ODAとは? ODA予算・実績

国別援助実績
1991年~1998年の実績
[15]マルタ


1.概 説

(1) マルタは、1964年に英国から独立し、74年に共和制に移行した。地中海地域における交易の重要な位置を占めている。87年以降親西欧、自由主義経済を標榜するアダミ国民党内閣が政権を担当し、EU加盟を目指した経済の自由化、公営企業の民営化、産業再編・合理化、生産性の向上による輸出振興、外国資本の誘致等の政策を推進した。96年10月の総選挙では、95年に導入した消費税が予想以上に国民の不興を買い、大方の予想に反して労働党が勝利し、サント党首が新首相に選出された。しかし労働党の内紛により、98年8月に議会が解散され、9月の総選挙で国民党が政権に復帰した。
(2) 前労働党政権は、EU加盟はマルタの中立性を損なうものとして、90年7月の加盟申請を凍結するとともに、地中海諸国との関係強化を打ち出していたが、国民党政権は、EU加盟を最重要案件としており、加盟申請を復活させるとともに、法制度、経済構造の改革を行っている。
(3) マルタは国土が狭く、わずか37万人の人口を有し、資源も乏しく、従来は造船・船舶修理及び観光が主要産業であった。旧国民党政権は、公共部門の縮小、企業家育成、貿易自由化等の経済の自由化、観光・製造業等の強化、ハイテク産業及びオフショア・ビジネスの奨励等により、投資誘致、雇用の増大等の実績をあげた。同国経済は順調に推移し、96年については、実質GDP成長率4.2%、失業率3.6%、物価上昇率2.5%と安定している。
(4) 90年8月アダミ首相、同年11月タボーネ大統領が訪日している。

 (参考1)主要経済指標等

90年 95年 96年 97年

人口(千人)

353 372 373 375
名目GNP 総額(百万ドル) 2,342 3,498
一人当たり(ドル) 6,630 9,330
経常収支(百万ドル) -55.8 -357.9 -357.8
財政収支(百万マルタ・リラ) -38.06 -30.87
消費者物価指数 100.0 120.8 123.2 126.8
DSR(%) 2.0 2.2 1.6 2.1
対外債務残高(百万ドル) 601 963 953 1,034
為替レート(年平均、1マルタ・リラ=USドル) 3.1527 2.8333 2.7745 2.5924
分類(DAC/国連) 高中所得国/-
面積(千㎞2 0.3

 (参考2)主要社会開発指標

90 年 最新年 90 年 最新年
出生時の平均余命
(年)
77(97 年) 乳児死亡率
(1000 人当たり人数)
所得が1ドル/日以下
の人口割合(%)
5 歳未満児死亡率
(1000 人当たり人数)
下位20%の所得又は
消費割合(%)
妊産婦死亡率
(10 万人当たり人数)
成人非識字率(%) 9(95 年) 避妊法普及率
(15-49 歳女性/%)
初等教育純就学率
(%)
安全な水を享受しうる
人口割合(%)
女子生徒比率
(%)
初等教育 森林面積(1000km2
中等教育

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

 我が国は、マルタが比較的高い技術水準(特に造船技術等)を有し、かつ所得水準も高いこと等から、これまで経営技術、鋳物技術等の研修員受入れ、港湾技術等の専門家派遣、造船関係の調査団派遣等の小規模な技術協力を行ってきた。近年は会計、看護、薬学等の分野で研修員受入れを実施している。


3.政府開発援助実績

(1)我が国のODA実績

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 贈   与 政府貸付 合 計
無償資金協力 技術協力 支出総額 支出純額
94
95
96
97
98
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
0.09(100)
0.24(100)
0.37(100)
0.26(100)
0.26(100)
0.09(100)
0.24(100)
0.37(100)
0.26(100)
0.26(100)




-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
0.09(100)
0.24(100)
0.37(100)
0.26(100)
0.26(100)
累計 -(-) 3.05(100) 3.05(100) -(-) 3.05(100)

 (注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。

 (2)DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 うち日本 合 計

95
96
97

イタリア
イタリア
イタリア

8.9
65.9
22.2

英国
日本
日本

0.3
0.4
0.3

日本
英国
フランス

0.2
0.2
0.2

フランス
フランス
スペイン

0.1
0.1
0.1

スペイン
スペイン
ニュージーランド

0.1
0.1
0.0

0.2
0.4
0.3
8.9
66.1
22.1
国際機関、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 その他 合 計

95
96
97

CEC
CEC
CEC

5.0
11.6
4.5

UNHCR
UNHCR
UNHCR

0.6
0.5
0.3

UNDP
UNTA
UNDP

0.2
0.1
0.2

UNTA
UNDP
UNTA

0.1
0.0
0.1



0.1
0.0
0.0
5.9
12.1
5.1

 

 (3)年度別・形態別実績

(単位:億円)

年度 有償資金協力 無償資金協力 技術協力
90年度
までの
累計
なし なし 1.12億円
研修員受入 11人
専門家派遣 14人
調査団派遣 16人
機材供与 0.4百万円
91 なし なし 0.25億円
研修員受入

8人

92 なし なし 0.28億円
研修員受入

7人

93 なし なし 0.16億円
研修員受入

4人

94 なし なし 0.12億円
研修員受入

5人

95 なし なし 0.23億円
研修員受入

7人

96 なし なし 0.26億円
研修員受入

5人

97 なし なし 0.27億円
研修員受入

9人

専門家派遣 1人
機材供与 0.4百万円
98 なし なし 0.38億円
研修員受入 8人
専門家派遣 1人
機材供与

2.7百万円

98年度
までの
累計
なし なし 3.07億円
研修員受入 64人
専門家派遣 16人
調査団派遣 16人
機材供与

3.4百万円

(注)1.「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
   2.「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。

 

ge8-15-1.gif (26822 バイト)



このページのトップへ戻る
前のページへ戻る次のページへ進む目次へ戻る