ODAとは? ODA予算・実績

国別援助実績
1991年~1998年の実績
[7]トンガ


1.概 説

 (1) トンガは、1900年に英国の保護領となったが、70年にこの関係を解消し、現在は、国王トゥポウ四世を元首とする立憲君主国家となっている。
 王権の下三権分立の体制をとっている。国王のカリスマ性は依然根強く、政権は比較的安定している。
 (2) 外交面では、英連邦加盟国として英連邦諸国、特に旧宗主国である英国との緊密な関係の保持、南太平洋の域内協力の推進、国連専門機関等の諸機関への積極的参加等をその基調としている。アジアとの交流も盛んであるが、我が国以外では韓国等と良好な関係を保ち、特に王室のある国に親近感を有している。トンガはこれまで台湾と国交を有してきたが、98年11月にこれを断絶し、中国と国交を結んでいる。なお、国連に加盟を申請中である(99年8月現在)。
(3) 経済面では、伝統的な食糧作物生産及びカボチャ、バナナ、コプラ(乾燥したやしの実)、ココナツ、バニラ、インゲン豆等主要輸出作物生産を中心とする第一次産業依存型である。カボチャの輸出のほか建設業や観光業に支えられて93年以降経済成長が続いていたが、近年はカボチャの生産高及び輸出額は概ね減少傾向にある。単一生産物(カボチャ)への過度の依存を回避し、新たな輸出産品を開発することが緊急の課題となっている。観光分野では、トンガ国営航空と海外航空会社との共同運行や新航空路開設等に力を入れているほか、ホエール・ウォッチング等を活用し振興に努めている。また、政府は歳出抑制のために政府組織及び公共部門の合理化を進めるとともに、世界貿易機構(WTO)の加盟に向けて準備中である。
(4) 我が国との関係は、国王が度々来訪し、非常に親日的であること等極めて良好な関係を保っている。特に近年はトンガ産カボチャの対日輸出が急増し、経済関係も徐々に進

 (参考1)主要経済指標等

90年 95年 96年 97年
人口(千人) 99 104 97 98
名目GNP 総額(百万ドル) 100 170 175 177
一人当たり(ドル) 1,010 1,630 1,790 1,810
経常収支(百万ドル) 5,795
財政収支(千パ・アンガ) -1,893
消費者物価指数

DSR(%) 2.9 5.2 5.0 7.0
対外債務残高(百万ドル) 53.7 70.1 69.6 61.2
 為替レート(年平均、1USドル=パ・アンガ) 1.2800 1.2709 1.2323 1.2635
分類(DAC/国連) 低中所得国/-
面積(千㎞2 0.7

 (参考2)主要社会開発指標

90年 最新年   90年 最新年
出生時の平均余命
(年)
72(97年) 乳児死亡率
(1000人当たり人数)
所得が1ドル/日以下
の人口割合(%)
  5歳未満児死亡率
(1000人当たり人数)
下位20%の所得又は
消費割合(%)
妊産婦死亡率
(10万人当たり人数)
成人非識字率(%) 1x(95年) 避妊法普及率
(15-49歳女性/%)
初等教育純就学率
(%)
安全な水を享受しうる人口割合(%)
女子生徒比率
(%)
初等教育 森林面積(1000km2
中等教育

展しつつある。
 96年には、わが国の大学で経済博士号を取得した親日家のマサソ・パウンガが労働・商工・観光大臣に任命され、その後も頻繁に訪日している。また、97年10月に東京で開催された日・SPF首脳会議にはヴァエア首相が参加している。更に、98年7月、我が国は両国間の対話を促進するため、堀元駐フィジー大使を団長とする政策対話ミッションをトンガに派遣した。


2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

 我が国は同国にとり主要援助国の一つであり、我が国の経済協力に対し強い期待が示されている。過去、国王が度々訪日するなど、極めて親日的であり、両国関係も良好である。以上の観点から、我が国は同国の人口規模と開発ニーズを勘案しつつ、無償資金協力、技術協力を実施している。
 無償資金協力については、トンガの所得水準が高く、原則として一般無償資金協力の実施は困難であるが、極めて良好な二国間関係に鑑み、水産及び環境分野に関しては柔軟に対応することとしている。
 また、技術協力では、独立後の72年に青年海外協力隊派遣取極を締結し協力隊の派遣を開始したほか、若年層が人口のかなりの部分を占めていることから、研修員受入れ、専門家派遣、青年海外協力隊派遣などにより、教育・訓練等人造り分野や、近年主要産業となりつつある水産分野における協力を実施している。
 なお、99年3月には、プロジェクト確認調査団を派遣し、個別プロジェクトに関する協議を行うとともに、援助重点分野、今後の援助の方向性等について意見交換を行った。


