核軍縮・不拡散
ワッセナー・アレンジメント第18回総会(概要)
2012年12月11~12日、ウィーンにおいてワッセナー・アレンジメント(WA)(注1)の第18回総会が開催されたところ、同総会の後に発出された報道機関向け資料の主要点は以下のとおり。
1 総論
2011年に行われたWAの全体的な機能の評価と見直し((注2)WAの全般的な機能並びに国際及び地域の安定と安全への貢献に関する広範な再検討と評価のために4年に1度行うもの。)を踏まえ、WAは、技術の進歩や市場の動向に対応してきた。WAは、通常兵器及び関連汎用品・技術の移転における透明性とより大きな責任を促し、不安定化をもたらす武器の蓄積を防止することにより、国際及び地域の安定と安全に貢献する努力を継続してきた。WA参加国は、地域の情勢に関する議論を地域毎に輪番で実施することにより、かかる議論を更に生かしていくことで合意した。また、WA参加国は、懸念のある新興技術を含め、新たな課題に取り組んでいくことで合意した。
2 規制品目の改正
WA参加国は、既存の規制リストを一層分かりやすく、かつ、審査当局や輸出者にとって使いやすいものとするため、また、好ましくない輸出の探知及び拒否ができるようにするため、積極的に作業を継続してきた。宇宙空間用の飛しょう体及び無線通信傍受装置を含め、多くの分野において輸出管理が強化された。これに加えて、ガスタービンエンジン、工作機械等に関する規制が緩和された。また、WA参加国は、WAの規制品目リストの妥当性が失われないよう、同リストの包括的かつ計画的な見直しを行うことを決定した。
WAの活動を促進し、WAに参加していない国がWAの基準を自主的に遵守することを促進するために多大な努力が行われてきた。
3 アウトリーチ活動の継続
WAは、その目標と目的を実現するため、特に、総会後のブリーフ、産業界との連携、非参加国との二国間協議を通じたアウトリーチ活動を継続する。WA総会は、複数の非参加国に対し、規制リストの最近の改訂について説明を行う技術ブリーフを2013年も継続して実施することを決定した。
4 新規参加
WA総会は、41か国目となるメキシコの新規参加を歓迎するとともに、WAが、参加基準を満たした全ての国に平等に新規参加の門戸を開いていることを再確認した。
5 今後の予定
次回のWA総会は、2013年12月にウィーンで開催される。2013年1月1日より、デンマークが同総会議長、ポルトガルが一般作業部会議長、韓国が専門家会合議長、米国が審査官・執行官会合議長を務める。
(注1)ワッセナー・アレンジメントとは、(1)通常兵器及び関連汎用品・技術の過度の蓄積を防止することによって、地域及び国際社会の安全と安定に寄与し、(2)グローバルなテロとの闘いの一環として、テロリストグループ等による通常兵器及び関連汎用品・技術の取得を防止することを目的とする国際的な輸出管理レジーム。
(注2)同総会にて発出された対外発表はWAのウェブサイトに掲載されている。