータ・ネットワークの発展によって、世界中で電子メールの幅広い利用、インターネットを通じた各種サイトへのアクセス、電子商取引等が可能となりました。このような情報技術の発展は、社会の一層の発展のための大いなる可能性を秘めていますが、一方で、コンピュータ・システムを攻撃するような犯罪及びコンピュータ・システムを利用して行われる犯罪(いわゆるサイバー犯罪)が出現するようになりました。

 サイバー犯罪は、犯罪行為の結果が国境を越えて広範な影響を及ぼし得るという特質を備えていることから、その防止及び抑制のために国際的に協調して有効な手段をとる必要性があります。

2 サイバー犯罪に関する条約(通称:ブダペスト条約)

 このような状況の下、サイバー犯罪に対処するための法的拘束力のある国際文書の作成が必要であるとの認識が欧州評議会において共有されるようになり、平成9年(1997年)以降、欧州評議会におけるサイバー犯罪を取り扱う専門家会合においてサイバー犯罪に関する条約の作成作業が行われてきました。その結果、平成13年(2001年)9月に行われた欧州評議会閣僚委員会代理会合においてこの条約の案文について合意し、同年11月8日に行われた欧州評議会閣僚委員会会合において正式に採択されました。その後、同条約は、平成16年(2004年)7月に発効しています。

 同条約は、サイバー犯罪から社会を保護することを目的として、コンピュータ・システムに対する違法なアクセス等一定の行為の犯罪化、コンピュータ・データの迅速な保全等に係る刑事手続の整備、犯罪人引渡し等に関する国際協力等につき規定しています。

 我が国は、平成24年(2012年)7月3日に同条約の受諾書を欧州評議会(ストラスブール)の事務局長に寄託しました。これにより、同条約は、我が国については平成24年(2012年)11月1日に効力が発生しました。

 (参考)令和5年(2023年)11月現在、締約国68か国(全てのG7諸国を含む。)、署名済み未締結国2か国。

3 サイバー犯罪に関する条約の第二追加議定書

 平成29年(2017年)以降、欧州評議会において、容易に国境を越えるサイバー犯罪対策のための枠組みとして、他の締約国から、より迅速かつ円滑な手続による電子的形態の証拠の収集を可能にすること等を目的として、サイバー犯罪に関する条約の追加議定書の作成交渉が行われました。そして、令和3年(2021年)11月17日の欧州評議会閣僚委員会において、「協力及び電子的証拠の開示の強化に関するサイバー犯罪に関する条約の第二追加議定書」が採択されました。

 我が国は、令和5年(2023年)8月10日に同議定書の受諾書を欧州評議会(ストラスブール)の事務局長に寄託しました。

 同議定書は、サイバー犯罪に関する条約の締約国のうち5か国が同議定書に拘束されることに同意する旨を表明した日の3か月後の月の翌月の初日に効力を生じます。(令和5年(2023年)11月現在、その旨を表明した締約国は我が国を含め2か国にとどまり、現時点で未発効です。)

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