外交政策
宇宙活動に関する国際行動規範に関する第1回オープンエンド協議(概要)
平成25年5月17日
5月16日及び17日(現地時間),ウクライナの首都キエフにおいて,欧州連合(EU)主催により,宇宙活動に関する国際行動規範に関する第1回オープンエンド協議が行われ,我が国を含む約65か国が出席しました。今回の会合では,各国の専門家より,深刻な宇宙ゴミ(デブリ)の現状、宇宙ゴミの低減や衛星同士の衝突を回避するために国際協力を通じて迅速に対応することの必要性等について説明がなされた後,参加国から質問や意見表明がなされる形で議論されました。
我が国からは,山﨑和之総合外交政策局参事官が代表団長として出席し,宇宙ゴミの増加等による宇宙環境の悪化に対処し,安全かつ持続可能な宇宙環境を確保するための新たなルール作りに切迫感をもって取り組むべきとの考え方を示し,この観点から,EUのイニシアティブを支持するとの我が国の基本的な立場を表明しました。
今回の会合を受けて,同行動規範案に関する多国間の協議が本格的に開始され,年末にも第2回オープンエンド協議が開催されることとなりました。
(参考)宇宙活動に関する国際行動規範案
1.2008年にEUによって提唱され(国際行動規範案の最新版は2010年9月付改訂版。)、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の発生を防止し、安全な宇宙環境を実現することを目的としている。具体的には、宇宙物体同士の事故等の干渉可能性を最小化すること、宇宙物体の破壊を差し控えること、宇宙物体への危険な接近をもたらす可能性のある運用予定・軌道変更・再突入等のリスクを通報すること、他国による違反の可能性がある場合に協議を要請すること等に国際行動規範案は言及している。
2.日本は、2012年1月に、EUが主導してきたイニシアティブを歓迎し、宇宙活動に関する国際的行動規範策定に関する議論に本格的に参加していくことを表明している。
3.オープンエンド協議とは、結論を予断しない形で各国からの幅広い参加と議論を歓迎する意図での呼称。今後、EUは、1~2回程度のオープンエンド協議を開催した後、2014年を目途に外交会議を開催して各国代表の署名を得て採択したい意向。