ODAとは? ODA予算・実績

国別援助実績
1991年~1998年の実績
[4] ギリシャ


1.概 説

 (1) ギリシャ初の社会主義政権として1981年から8年間政権を担当したPASOK(全ギリシャ社会主義運動)は、経済政策の失敗、特に膨大な財政赤字のため、90年の総選挙でND(新民主主義党)に破れ、政権の座を降りた。しかし、NDの緊縮経済政策に対する国民の不満、マケドニア問題に端を発した同党の派閥抗争により93年10月、PASOKが再び政権に返り咲いた。96年1月に就任したシミティス首相は、同年9月に繰り上げ選挙に勝利して基盤を固めており、2001年からのEU通貨統合参加を目標に、財政の緊縮等、経済構造改善に努力している。
 (2) 外交面では、欧州統合への積極的関与、EU諸国、米国との関係強化を基本としており、旧ユーゴー問題に積極的に取り組むとともに、バルカン諸国との関係強化を図っている。一方、歴史的対立関係にあるトルコとは、エーゲ海の領海拡幅問題等を巡り断固たる態度を示している。
 (3) 経済面では、農業、軽工業、製鉄、造船等が主要産業である。経済は、91年以降、欧州全体の景気後退の中、肥大化した公的部門の非効率も原因となり低迷し、93年にはマイナス成長に転落するなど他の欧州諸国との経済格差が拡大した。94年より経済は回復し、98年はERMへの復帰と、ドラクマの切り下げにより輸出が好調となり、前年(32%)を上回る経済成長(37%)となる見込みである。失業率はEU平均を下回っている(98年96%)。物価上昇率は、金融引き締め策、為替政策の効果が表れ、着実に低下している(98年見込み47%)。課題としては、インフラ整備の遅れ等を背景に国際競争力を持つ産業が少ない等脆弱な体質の強化と、80年代の経済政策上の失政による巨額の財政赤字(約1000億米ドル)の解消である。

 (参考1) 主要経済指標等

90年 95年 96年 97年
人口(千人) 10,048 10,467 10,475 10,522
名目GNP 総額(百万ドル) 60,245 85,885 120,021 122,430
一人当たり(ドル) 6,000 8,210 11,460 11,640
経常収支(百万ドル) -3,537 -2,864 -4,554
財政収支(十億ドラクマ) -1,814.3 -3,252.2
消費者物価指数
DSR(%)
対外債務残高(百万ドル)
為替レート(年平均、1USドル=ドラクマ) 158.51 231.66 240.71 273.06
分類(DAC/国連) DAC援助受取対象外/-
面積(千㎞2 128.9

 (参考2) 主要社会開発指標

90年 最新年 90年 最新年
出生時の平均余命
(年)
76 78(97年) 乳児死亡率
(1000人当たり人数)
10 7(97年)
所得が1ドル/日以下
の人口割合(%)
5歳未満児死亡率
(1000人当たり人数)
11 9(97年)
下位20%の所得又は
消費割合(%)
妊産婦死亡率
(10万人当たり人数)
5 10(90-97年平均)
成人非識字率(%) 7 3(95年) 避妊法普及率
(15-49歳女性/%)
初等教育純就学率
(%)
96 90(96年) 安全な水を享受しうる
人口割合(%)
女子生徒比率
(%)
初等教育 48 48(96年) 森林面積(1000km2 65(95年)
中等教育 51 49(96年)

 (4) 我が国との貿易関係は恒常的にギリシャの入超となっているが、我が国とは一般的に友好関係にある。99年3月、日・ギリシャ修好100周年にあたり、常陸宮同妃殿下がギリシャを訪問した。


2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

 ギリシャは、かなり工業化が進んでおり、EU加盟国であること、所得水準がかなり高いこと等から、我が国はこれまで研修員受入れ、専門家派遣、開発調査、観光振興等技術協力による協力を行ってきた。
 ギリシャからの申請により、95年から同国はDAC途上国リストから除外された。我が国は以後、同国へのODA供与を行っていない。


3.政府開発援助実績

 (1) 我が国のODA実績

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 贈   与 政府貸付 合 計
無償資金協力 技術協力 支出総額 支出純額
94
95
96
97
98
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
0.55(100)
1.08(100)
-(-)
-(-)
-(-)
0.55(100)
1.08(100)
-(-)
-(-)
-(-)




-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
0.55(100)
1.08(100)
-(-)
-(-)
-(-)
累計 -(-) 7.78(100) 7.78(100) -(-) 7.78(100)

 (注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。

 (2) DAC諸国・国際機関のODA実績

 DAC諸国、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 うち日本 合 計
95
96
97















(注) ギリシヤのDACリスト除外に伴い、各国の94年実績は計上されていない。

 国際機関、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 その他 合 計

95
96
97















 

 (3) 年度別・形態別実績

(単位:億円)

年度 有償資金協力 無償資金協力 技術協力
90年度
までの
累計
なし なし 3.01億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
開発調査

24人
8人
41人
4.0百万円
1件

91 なし なし 0.03億円
研修員受入

1人

92 なし なし 0.06億円
研修員受入

2人

93 なし なし 0.02億円
94 なし なし 0.07億円
研修員受入

1人

95 なし なし 0.12億円
機材供与

8.4百万円

96 なし なし なし
97 なし なし なし
98 なし なし なし
98年度
までの
累計
なし なし 3.31億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
機材供与
開発調査

27人
8人
41人
12.3百万円
1件

(注)1.「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
   2.「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。



このページのトップへ戻る
前のページへ戻る次のページへ進む目次へ戻る