3.政府開発援助実績

(1)我が国のODA実績

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 贈   与 政府貸付 合 計
無償資金協力 技術協力 支出総額 支出純額
94
95
96
97
98
4.99(57)
7.50(52)
7.69(67)
4.56(57)
1.90(38)
3.71(43)
6.85(48)
3.85(33)
3.39(43)
3.13(62)
8.70(100)
14.36(100)
11.54(100)
7.95(100)
5.03(100)




-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
8.70(100)
14.36(100)
11.54(100)
7.95(100)
5.03(100)
累計 67.98(61) 43.64(39) 111.63(100) -(-) 111.63(100)

 (注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。

 (2)DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 うち日本 合 計
95
96
97
日本
日本
日本

14.4
11.5
8.0

豪州
豪州
豪州

8.1
8.1
7.8

ニュージーランド
ニュージーランド
ニュージーランド

5.1
5.6
5.6

米国
米国
米国

1.0
1.0
1.0

フランス
ドイツ
フランス

0.2
0.3
0.4

14.4
11.5
8.0
28.8
26.7
22.4
国際機関、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 その他 合 計

95
96
97

ADB
ADB
CEC

6.8
2.7
2.1

UNTA
CEC
ADB

1.5
1.1
1.9

CEC
IFAD
UNTA

0.7
0.8
0.9

IFAD
UNTA
IFAD

0.4
0.4
0.2

IDA
UNFPA
UNFPA

0.2
0.2
0.1

0.3
0.1
0.1
10.0
5.3
5.1

 

 (3)年度別・形態別実績

(単位:億円)

年度

有償資金協力

無償資金協力 技術協力
90年度までの累計 なし

51.59億円

(内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm))

22.79億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
開発調査
プロジェクト技協

110人
37人
128人
94人
527.6百万円
1件
1件

91 なし

5.48億円

離島高校施設改善計画(1/2期)(96) (5.43)
草の根無償(1件) (0.05)

2.24億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協

16人
6人
4人
13人
7.6百万円
1件

92 なし

5.17億円

離島高校施設改善計画(2/2期)(96) (5.10)
草の根無償(1件) (0.07)

4.47億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協

16人
4人
18人
14人
57.2百万円
1件

93 なし

6.71億円

港湾作業船整備計画 (6.60)
草の根無償(3件) (0.11)

3.73億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協

20人
6人
13人
6人
43百万円
1件

94 なし

7.78億円

トンガタプ島道路改良計画(1/2期) (7.78)

3.39億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協

23人
7人
4人
10人
41百万円
1件

95 なし

8.02億円

トンガタプ島道路改良計画(2/2期) (7.93)
草の根無償(4件) (0.09)

7.03億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協
開発調査

32人
5人
25人
12人
66百万円
1件
1件

96 なし

7.74億円

まぐろ漁業調査訓練船建造計画 (7.00)
トンガ・ラジオ放送局機材供与 (0.50)
草の根無償(10件) (0.25)

3.75億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協

29人
7人
11人
11人
26.6百万円
1件

97 なし

0.30億円

草の根無償(12件) (0.30)

3.63億円
研修員受入
専門家派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協

27人
2人
16人
37.0百万円
1件

98 なし

3.08億円

海水取水システム改良計画 (2.37)
草の根無償(17件) (0.51)
トゥポウ・カレッジLL機材 (0.20)

4.10億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協

31人
2人
18人
17人
20.0百万円
1件

98年度までの累計 なし

95.87億円

55.13億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協
開発調査

304人
76人
221人
193人
825.3百万円
2件
2件

(注) 1. 「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
2. 「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。
3. 77年度から90年度までの無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/index.htm)

 

(参考1) 98年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件

案   件   名 協 力 期 間
保健衛生検査所(86)(92)
増養殖研究開発計画(95)

81.12~86.12
91.10~98.10

 

(参考2) 98年度実施草の根無償資金協力案件

案   件   名
南太平洋トンガセンター・遠隔通信教育機材整備計画
ヌクアロファ小学校校舎建設計画
アロンガ・センター身体障害者用バス供与計画
タイルル・カレッジ家庭科教室建設計画
ラヴァンガマリエ・カレッジ家庭科教室整備計画
ホロペカ村給水計画
リヴィエラ小学校拡充計画
マトゥク小学校拡充計画
コトゥ小学校拡充計画
オウア小学校拡充計画
タオア小学校拡充計画
ハアラウフリ小学校拡充計画
オテア小学校校舎再建計画
ハアフェヴァ小学校校舎再建計画
カウファナ幼稚園施設建設計画
マタハウ小学校校舎再建計画
ヴァヴァO.T.A.センター拡充計画

 



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